2009年09月
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
2009年09月01日(火) 8:01:34
いやいやエヴァ世代ではないですよ。もっと言うとガンダム世代ですらない。だからお台場ガンダムなんて全くシズらない。なんでみんなあんなの見に行くんだろうってなもんです。あえて言えば何だ、「巨人の星」世代か。いや「あしたのジョー」か。お台場に大リーグボール養成ギプスとか力石が吹き飛ばしたジョーのマウスピースとかが飾ってあったら行くぞ(笑)
でも、エヴァは知らないといけないだろうとずっと思ってたですね。
というか、この前、矢野顕子@ブルーノートを聴きに行ったとき、ボクを除く同行者3人がエヴァの話をしだして、軽く仲間ハズレになったんです。ううむ。これは常識としてちゃんと知っとかないとヤバイな…。
ということで、すぐに「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の「序」をTUTAYAで借りて観ました。
このシリーズ、「序」「破」「Q(急)」「完結篇」という四部作になっていて(これもQなのね)、その第1作目をとりあえず観た、と。
で、「おおおっ!」となり、次が観たくてたまらなくなり、昨日、いま絶賛公開中の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を、台風直撃の嵐の中いそいそと観に行ってきたというわけ。
いまさら50歳前のオッサンがエヴァの感想を述べても失笑だと思うので書かないけど、いやぁ思ったよりずっとスゴかったなぁ。背景もストーリーも難解なものの、そういうのをすっ飛ばしてもちょっと感動した。
というか、「今日の日はさようなら」と「翼をください」は、逆にボクの世代直撃なので、あれらの場面で流れてきたこれらの曲には衝撃を受けてしまった。す、すげっ。
くわしい人に言わせると、新劇場版はエヴァであってエヴァでない、ということなので(アスカの名字も違うらしいし)、初心者がここから入るのはどうなのよとも思うけど、まぁそれはそれで良しとしよう。テレビ放映のオリジナル版をこれから追っかけて観ます。
ということで、もうエヴァの話題、少しはついていけるようになりましたよ! >ブルーノートに一緒に行った方々
話はさらっと変わって、今日は防災の日。
しつこいかもしれないけど、「地震が起こったら、まずこれをしろ!」「地震が起こる前に、これだけはしておけ!」にリンクしておきます。ボクの個人的大震災体験を書いています。起こる前に、ぜひ。
ad:tech tokyo
2009年09月02日(水) 7:30:44
今日と明日は「ad:tech tokyo」(アドテック東京)に参加する。
「ad:tech」とはマーケティングとITテクノロジーに特化した世界最大級のカンファレンスで、ニューヨーク、ロンドン、パリなど世界各地で催されており、アジアでも中国で5回、シンガポールで2回も開催されている。なのになぜか日本での開催は今回が初めてである。
ボクもニューヨークの ad:tech に一度参加したことがあるが、同時通訳など当然なく、英語の内容が聞き取れずに苦労した(まぁ専門分野なのでだいたい雰囲気はわかるのだが)。日本での開催は「日本語もしくは同時通訳完備」「長時間ヒコーキで移動しなくてよい」「知り合いがたくさんしゃべる」「空き時間に会社に帰って仕事ができる」など、いい面がたくさんある。うれしいなぁ。今回ボクはスピーチしなくていいので超気楽。最新メソッドとテクノロジーをいろいろ吸収してこようと思う。
開催のために走り回っていた武富さん、本当にお疲れ様でした。
ad:tech tokyo と上海蟹
2009年09月03日(木) 7:27:38
昨日は終日「ad:tech tokyo」に行っていた。
Rei Inamoto氏の話とユニクロの勝部氏の話が面白かったが、あとはボクにはそんなに目新しい話でなく、わりとおとなしめのカンファレンスだった印象。ソフトランディングという感じかな。というか自分が立っている位置が確認できた感じ。ただ、2日目は聞きたいスピーチが目白押し。今後の組織のあり方に踏み込んだテーマのものも多く、ちょっと楽しみ。
MCを日テレの土屋敏男氏がやったり、今日もCNNの副社長のスピーチがあったりと、TVメディア関係者の登壇も多かったのだが(新聞や雑誌やラジオは皆無)、フジTV出身の吉田正樹さんも「動画配信:コンバージェンスと広告モデル」というお題のパネリストとして来ていたので少し話した。沖縄での夜をうらやまれた。すいません(笑)
「ad:tech tokyo」の会場を後にして、三田の「中国飯店」に行き会食。
おととい、「9月の頭に中国飯店なんて何かのイヤガラセですか?」と、店を予約した友人に冗談で絡んだんだけど(この店、9月末くらいから旬に入る上海蟹が名物なので、その直前に行くのは何か納得できない感じになる)、その後その友人が店に電話して確かめてくれたところ「初物を出せる」となったらしく、今年は9月2日にして上海蟹を食べることが出来た(言ってみるもんだ)。
さすがにこんなに早く上海蟹を食べた記憶はないかも。
数年前のこの日には「東京の中国飯店では、今日9月25日が上海蟹の解禁日」とすら書いている。まぁ一般的にはそうだろうなぁ。早くても9月の中旬からというイメージがある。雌は10月に、雄は11月に美味しくなると言われているし。
「初物の初物ですよ!」と誇らしげに出す女将さん。初物にしても早すぎないかな。でもまぁ「初物を食べると寿命が七十五日伸びる」と言われるくらいの縁起物なので楽しくいただいた。希少だと思えば舌も錯覚して3倍は美味しく感じてくれるからね。蟹はカラダを冷やすので生姜茶も一緒に飲んで大満足。あぁ秋だなぁ。
ということで、ひと足お先に「食欲の秋」になりました。
ad:tech tokyo 終了
2009年09月04日(金) 7:42:35
2日間に渡った世界最大級の広告カンファレンス「ad:tech tokyo」が無事終了した。@パークタワーホテル。
段取りも内容も楽しさも海外のそれと遜色なく、第1回目としては大成功だったと思う。事務局の方々、そして武富さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
