2009年10月 アーカイブ

予防医学的な、新しい賞の与え方

2009年10月11日(日) 9:18:41

オバマのノーベル平和賞受賞について、メールをいろいろいただきました。
核廃絶や国際協調、地球温暖化対策などへのコミットメントやスピーチは良かったけどまだ何も実行してないじゃん、っていう批判はまぁよくわかる。でも、「ビジョンを示したことに賞を与える」のは時代的にアリだとボクは思ったな。

世の中がどんどんフラット化・多様化している現在、以前よりずっと「世界はどこに向かうべきなのか」というビジョンを示すことの重要性が増している気がする。それを示した人に賞を与えて「言ったからには実行しろよ」と縛り付けたのは、予防医学的な、新しい賞の与え方だとちょっと思った。病気を治したことでなく、病気にならない考え方に賞を与え、その実行を強く求める、みたいな。 過去のことに賞を与えるのではなく、未来への道に賞を与え、ノーベル賞委員会自体が平和活動に参加する、みたいな。

平和とは遙かなるゴールではなく、平和という「方法」であり「やり方」だ。
以前オサニチで「There is no way to Peace. Peace is a way.」という言葉を紹介したが、強烈に影響力を及ぼせる立場にいるオバマ大統領が、勇気あるビジョンをはっきりと世界に示したことは、まさに「Peace is a way」の実践だ。そこに賞を与える。これってとても二十一世紀的だとボクは思ったです。

朝ランお試し期間

2009年10月12日(月) 12:29:52

おとといご紹介したジム、年会費とか高いのかと思われる方も多かったようですが、これがまたいままで知ったジムの中で一番安いんですね。圧倒的に安い。しかも家族会員って制度がまた……、って、ナイショなくせにいろいろイイトコロを書くと申し訳ないのでまたそのうちに。とはいえジム関連の話は続くんだけど。

というのも、なんとジョギングを始めてしまったのです。このボクが。
って、一部の友人しか知らないと思うけど、公言してたんですよ、マラソンとかジョギングとか大嫌いだと。何が楽しくて長距離走など。第一あんなもの逆にカラダに悪いとすら言い放っていた。まぁ真相は単に「長距離走はわが人生の最悪天敵と呼べるくらい不得意な分野だった」というだけなんだけど。中学高校のラグビー部時代も、そこそこ体力あったはずなのに、長距離走だけは大の不得意。「おなか痛いから学校休む」と駄々こねるレベル。1500m走なんて地獄そのものだったのです。だからメールで勧めてくださる方とか多かったのに「ぜってぇやらねぇ」と思ってたわけですよ。何が悲しゅうてあんな辛い単純運動をやらなあかんねんと。

なのになぜ始めたか。
キッカケはジムです。置いてあるマシンの中に「このマシンをやると道などでつまずきにくくなります。マラソンやジョギングで息が切れにくくなります」と説明されている人気マシンがあるんですね(膝あげをして腸腰筋を鍛えるマシン)。まぁ人気マシンだし気持ちはいいからなんとなくそれをやり続けたんだけど、そのうち「効いてる気はするけど、汗もかかないし、スタミナつくわけでもなさそうだし、ホントにマラソンで息が切れにくくなるのかな?」と好奇心が湧いてきたわけ。で、ある朝「チョットだけヨ」と自分に言い訳しながら走ってみました。朝ラン。あれは先月始め頃だったかな。犬の散歩をする妻の横を、彼女が早足歩きするのに負ける程度のスピードでゆっくりゆっくり。

2週間ちょいで4キロ減らした

2009年10月13日(火) 7:42:15

自己流ではあるがBMグラサン・ダイエットというダイエット法を開発し、 "努力なし" & "食事制限なし" で9キロ落として以来、「体重なんていつでも減らせるぜ」的なゴーマンな自信がある。

もともとこのダイエット法がリバウンドしにくいこともあって体重管理は余裕綽々だったのだが、この夏に Mac の調子が悪くなり起ち上げるのに四苦八苦するようになってから、「グラフをつける」というBMグラサン・ダイエットの根幹に関わる習慣が消えてしまった(いままでは Mac を起動したら表が目の前に出るように設定してあったのだが、それすら無理な状態になった)。
これさえやっておけばとりあえず体重キープはできる、っていうのが「毎朝体重計に乗って、パソコンに体重を記録しグラフにする」という習慣だ。五十肩でプールに行けなくなってからもグラフだけは続けていたので、体重は横ばいキープだったのだが、その習慣が崩れた途端、あっという間に体重が増えちまった。iPhone にも体重管理アプリがあって、そっちでやろうともしたんだけど、どうも感じが違って続かない。うーむ…。