おとといの初日は比較的無難な内容だったけど、2日目の昨日はつっこんだ内容のセッションが多く、とても印象深かったしワクワクしたな。
特に「中村勇吾、伊藤直樹、田中耕一郎、岸勇希」という世界トップのクリエーター4人が揃った会(モデレーターが杉山恒太郎という贅沢さ)は圧巻。過去の事例紹介に終わってしまった部分はあったものの、ad:tech におけるジャパン・プレゼンテーションとしては素晴らしかったと思う。ad:techという国際カンファレンスのキーノート・パネルで日本人のみの登壇というのは珍しいことだと思うけど、このメンバーなら恥ずかしくない。というか誇らしい。知らない人も多いかも知れないが、いまノン・トラディショナルな領域(CMとかグラフィックとかではない領域)においては、日本の広告表現は世界のトップを走っている。この4人はその代表選手。一堂に会するなんて奇跡的だ。
午後からは「Agency Development」系のセミナーを中心に聞いた。わりと印象的だったのは「次世代広告会社への脱却」というセッション。Stephen Cox、Jonny Shaw、Ruth Stubbs、須田和博、渡邊竜介(モデレーター)というメンバーでのもの。最近特によく考えているテーマなだけにいろいろ再確認&整理できて良かったな。ラストの「マーケター・タレントの育成」セッションでのぶっちゃけトークも面白かったけど、ちょっと散漫になってしまったのは残念。
カンファレンス全体に「ソーシャル・メディアが話の前提になっていること」が心地よかった。
たとえば、会場での質問は "当たり前のように" Twitter でも受け付けていたりする。Twitter が使えるのが大前提の世界。海外のカンファレンスでは Twitter で質問を受け付けたり実況があったりも普通のことになってきているようだけど、日本での大規模カンファレンスでは初めてなんじゃないかな。
ボクもよく「コミュニケーション・デザイン演習」みたいな講義をしたりするが(社内だけではなく社外を含めて)、その講義の中で「ブログやってる人、手を挙げて下さい」とか聞いたりすると、たった5%くらいだったりする。「じゃ、Twitterやってる人は?」と聞くとまぁだいたい0.1%くらい。Facebookはゼロ。ミクシイでなんとか10%程度。
まぁそういう現状に毎回毎回ボクは絶句するわけなんだけど、そういう人たちと、当たり前のように使ってる人たちとでは、日々、毎秒ごとに差が開いていることを知るべきだ。ソーシャル・メディアを使いこなせずにこれからのコミュニケーションが出来ると思っているのなら転職した方がよい。ブログやTwitterやSNSで日々発信してつながっている生活者(数千万人)の空気感や肌感がわからなくて、どうやって彼らとコミュニケーションするおつもり? (まだ Twitter をやってない人、ボクのフォローからどうぞ → satonao310)
※「知ってる(使っている)」のと「それを組み込んでコミュニケーションを作れる」のは別だけど、少なくとも「知らないと作れない」。
※※昨日のあるセッションで会場に同じ質問をしたモデレーターがいたけど、ブログは80%、Twitterで60%くらいだった。多くの人が "当然のように" セッションを聞きながらTwitterに実況していた。この現実。
ちなみに、ad:techって参加費が高いので(フル参加パスは10万円くらいする)、自腹での参加はまず無理。どうしても会社からの参加になる場合が多くなる。
その場合、年長社員優先になってしまって「燃えてる若手」が行けなかった場合もあると思うけど(ボクの近くにも参加できなかった「燃えてる若手」がいる)、基本的に ad:tech は「最新事例キャッチアップ」なのでご心配なく。勉強熱心の若手には目新しい内容ではない(あなたが内外の最新書籍やブログ、セミナーなどを日々追っかけているならば)。
ただ、普段から内外の最新書籍やブログ、セミナーなども追いかけておらず、「自分の感性」で仕事しちゃっている人の場合、今回行かなかったことでものすごく大きな差がついてしまったかも。もともと差がついているのに、それがすごい勢いで離れて行っている感じ。この差はね、ちょっとやそっとでは埋められない。アナタが埋めようとがんばっても相手もそれ以上にすごい勢いで進んでいるから。
ちょっと言葉にしにくいくらい、広告業界は大きく変化していっている。
表面的なものでも、時代の気まぐれでも、一部の先端だけの話でもなく、根本的に徹底的に変化していっている。それにまだ(まだ!)目をつぶって気がつかないフリしている人が多いことに怒りすら覚える。特にトラディショナル・エージェンシーの一部の人たち。優秀だし大好きな人が多いからこそ言う。寝るな。目を覚ませ。凍死するぞ。
矢野顕子と9刷とクラウドと
2009年09月05日(土) 13:38:33
みなさん、今日の夜のNHK教育「佐野元春のザ・ソングライターズ」は矢野顕子ですよ!
23時25分〜23時55分。二週連続。これは必見。いまのあっこちゃんはすごいと思う(まぁ前からすごいのだけど、この前のライブが特にすごかったから)。ちなみに明日は見逃した松本隆の回の再放送がある。18時〜19時。これもうれしいなぁ。
本当は、明日はそんな番組を見るどころではなくて、親しい編集者夫婦が家に訪ねてくるはずだったんだけど(9ヶ月の赤ちゃん連れて)、もしボクたち家族の誰かがインフルエンザ潜伏期だったら赤ちゃんにうつしちゃうかもしれないので、先ほど話し合って泣く泣く延期にした。赤ちゃんは重篤になりやすいと聞くし。インフルエンザの流行がおさまったらまた企画するということで。
というか、毎日の超満員電車やらカンファレンスやら講演会やらで、菌自体には接触していると思うんだよなぁ。手洗いもうがいも励行しているけど、カラダのどこかにはきっとついている。赤ちゃんが来たら思わずダッコしたりするし、赤ちゃんも何かに触った手をすぐ口に入れちゃったりするし、やっぱりインフルエンザが流行っているうちは無理かもね。残念。
編集者といえば、拙著「明日の広告」、9刷、決まった模様です(つか、1Q84やヱヴァ新劇場版Qみたいに、実は9刷ではなくてQ刷だったりして)。
去年の1月に発売して以来もう1年9ヶ月。未だじわじわ売れ続けているのは完全に想定外。異例のロングセラーになりました。みなさま、本当にありがとうございます。広告業界以外でも売れ出したのが増刷の原因。実際、題名は「広告」だけど、消費者を相手にしているすべての人がターゲットだし。
発売当初、冗談で「10刷くらい行くといいねぇ」とか編集者と言い合っていたんだけど、もしかしたら現実になるかも…。人生、予想外のことばかり起こる。うれしい限り。
今日は大きく仕事環境を変える作業に終日かかりそう。
本格的にクラウドを導入する。いままでも使っていたけど、仕事も原稿もクラウドにすべて移行するためにいろいろ設定中。書き物やメモをすべて「Evernote」にぶちこむことと、ブラウザをSafariからFirefoxに変えてアドオンを充実させること、そしてサブメーラーとして使っていた Gmail をラボで徹底的に鍛え直すこと。それらを使いこなせるところまで持って行きたい。それもこれも iPhoneアプリを使い出したことが大きいな。クラウドへのいい入り口になった。というかクラウドを使う意味が iPhoneで明確になった感じ。いろいろ便利な世の中なのだ。
風変わりなことは恥ずかしいことではない
2009年09月06日(日) 12:23:08
次期首相になるのがほぼ確実な鳩山由紀夫民主党代表の奥さんである鳩山幸夫人の無邪気な言動は以前から週刊誌などで読んでいたが、今、その発言が世界中で話題になっているらしい。まぁ日本の次期ファーストレディでもあるしね。
取り上げられているのは過去のこのような発言。
「私たちみんな宇宙人」「わあ、疲れた。今、金星に行って来たのよ」「肉体が眠っている間に、魂が三角形のUFOに乗って金星に行って来た」「太陽をちぎってむしゃむしゃ食べるのお。すごく力になるわよ~」「前世で私はトム(クルーズ)と一緒だったの。だから彼に会って『久しぶりね』と言えば、彼はわかると思う」
それを受けてグーグルまで昨日のトップページロゴが UFO になってた(これは偶然そうなった可能性もあるが、この記事によると Twitter でグーグルの暗号めいたオフィシャルつぶやきがあり、それを解いたところによると鳩山夫人の発言に関連してる可能性が高いらしい)。
上でリンクした記事は「これからずっとネタにされバカにされ続けるかと先が思いやられますね、ホント」と結んでいるが、ボクはイギリスのタイムズ紙の社説の考え方の方を支持したい。共同通信が配信したこの記事は「英紙、鳩山夫人を社説で論評 『日本は不可解でない』」という見出しをつけ、以下のように続けている。
【ロンドン共同】4日付の英紙タイムズは、次期ファーストレディーになる民主党の鳩山由紀夫代表の妻、幸さんを社説で取り上げ、日本が不可解な国ではないことを示す助けになると解説した。とてもいい記事だと思う。日本人の「気づき」にとって。
社説は幸さんの「UFO体験」や、米俳優のトム・クルーズさんと前世で会ったことがあるとの発言を紹介した上で「風変わりであることを恥だと思わない人物が日本のファーストレディーとなり、そうした妻の快活さを評価する夫が首相になる」と好意的に論評。
さらに幸さんについて精力的だとし、おとなしい政治家の妻という型にはまったタイプからほど遠いと評している。(47ニュース:2009/09/04)
そう、風変わりなこと(人と違うこと)は恥ずかしいことではない。人と同じことをしたがること(日本人の国民性)の方が世界的にはずっと「不可解」なのだ。逆にユニークネスが高く評価されるのが海外なのである。そういう意味でも奔放で風変わりな人がファーストレディになるのはいいことなのではないだろうか。そのユニークさを非難せずに面白がれるようになるための訓練になる。
こんなことを書くと「だとしてもファーストレディとしてはNGに決まってるだろ!」みたいなメールが来るんだよなー。日本人が「寛容性」を身につけていく過程だと思うので、あまり目くじら立てることもないとボクは思うけどな。
ただ、鳩山由紀夫代表本人についてはちょっと目くじら立てたい。
「国会の人事や運営を小沢氏に全面的にゆだねる意向」というニュース。これは本当に残念だった。馴れない与党を運営していくのに経験豊富な小沢氏の豪腕と安定感が必要なのはわかるけどさぁ。
小沢一郎議員のことは別に好きでも嫌いでもないし、立派な政治家のひとりだと思っているが、やり方が従来の「自民党的」である。そこが彼の一番の弱点(そう、いまは弱点)。多くの国民が「民主党が好きなのではなく『自民党的なもの』が嫌いになったから民主党に票を入れた」という流れを鳩山代表がわかっているのなら、「小沢氏に全面的にゆだねる」という発想は出てこないはず。カタチだけでも「ゆだねず闘って」いたら、全然印象が違うのに。
負けた自民党も、総裁選白紙投票がどうのとか、落選議員が派閥の長に留まるとか、国民に人気ある議員を総裁にとか、寝ぼけたこと言い続けているのなら、本当にいまの社民党レベルまで凋落するだろう。
選挙に大敗したのは、小泉改革の反動(格差論 ←格差は小泉改革が原因ではないとボクは思っているが)ではない。もうあの当時から「自民党的なもの」が嫌われていて、国民は「自民党をぶっ壊す」という小泉改革に望みをつないだのである。その象徴が郵政民営化だっただけ。その「ぶっ壊し」を安倍・福田・麻生が引き継がず(まぁ引き継がなかったから結果的に「ぶっ壊す」という公約が実現されたんだけど)、郵政反対派も党に戻し、やり方もすべて従来の「自民党的なもの」に戻してしまった。これが国民の自民党嫌悪の源であり大敗の原因だとボクは思っている。そこを変えないと本当に凋落すると思う。
それと同じ文脈で、だからこそ「自民党的なもの」だけは遠ざけておかないといけないのが鳩山民主党。
小沢氏の能力を活かすのは当たり前だが、「全面的にゆだね」て欲しくはなかったな。「あぁやっぱり自民党的なやり方なんだ」という深い諦観を国民に与えてしまったかも。残念だ。せっかく少しワクワクしてたのに、はじめの一歩がそれっすか。
後輩の2冊の本
2009年09月07日(月) 9:03:11
先月、可愛い後輩の本が2冊も出たので、ちょっとご紹介しておきます。両方ともタイトルが「なぜ」系。

1冊目はもう18年くらいの長いつきあいになる大屋洋子の「いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか」
(講談社+α新書)。新入社員のときから知っている彼女の処女作である。