でも、9月末に Mac が復帰し、ようやく「毎朝体重計に乗って、パソコンに体重を記録しグラフにする」という習慣を元に戻すことが出来た。この時点で体重は83.5キロ。だいたい79キロ台をキープしてきたので(その辺がベスト体重)、まぁ大雑把に4キロ増だったわけである。
しかも五十肩で運動もしなかったからか、お腹に増えた。4キロ分がお腹についた感じ。人生最高レベルにお腹の肉がある状態。ぷよぷよ。これ、プールに行かなくなったのが大きいな。スポーツ面よりも「ヒトに見られる」という習慣がなくなったことが大きい。人前でハダカになると無意識に体型とか気にするからね。

ツイッター・ランチ

2009年10月14日(水) 9:28:23

昨日は昼飯時に上野にいた。
とんかつかなぁ(「蓬莱屋」はこの前久しぶりに行ったから「双葉」かな)、もしくはカレーかなぁ(やっぱり「デリー」だね)、もしくは蕎麦かなぁ(「池之端藪」がいいな)とか楽しく悩んだ末、とんかつに決めた(ええ、とんかつ食べても痩せられるのがBMグラサン・ダイエットです ←しつこい)

で、「双葉」へいそいそと歩いて行った。そしたらなんと臨時休業。マジかよ〜とガックリ気を落としたが、近くに「とん八亭」があったと思い出し、これまたいそいそと。そしたらこっちは定休日。ガーー。まいったー。

落ち込んだときはツイッターにつぶやいて共有すると気が紛れる(笑)
「上野なう。双葉が臨休でとん八は定休。どうすんべ。」と、馴れない「なう」なんか使ったりしてやんわりつぶやいてみたら、「本家ぽん多はどうですか?」とか「黒門小学校前の蘭亭ポン多もオススメです」とか返してくれる人がいる(この辺もツイッターのいいところ)。

フリュイ・ド・メール

2009年10月15日(木) 7:13:17

昨晩、あるビストロで「フリュイ・ド・メール(Fruits de mer)」を食べた。
直訳すれば「海のフルーツ」。まぁ海産物全般を指すのだけど、メニューに載っている場合は「海の幸の盛り合わせ」な場合が多い(氷の山に盛り合わされている場合が多い)。ボクの中でのイメージは、生牡蠣やハマグリやムール貝や大小のエビなんかがレモンなどと共に氷の山に豪華に盛り合わされている感じ。たとえばこんな風

これ、フランスではほぼどのレストランでもメニューに載っている。いや、海外のレストランではかなりの確率でお目にかかることが多い。でも意外と日本でメニューにしている店は少ない。海の幸がこれだけ豊富な国なのに何でかな。生牡蠣なら生牡蠣だけのプレートになってしまう。いいのにな、これ。見た目が豪華なので「わー」とテーブルが盛り上がるし。

大学生時代にバックパッカーとしてヨーロッパ一周貧乏旅行したとき、最終地パリの北駅駅前にあったビストロで「最後だし!」と奮発した「フリュイ・ド・メール」が忘れられない。
他のテーブルでも普通にみんなオーダーしているので特別感はないのだが、学生の身としてはかなり豪華でハレヤカ。生牡蠣なんかが氷にいっぱい刺さった独特の背が高いプレートをギャルソンがニコニコ抱えてきてくれたときの、あのちょっと高揚した気分。翌日には日本に帰るという寂しさと、1ヶ月の貧乏旅のいろんな思い出と、最後まで辿り着いたという達成感とが結実したようなプレートだった。お金がなかったのでメインもデザートも頼まず、「フリュイ・ド・メール」だけを3人前オーダーして、一緒に旅をした親友とふたりで惜しみながら食べたなぁ。

完成しきったメディア。出来上がりつつあるメディア。

2009年10月16日(金) 7:15:17

パーティ嫌いなボクにしては珍しく、昨晩はパーティのハシゴをした。
ひとつはもうとっくに完成して成熟しきってしまったメディア。もうひとつは今まさにメキメキ成長している伸び盛りのメディア。短時間にハシゴして何だか感慨深かった。

まず18時半ごろに谷崎潤一郎賞・中央公論文芸賞の贈呈式に出かけた(@東京會舘)。
中央公論新社に知り合いがいて「ちょっと文壇系の集まりも経験してみない?」と誘われたのである。

こういう文学賞の授賞式みたいのを見に行くのは初めて。
中央公論文芸賞は村山由佳の「ダブル・ファンタジー」(谷崎潤一郎賞は該当者なし)。ボクが会場に着いたときには彼女の受賞スピーチも終わっており、歓談&立食の時間に突入していた。お、林真理子がいる。あ、渡辺淳一がいる。わ、浅田次郎がいる。と、一応文学好きなボクとしてはミーハー的なワクワクもあった。あとは編集者と思われる方が多数。銀座のクラブのおねえさまたちかなと思われるキレイドコロもわりと見かけた。華やかである。500人以上いたんじゃないかな。広いローズルームが満杯だった。年齢層は高く、48歳のボクで若い方だったと思う。伝統あるトラディショナルな賞と、それを祝うトラディショナルな方々の落ち着いた良さに溢れていた。あ、関係ないけど料理もとても良かった。さすが東京會舘。