ちょっとスキャンダラスな題名だけど内容はいたってまとも。40代男性とつきあう20代女性が増えてるらしいんだけど、このふたつの世代、実は共通点がいろいろあり、惹かれあう理由がある、というもの。彼女はシンクタンクのスーパーバイザーなので、調査結果を駆使して、現代恋愛論を超平易にあたたかく語っている。もちろんこの二世代を語るためには他の世代も分析しないとならず、各世代、きちんきちんと丁寧に読み解いてあってわかりやすい。なるほどー、これは彼らと仕事を一緒にするときにも応用できるなぁ。恋愛観を知ると各世代がよくわかる。
それにしても恋愛事情も大きく変わったもんだ。携帯もメールもなかった時代にどうやって恋愛していたか、いまの若い人たちには滑稽なことも多いだろう。バブル期を知らない世代の恋愛観は、逆にボクたちから見たらちょっと新鮮。そして著者が最後に辿り着く「本当の幸せとは」という問いかけにも納得。題名はキャッチーにしているけど、内容はとっても真面目であたたかい。彼女自身の良さがよく出ている内容になっている。
というか、ボクはもろ40代なのでちょっとワクワクしながら読んだですね。20代女性との共通点もとてもよくわかる。なるほどな。こりゃ一緒にいて楽かも。

2冊目は最近後輩になった伊藤春香。「はあちゅう」という名前の方が通りがいいか。女子大生アルファブロガーとして超有名だった彼女の新刊である。「わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?」
(ポプラ社)
ずっと「一生に一度は世界一周をしたい」と思っていた彼女。大学に入ったとき「3年生までに全部単位を取りきって、4年生では世界一周をしよう!」と決め、それを実行に移すわけだが、問題は世界一周するお金がないこと。そこで思いついたのが広告でお金を稼ぎながらの世界一周(当時彼女がアルファブロガーだったからこそなんだけど)。つまりスポンサーをつけてブログなどを更新しながらエンタメとして世界一周していくという企画を立てたわけだ。
まぁここまでは誰でも思いつく。でも彼女が常にすごいのは「実行する」こと。一介の女子大生が企画書書いて企業の宣伝部や広報の怖いオジサンたちを訪ねてプレゼンし、通していくのにどのくらいの勇気と知性と体力がいることか。「夢を夢で終わらせない」と言ってちゃんと実行したところがすごいよなー。しかも結果的に黒字にしている。すばらしい。
その後の70日間世界一周の様子は本を読んでいただくとして、最後の「自分の核にあたる部分から無駄なものがそぎ落とされ、シンプルになったのを感じる。今の私は、自分に必要なもの、欲しいものに正直で、前よりも潔くなれている」という言葉が良かった。漫然とではなく書き残しながら旅をしたのも良かったんだと思うな。書くことは自分を知ることだしね。「いつかは…」と思い続けているだけで実行に移さないワナビー族にこそ捧げたい一冊。
どちらの著者も「出版前ブルー」で相当悩んだらしい。世界でトップクラスにその気持ちわかるぞ(笑)。
でもね、それは「真剣に向き合った」からこそのこと。それはとても大きな自信になるしチカラにもなる。他の後輩たちにも「無理してでも本を書いたらいいよ」と常に言ってるんだけど、本って「書くことは自分を知ること」以上に「人生の違う景色を見るための一番の近道」でもあったりする。苦労してでもやる意味があるものだと思うけどな。
「私なんて無理無理! 文章も下手だし量も書けないし、出版社にルートもないし」とかみんな言うんだけど、真剣にやりさえすれば道は開けるもの。以前にもご紹介したように、ミクシィに書いていた文章を本にするのに成功した人もいる。
…とか、偉そうに書いてるけど、12月入稿の次の本の原稿がまっっったく進まない。もうホントだめだめ。
クレア・トラベラーでの連載を加筆修正してまとめなおすだけなのに、なんだかうまく書き進められない。過去に書いた文章を直しながら一冊に仕上げるって思ったより苦行だ…。でも後輩に経験者ぶっていろいろ偉そうに言った手前、なんとか仕上げなければいけないなぁ。わりとつらいっす。
ロシアン・ルーレット気分でプリン体
2009年09月08日(火) 8:26:31
昨晩は、生レバー&生ビール。@押上「まるい」
10年くらいボクのサイトを読んでくださり、要所要所でタイミングよくメールをくださる方(8歳年下)と、彼の友達、そしてボク、の、男3人で出かけた。ボクはおふたりと初対面である。
サイトを読んでくださる方とは基本的にめったにお会いしない。
というのも、「ボクは相手のことを何も知らないのに相手はボクのことを熟知している」という状況がすばらしく居心地悪いからである。相手は服を着ているのにボクだけハダカな感じと言えば伝わるかな。お会いできるのはうれしいけど、なんだかとっても恥ずかしいのである。
あと、自分の健忘症も理由のひとつ。健忘症というか意識的デリートというか。
つまり、サイトに書いた内容を片っ端から忘れていってしまっているんですね。サイトに書いて、思っていることを脳味噌からサーバーに移したら、脳味噌の方のデータを削除してしまうような感覚。だから相手が「こんなこと書かれてましたよね」とか言ってくれても「あれ? そうだっけ? そんなこと書いたかなぁ」みたいに間抜けな会話になることが多くなる。これってちゃんと読んでくださっている相手に失礼になる場合も多く、申し訳ない気持ちになるですね。それもあまりお会いしない理由のひとつ。
でもこの「忘れちゃう感覚」って毎日更新している人ならわかってくれるかな。数週間前のことがとんでもなく遠い出来事となり、何があったか(よっぽど印象深くない限り)忘れちゃうのである。思い出したければ「さなメモ」内を検索して読めば思い出せるので安心なのだけど、脳味噌内からはデリートして、脳味噌内に新しい情報が入るスペースを作っておいてる感じ。
とか、いろいろ言い訳しつつ、一番怖いのは「サイトで幻想もたれているボクと、生身のボクとのギャップ」かな(笑)。
なんつうか「相手の方、直接会ってガッカリしてないかな?」とか緊張しちゃうのである。相手は相手で緊張しているらしいから、お互い実にぎこちない時間になる。
昨晩もそうだった。最初は会話もなくひたすら黙って飲んだり食べたり。
お会いした方は、10年来、とにかくいいタイミングでいいメールをくださる方だったのでこちらとしても是非お会いしたかったし、親しみを感じていたんだけど、それでもこんなにぎこちなくなる(笑)。でも、彼の友達が音楽の専門家で、なぜか急に松田聖子の天才性についての話になり、いきなり場がほぐれた。よかった。聖子ちゃんありがとう。
その後はずっと盛り上がり、なかなか楽しい晩だったのだけど、なんかもう年齢的には「生レバー&生ビール」ってドキドキするね。いつ「イタタタタタ、こ、これが痛風というものなのかぁー!」と叫ぶ恐ろしい朝を迎えるか、ロシアン・ルーレットをやっている気分でプリン体を摂取することになる。この一切れが致命的か。それとも次の一切れか。
昨晩は「これが人生最後の生レバー&生ビール」くらいな覚悟で食べたな。「まるい」の生レバーは巨大かつ大量ですからね。でも東京一と言われる「まるい」が最後の店なら相手にとって不足なし。いやぁ、さすがにうまかった。ありがとうございました。
3000万の積み重ね
2009年09月09日(水) 7:25:11
サイトがいつの間にか3000万アクセスを突破。いつも読んでいただき、ありがとうございます。
この数字はトップページへのページビュー累計。奥の方のページに直接来る方が多いサイトなので(おいしい店リストとか)、実数はその2倍くらいだと思う(現在1日3万くらい)。いや、RSSリーダーで読んでくださっている方の場合はカウンターは動かないから、もっとアクセスはあるんだろう。たぶん。
もうサイトもRSSリーダー(Googleリーダーみたいなヤツ)で読む時代なのでカウンターなんてほとんど意味がないんだけど、ネット創生期からからやってる人間としてはなんとなく捨てがたいものがある。1日5アクセスとか10アクセスとかで一喜一憂してたあの頃。リロードしてカウンターがひとつ動いていただけですごくうれしかった(もちろん自分のリロード分を除いて)。今、たった今、世界のどこかで誰かがひとり見てくれたんだなぁ、みたいな感慨。
1日1万アクセスを越えた頃からアクセス数に関心がなくなったが、あの頃の「今、たった今、世界のどこかで誰かがひとり見てくれたんだなぁ」の積み重ねがこの3000万という数字だと考えると、やっぱりカウンターは捨てがたい。トップページの目立つところにカウンターがあるサイトもいい加減減ったし、ちょっとアナクロっぽいけど、ボクとしては見てくださっている方をひとりひとり実感できる大事なツール。もう少しこのまま載せておこう(5000万アクセス記念プレゼントとかもやりたいし)。
昨晩は、ある「急に忙しくなってしまった国会議員」さんから立川志の輔のチケット(超プラチナチケット!)を譲ってもらえそうだったのに、仕事を理由にお断りしてしまった。なんということだ。確かに大事な打ち合わせだったんだけど、でも、志の輔だからなぁ、次はいつご縁があるかなぁ、あぁ惜しい……。どうやら「みどりの窓口」と「井戸の茶碗」をやったらしい。くぅー。
ええと、いまから宮崎に行ってきます。
とある新聞社での講演。その後熊本に移動してまた講演。宮崎では現地在住のサイト読者の方がおふたり迎え撃ってくれる。チキン南蛮、冷や汁、鶏もも焼き、宮崎牛、釜揚げうどんなどなど。楽しみ。
10年ぶりの宮崎
2009年09月10日(木) 7:46:11
宮崎に来ている。
14時から宮崎日日新聞で講演だったのだが、宮崎空港に着いたのが12時30分。急いで市内へ向かい、宮崎名物チキン南蛮発祥の店として知られる「おぐら」へ向かう。タクシーの中で Twitter に「宮崎に着いた」みたいなことをつぶやいたら、それを読んだ自称弟子(宮崎在住)がケータイに電話をくれ、「すいません師匠、『おぐら』の店の前にいるんですが、本日臨時休業って書いてあります」と。でも本店は休みでも瀬頭店はやってるのではないかと彼が言うので運転手さんに言って急遽瀬頭店へ。そしたらそちらも休み。うーむ、許さん。自称弟子(宮崎在住)に電話して「お腹がチキン南蛮になっちゃってるんだけど、他にない?」と聞いたら、瀬頭に「かぐら家」というのがあってそこがまぁまぁ、と言うのでその店に入って食べた。
と、着いて早々バタバタだったのだが、食べ終わってすぐ会場へ(「かぐら家」はうまかったけど、チキン南蛮の基準値が自分の中にないので、こんなもんなのかもっとうまいものなのかがわからない)。宮崎日日新聞の11階にある立派なホール。「新聞の明日」と題して2時間の講演。前半は超ネガ、後半は超ポジな話をさせていただいたのだが、質疑応答や追加説明などをしてるうちに3時間経っていた。やる方も疲れるけど聴く方も疲れるよね。聴いていただきありがとうございました。質問もいっぱい出たし、とってもいい会だったと思う。
いったんホテルに帰って、夜は新聞社の方々と懇親会。
まずは「てんびん」という店へ。宮崎に行く前にある上司に「宮崎よく行かれますよね、店、どこかいいとこ知りませんか?」と聞いたらこの店を教えてくれ、そのことが宮崎になぜか伝わって、懇親会会場がこの店になっていたのである。といってもスナックを居抜きで使っているような、カジュアルな居酒屋。お座敷系地元の名割烹みたいな接待が好きではないボクにはとてもうれしい感じ。食べたかった佐土原ナスがメニューにあったしね。焼酎「月の中」「芋麹吉助」など飲みながらかなり賑やかに。途中でなぜか自称弟子(宮崎在住)も加わった。おいしくてくつろげる店。
ここで懇親会は終了し、有志で二軒目の「遊季」へ。
ここはメールでもオススメされていたんだけど、自称弟子(宮崎在住)の行きつけでもある。ジャンルとしては「うまいもの屋」という感じ。昼間のとは味が違うチキン南蛮も出た。うまひ。三軒目は焼き鳥の「味川」へ。この時間から焼き鳥っすか?って感じだったが、新聞社の方の行きつけで「ここのレバーがたまらないんです」と蕩けそうな笑顔で言われては仕方がない。内心「いや、もうレバー系プリン体は…」と思いつつ、でも食べたらさすがに絶品。ありがとうです。四軒目はええとどこだったかな。「ブルーツリー」という焼酎バー。珍しい焼酎がたくさん置いてあるカジュアルなバーでいくつか強いのを飲ませていただいた。いやいやなかなか。
という感じでとても楽しい宮崎の夜。なんだかいい夜だった。
宮崎堪能
2009年09月11日(金) 6:54:10
昨日は講演と講演の間でぽっかり1日あいたので、まずは朝8時に自称弟子(宮崎在住)と待ち合わせて「おくのうどん」という朝からやっている地元人気店で朝ご飯。柔くて優しいうどんで胃をいたわる。で、そのまま、半休をとった彼のクルマで日南まで海岸沿いをドライブした。
宮崎って実はノーマークだったんだけど、ここまでキレイで快適なら住んでもいいなと思った。ボクの中での移住地候補急上昇。