20世紀最後の日々、中標津にて

2009年10月17日(土) 17:01:28

約10年前。ミレニアムの年(2001年)の1月1日を、ボクは中標津(北海道)のムツゴロウさんの家で迎えた。家族でお邪魔して、20世紀最後の晩を過ごし、24時にはカウントダウンを動物王国の人たちと全員でした。ムツさん手作りの料理といいワインとで大騒ぎをしたっけ。

なんでそんなことを唐突に思い出したかというと、今週ふたつもそのことを思い出させる出来事があったから。

ひとつは広尾の「マノワ」というレストラン。
数日前に例のフリュイ・ド・メールを食べた店なのだが、ここ、中標津の「ヘイゼルグラウス・マナー」と同経営なのである。リンク先を読んでいただければわかるが、「ヘイゼルグラウス・マナー」はイギリスのマナーハウス(荘園主の邸宅)をイメージしたオーベルジュ。建物も料理も凝りに凝り、執事までついてサービスしてくれる。まだ開店まもなくに伺ったので今とはずいぶん違っているかもしれないが、外は美しく雪が降り、隣の部屋では暖炉がパチパチはじける中で、シェフ自らが撃ってきたジビエ料理を食べたのは得難い経験だった。

もっとちゃんと応援しないと

2009年10月18日(日) 16:36:23

昨晩は落語会に出かけたのだが、出かける直前に加藤和彦の自殺の速報がネットに。
久しぶりにかなり絶句。Mac前で固まった。汗かいた。うーん……。面識はないが、なんだかそういうダークサイドを笑って遠ざけちゃうようなものを彼の音楽から感じていたので「まさか!」という感じ。

そのショックも冷めやらぬまま、落語会へ。
洗足駅前の「カフェシオン」というカフェで「三遊亭落語会」をやるというお知らせを受け、家族で出かけたのである。娘は2回目の生落語。妻は初めての生落語。初めて行く店だが、タイミングよくメールをいただいたのがご縁である。

開演5分前に着いた。会場はお洒落な小さなカフェでジャズがかかっていた。ライブもやるようで、奥にライブスペースがある。そこにテーブルに敷物を敷いた感じで高座ができている。観客は20人ほど。NHK「ちりとてちん」において居酒屋で高座をやっていたが、言うなればあんな感じ。こぢんまりとしていてとても親密な空気感。なんだか「ちりとてちん」のDVDをまた最初から見たくなった。

岩田守弘くんの記事

2009年10月19日(月) 8:03:59

書き忘れてましたが、岩田守弘くんの記事が先週の産経新聞に大きく出てましたね。
ネット上でも読めるので、いつリンクが切れるかわかりませんがリンクしておきます。「『話の肖像画』50まで踊りたい(上)」「『話の肖像画』50まで踊りたい(下)」

長くメディアに全く取り上げられなかった人なので、こうして大きく取り上げられると感慨もひとしお。ホント、野球だったらイチローみたいな人なので、もっと注目されるべき。
いまはモスクワで日々踊っている岩田モリ。最近、新たに「ワクワクすること」を考え始めているみたいなので、また応援したいと思っています。モスクワに応援に行けるかな?(笑)

ボクはといえば、昨日の午前中、深夜、今日の早朝と、人が書いた論文の添削にずっと身を窶してました。って、こんな文字に転換されたよ。身をやつす、の「やつす」ってこんな漢字なのね。初めて知った。

もっとちゃんと伝えよう。

2009年10月20日(火) 7:46:37

おとといの「もっとちゃんと応援しないと」の記事に、友人からメールをもらった。
加藤和彦の自殺に関して、ボクが「頭の隅でユーミンや桑田が自殺したらどう思うかを想像した」と書いたことへの反応である。一部ご紹介する。先日、神奈川でのユーミンのコンサートに行ってきたんです。
そこで、ユーミンが前半から涙ぐんでいるのはわかったんですが、アンコールでは号泣してしまい(あのユーミンが!)

「みんな、こんなにナイスにしてくれて、ありがとう。
 自分で言うのもなんだけど、たいしたことない歌なのに・・・」

と言ったんです。
これまで30年間、時代の先を歩き、トレンドや恋愛の道しるべ的に憧れていたユーミンの弱気な発言。

なんて言っていいのかわかりませんが、私も泣いてしまいました。超えられない存在だと思っていた人が急に近く見えたというか、親が急に甘え出す年代になってしまったこととリンクした、というか・・・
好きな人をずっと好きでいるために、できることは全部やっておきたい! そんなことを考えた週末でした。わりとショックな言葉だった。
あの強気で陽気なユーミンが…。あなたの歌はこんなに素晴らしいのに…。

たぶん、一時期でも時代の先頭を走った人は、自分の中でのハードルがどんどん上がり、下げられなくなってしまうのだろうと思う。真面目で真摯な人ほど高く高くハードルを上げる。そしてある日ハードルを越えられなくなった自分に気づき、「みんなの期待に応えられない自分」が自分の中でクローズアップされていく…。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。