南仏をひとりでドライブしたときの景色と酷似していて、海も山も抜群にキレイだし、点在する町や漁村もなんか貧相じゃなくていい感じ。太陽はサンサンと照りつけ、海にサーファーが遊び、花が咲き乱れている。どこにもゴミが落ちていない。人間はオープンで親切だし、海山川の幸がある。素晴らしい。
ものすごくいい天気の中、1時間半ほどかけてゆっくりドライブ。
日南市に着いて、日南在住の歯医者さん(この方も古い読者の方)と待ち合わせて、まずは飫肥(おび)の小玉醸造合同会社を訪問(昨晩ひょんな縁で訪問が決まった)。焼酎の「杜氏潤平」を出している蔵といえばわかるかな。この「杜氏潤平」、2年前にある方にいただいて飲んで以来、とても気に入っていた芋焼酎なのでうれしい。
ここで宮崎の有名高級スーパー「Foodaly」の宮田理恵さんたちと合流して、杜氏の金丸さんのお話を伺った。焼酎造りへの情熱がすごい。蔵もとても清潔で、従業員も丁寧に丁寧に作業している。ちょっとファンになったかも。
試飲は希少な「杜氏潤平 手造り紅芋 華どり 平成二十年作」。この「華どり」というのはいわゆる「ハナタレ」で、端(はな:一番最初)にタレてきた焼酎を熟成させたものだ。そして「ちょうど本当のハナタレがあるからそれも試飲して」と言われ、いまタレたばかりのも試飲して比べさせてもらった。タレたてのはバナナの香りとセメダインの香りが混ざった感じ。暴れ馬のように強く、まだ全くこなれていない。それが「華どり」として市販品になるとリンゴの香りが強く香り、セメダイン臭が消えている。めっちゃうまい。
一通りの工程を見させていただいたあと(2週間前に見た泡盛「春雨」の工程と比較できて面白かった)お土産ももらい、飫肥の町に出る。
飫肥って、これまたものすごくキレイな町でちょっと惚れた。この町の名物は厚焼き玉子。一番の老舗にして発祥が「間瀬田」ということで、その店のを食べた。「単なる玉子焼きだよね?」と油断していたが、プリンのような食感の、実においしいもの。うまひー。
自称弟子(宮崎在住)は仕事に帰ったので、歯医者さん(日南在住)のクルマに乗り換える。
BMW Z3ロードスター。「昼ごはんは富土(ふと)にある『いもと食堂』で食べましょう」というのでそこまでドライブしたのだが、なんつうか極楽だったな。空は晴れ渡り、透き通った海にはサーファーが遊ぶ。そこを二人乗りのオープンカーで走る。海沿いのカーブを曲がったところでカーステレオから「夏のクラクション」。いま口説かれたら落ちる(笑)
昼飯を食べた「いもと」がまたよかった。海の家風のシンプルな食堂なんだけど、2階の座敷からの景色が絶景。海岸の砂浜を見下ろし、窓をあけると海の音。料理は普通っぽい焼き魚定食なんかなんだけど、心底リラックスしてくつろげた。
宮崎市内の戻って、「わらべ」という店の「チーズ饅頭」を買い、ホテルにいったん帰ってからしばし仕事。
夕方、自称弟子(宮崎在住)が県庁関係に勤めているので、せっかくだから県庁見学に行ってみようということになった。今週か来週にはなんと「県庁見学者が100万人を突破」するらしい。東国原知事人気は相変わらず凄まじい。老若男女が見学している。すごいな。
ちょっとしたサプライズで河野俊嗣宮崎県副知事にもお会いできた。というか、このさなメモを読んでくださっているとのことでしばし歓談。照れくさし。
さて、夜ご飯。
自称弟子(宮崎在住)と歯医者さん(日南在住)につきあってもらったが、途中から、昼に「杜氏潤平」でお会いした宮田理恵さんも合流し、4人で遊んだ。彼女がとても明るい美人さんなので非常に盛り上がる。
まず、閉店時間が早い(17時45分)老舗の釜揚げうどん店「重乃井」で柔らかくて優しい釜揚げうどん。釜揚げうどんは宮崎名物なんだって。讃岐とはまったく違うタイプながら、これもうまいなぁ。うどんを食べ終わってから汁を丼に移して飲むとこれまたうまい。
次は割烹「ととや」で刺身やらメヒカリやら冷や汁。名物の冷や汁も今回食べたかったもののひとつ。うみゃ。焼き鳥「天祥」ではモモ焼き。天草の焼酎「池の露」と合わせるとまた抜群。バー「続人間」ではカクテルをいただいた。4人で一杯ずつ飲んで3800円(!)。安くていい店だぁ。
最後に通りがかった「にくまき本舗」で名物肉巻き(おにぎりを肉で巻いたもの)も食べ、解散。25時くらいだったろうか。どこもおいしくていい店だったな。メールでもたくさん「宮崎のオススメの店」をいただいたが、次回までとっておきます。ありがとうございます。
あー楽しかった。宮崎、とてもよい。今回でいろいろ人脈も出来たし、また是非来よう。お世話になった方々、本当にありがとうございました。
ということで熊本に向かう。高速バスで3時間。つらい…。
熊本で一泊
2009年09月12日(土) 8:11:47
熊本にいる。ここも10年ぶりくらいだろうか。
宮崎を朝7時半に出て、高速バスで3時間。相当つらいかと思ったが意外とすぐ着いた。高速バスというと学生時代のスキー深夜バスの悪い思い出ばかりあったが、いまでは居住性がずいぶん改善されたんだな。先入観持ちすぎていたかも。
熊本へは講演目的。熊本広告協会・熊本広告業協会共催の広告セミナーでしゃべる。
熊本についてすぐ会場に入り、挨拶とか打ち合わせとかお弁当とか予習とか。一瞬お弁当をお断りしてどっかに食べに行こうかと思ったが(せっかく10年ぶりの熊本だし)、いろいろ熊本の広告界の現状をお聞きしたら少し講演内容を変えたくなったので、予習にいそしむことに。
13時30分から講演開始。いつもより危機感を煽る方向でしつこめに話をした。変わらないと本当に先はないかもですよ、という方向でのアジテーション。1時間半の持ち時間だったが、質疑応答を入れたら2時間になってしまった。でもみなさん大変熱心に聴いてくださり、しゃべっているこちらも熱が入った。宮崎もそうだったけど、聴衆が本当に熱心でありがたい。
講演後ホテルにチェックインし(熊本キャッスルホテル)、少し休んでから熊本城前の「城見櫓」という割烹へ。主催者がご馳走してくださると言うことでいそいそと。お城の隣かつ真ん前という最高のロケーション。熊本城が目の前に見え、とても美しい。暗くなってからはお城はライトアップされる。この景色だけで大ご馳走。
講演はとても好評だったそうでホッとした。広告の現状と未来についていろいろ意見交換しつつ食べる。地方の現状とかをこうして聴けるのはとても参考になる。講演行脚をしているとリアルにいろいろ情報が入ってきて、それが自分の頭の中で熟成されていく感じがよい。東京にいると見えないことがいっぱいある。
おいしくいただいて解散し、いったんホテルに帰った。ちょっとメールを各所に送って、ひとり熊本の夜へと再出発したが、わりと疲れ気味だったのでホテルの近くで済ませることに。
まずはすぐ近くにあるバー「エスキーナ」で一杯。ここ、支店というかグループ店が東京に4軒もあるらしい。今度東京でも行ってみよう。意外とお腹がいっぱいであることがわかったので(まぁ一軒目がフルコースだったし)、熊本ラーメンで〆て終わりにすることに。いくつかリサーチした中から「天外天」へ。細麺で濃厚&あっさりの両立。なかなかおいしい。でも今日はここで〆かな。一軒目で馬肉が出なかったので、馬肉を食べに行こうかと一瞬考えたが歳を考えてやめた。明日のランチで食べられたら食べよう。
夜中に部屋のテレビで「スターシップ・トゥルーパーズ」を観てしまい、非常に夢見が悪いことに。
伝統ある古いホテルの一室で怖い夢を見るって文字通り悪夢だ。いつ何かに乗り移られるかドキドキしながら夜中に何度も起きる。あぁ…。
ま、それでも朝早く目が覚め(お歳ですな)、ご飯を食べ、8時半から開くという熊本城にいまから行ってくる。で、昼ご飯を食べて東京へ帰る。もうちょっと食べ歩きたかったんだけど仕方なし。
熊本から帰ってきました
2009年09月13日(日) 21:28:49
おっと、更新しわすれるところだった。
昨日はまず、朝8時半に熊本城へ行ってお城見学。
なによりも見惚れたのが石垣の美しさだなー。このカーブ。武者返しとして有名だけど、そんなことより造形美としてホント見惚れた。去りがたく、しばらく石垣の周りをうろうろなでなでした後、天守閣に上る。一口城主(1万円で城主になれる)の名前が大量に張り出されていたので森崎博之くんの名前を探したんだけど(ボクは城主ですよ!と威張られたので)なかったぞ? その後、新築の本丸御殿も見たけど、天守閣を含めて一番よかったのは宇土櫓かな。古くて暗くて趣がある。昔の武士が暗がりから出てきそうな雰囲気。いいなぁ。想像力を刺激されるなぁ…。最上階でしばらくボー。
そうこうしているうちに10時半になったのでホテルに帰ってチェックアウトし、その時間から開いている「黒亭」へ熊本ラーメンを食べに出かけた。
泊まったホテルキャッスルには「桃花源」という東京銀座にもある有名中国料理の本店があってかなりうまいと評判なので、そこでコースでも食べるか、それとも昨晩食べ損ねた馬肉を食べるか、それとも熊本ラーメンの有名店を試してみるか、そーとー迷ったんだけど、結局「桃花源は銀座店にもいい料理人を置いているはずだからそっちでいいや」と結論づけ、馬肉とラーメンを両立させることにしたのだった。つまりハシゴ。まずは「黒亭」までタクシーで。
昨晩食べた「天外天」と似た方向性。まぁ両方とも熊本ラーメンなんだから当たり前なんだけど。細麺で濃厚なんだけどあっさりしている。スープの最後の方にえぐみが残ったのが残念。
で、馬肉を食べに上通までタクシーで移動して「菅乃屋 上通店」へ。
馬肉をランチでやっている店が意外と少なく、その中でも評判の高い店だったのでワクワク出かけたが、11時30分の開店時間に行ったにも関わらず満席。うわーどうしよう。一応次善の策としてメモしておいた「馬桜」に行くことにした。下通をてくてく歩いて着いたその店、まだ空いていてホッ(ボクが入店して20分くらい経ったら満席になった)。馬刺定食。うん、なかなかおいしいけど、馬肉のおいしさの基準値が自分の中にないので、これがすごいうまい馬肉なのかまぁまぁ程度の馬肉なのかがよくわからないな。どっか最上の店で一度食べてみたい。
食欲に火がついたので「もう一軒行くかぁ」と、友人から聞いていた洋食屋「ケルンよしもと」の入り口まで行ったんだけど、さすがに理性が「三軒目でハンバーグはいかんのではないか」と引き留める。んー。理性がそうつぶやく時点で年齢を感じるなぁ。仕方がないから諦めて空港に向かうことにした。
空港に向かうクルマに乗った途端、雨がザァーッと降ってきた。本降り。
宮崎熊本と3日とも大快晴だったのに、いざ帰ろうとクルマに乗ったら大雨に。これが「晴れ男クオリティ」ってヤツである(笑)。旅に出ると本当に濡れることが少ない。朝から雨の日でも外に出るときだけ雨が止んだりする。もちろん晴れ男なんて非科学的なことなんだけど、そう思いこんでずっと過ごしていると本当にそうなるんだよ(いやホント)。
で、熊本空港に着いたんだけど、晴れ男の反動か嵐のような雨になり、ヒコーキが出発できない。それは晴れ男的にどうなのか。まぁそれでもなんとか飛び立って、羽田に着いたのは16時半くらいだったかな。東京は朝から雨だったらしいけど、ボクが羽田についたときはキレイに雨が上がっていた。これぞ「晴れ男クオリティ」(しつこい)
本当は昨晩はアメリカからのお客さん(アメリカ人を含めて4人)を鮨屋に案内する予定で、家に帰ってからすぐに都心に向かわないといけなかったのだけど、前日にキャンセルの連絡(急に仕事になったらしい)。もう10年以上会ってなかった相手なので会いたかったが仕方がない。さすがに3日間外食で胃が疲れていたので、家で静かにすることに(アメリカからのmaiさん、またゆっくりね)。
録りためていたテレビ番組を見ようと、まず金曜日に山本彩香さんが出た「おかずのクッキング」を見ようとしたら、これがなぜか録れていない(!)。ぐえ。困ったな…。次に細田守監督が出た「トップランナー」。これは無事録れていた(よかった)。細田守監督はなんとこの「さなメモ」を読んでくださってるとのことで、最近 Twitter でフォローしてくれるようになった。なんと光栄な。 遠い人だったが急に身近に感じられて、ニコニコと鑑賞。とても有意義だった。
で、夜中の「ザ・ソングライターズ」の矢野顕子の回をライブで見てふらふらになって就寝。そんな土曜日。来週も再来週も地方講演(講義)があるなぁ。今年の9月はわりと落ち着かない感じ。
Macと格闘
2009年09月14日(月) 5:47:35
日曜は、結局丸一日、Macと格闘してしまった。
ここ1ヶ月くらいMacの調子が非常に悪く、起動できたりできなかったり、実に気まぐれな状態だったのである。
起動しても画面が真っ黒だったり(モニターを認識しない)、モニターを認識してもモアレたり、虹色ぐるぐるが回り続けて何も出来なかったりする。仕方がないから、強制終了(パワーボタン長押し)してはCキー長押し起動でDiskWarriorのデスク起動をして修復したり、ディスクユーティリティでアクセス権の修復をしたり、Siftキー長押し起動でセーフブートしたり、Dキー長押しでディスクの検証をしたり、いろいろやってみたのだが(Twitter内でリアルタイムに教えてくださる方が数人いる。Twitterって本当にありがたい)、いったんは正常に戻るものの、作業を終えてシステム終了して就寝し、翌朝起きて起動するとまた画面真っ暗とかで、またいちから修復のやり直し。毎回毎回起動するのに30分〜1時間かかる始末。
MacBookAirを持ち歩いているのでそちらで仕事は出来るのだが、デスクトップ機にはなんといっても30インチの「Apple Cinema Display」がつながっており、パワポとか原稿とか更新とかの作業は、その広大な作業スペースが絶大なる威力を発揮する。だからデスクトップのMac Proが復活しないと作業効率が著しく落ちるのである。
もうこうなったらちょうど発売されたばかりのMac OSXのバージョンアップ版「Snow Lepard」をクリーンインストール(ハードディスクをいったん消去して入れ替える)するしかない! と判断し(Twitterでもそう勧められ)、先々週に買ってきた。で、もしかしたらという希望を込めて普通に上書きインストールしてみたのだが、インストール後1回目だけは美しく起ち上がったものの、すぐにボロボロの状態に。仕方ないから昨日の日曜日、早朝からクリーンインストールにトライしたのである。
慎重にバックアップをとり、ディスクを消去してクリーンインストールし、「Time Machine」(Apple純正のバックアップソフト)で消去前の内容をすべて移行して再起動する。これだけで2時間くらいかかったのだが、まぁそれでもまだ午前中。これでうまく行けば半日以上作業が出来る(昨日はいろいろやらないといけないことがあった)。でも、いったん起ち上がったものの、途中ですべての動きが止まりNG。うーむ…。
逆上しそうな自分を抑えつつ、もう一度クリーンインストール。今度は「Time Machine」を使わず、クリーンなまま使うことに。この場合、主要ソフトをすべてもう一度インストールしないといけないが、まぁ使ってないソフトのリストラにもいいかなと割り切って作業開始。
キレイに起ち上がり、いくつかのソフトを入れ終わった時点でも超快調。これはいいぞ、と浮かれていたら、酷使している iTunes のファイル形態がバージョンアップによって変わっており、以前の音楽データ(12000曲)がうまく移行できないことが判明。試行錯誤するもうまく行かない。だ、だめか…。
発狂しそうな自分を抑えつつ、もう一度クリーンインストール。今度は消去の方法を念入りにして(2時間かけてすべてのデータを完全消去)、「Time Machine」で祈るように移行。この時点でもう夕方。1日って早いなぁ…。
でも、今回はなんだかキレイに起ち上がり、1ヶ月以上前の、Macの調子がよかった頃の環境が再現された。お、成功かも!
念のため何度か再起動してみたが、モニターもちゃんと認識し、動きも何も問題ない。ただし、iTunes がなぜかデータを完全には読み込めておらず、半分くらいの音楽データが残ってしまっていた。まぁこれなら移行できるだろうと格闘しているうちに夜ご飯の時間も過ぎ、すべて入れ終わったらすでに夜中になってしまっていた(※そんなことはあったものの、今回の iTunes9 はいいね。ジャケットを一覧しながらどのアルバムを聴くか決められるし、iPhoneのアプリ配置を iTunes でいじれるのもいい)。
まぁでもサクサク動くので「これで長い旅が終わった」と、安心して就寝。やらないといけない作業はもう諦め、翌朝(今日)に早起きして一気に終わらせることにした。
で、今朝。4時起きっすよ4時起き。
いそいそと「じゃ、仕事しよう」と Mac に向かったのだが、ん、あれ? まさか…。またしても画面は真っ暗。モニターを認識してない!
目の前も真っ暗だ。昨日一日分をどうしてくれる!
強制終了してセーフブートで起ち上げたらモニターを認識した。で、もう一度再起動したら今度は虹色ぐるぐる。もうだめぽ。祈りを込めてもう一度再起動したら今度はうまく起ち上がった。で、アクセス権の修復だけとりあえずして、今に至る。なんだかたまに動きがぎこちないけど、なんとか動いてはいる。でもこの動きの悪さはイヤな予感。うーむ…。
9月10月と作業がたくさんあるんだけど、この調子だとまだまだ一波乱ありそうである(涙)。ぬー…。あ、中身開けてメモリの刺し直しとかしてみようかな。ちょっとやってみるか…。
ご迷惑をおかけしました
2009年09月15日(火) 18:35:45
今日の早朝、「さなメモ」を更新しようと、Firefoxを開いて MovableType(ブログのプラットフォーム)の管理画面(ボクにしか見えない画面)に入ったら、なんだか画面が文字化けしていて、しかも何度やってもうまく更新できなかったんですね。
こんなことは初めてだったので詳しい方とかにメール出したりして調べたものの原因がよくわからず、仕方ないから工夫して無理矢理更新してみたら、どこかで文字エンコードのデータが変わってしまったらしく、サイト全体が文字化けという事態に! 見ていただいた方もいらっしゃると思いますが、全部「?」マークになり、悲惨な状態になったんです。原因は不明。
しかも、更新情報が FriendFeed を経由して自動に Twitter に流れるように設定してたんだけど、Twitterに流れたその更新情報も文字化け。後輩に「TwitterのTL(TimeLine)で文字化けを見たの始めてっす」と笑われる事態に。まぁ笑われて済んでいるうちはいいんだけど、ボクのサイトをRSSリーダーに登録していただいていた方には、文字化けした更新情報が大量に行ってしまったらしく、ほとんどスパム状態。これは(原因はわからないものの)本当に申し訳なかったです。すいませんでした。
そーとー焦って、手動でコピペを繰り返してとりあえずFTPし、いったん収束したものの、根本的に修復できたのは17時すぎ。といってもボクが直したんではなくて、サーバー会社がバックアップから一気に復旧してくれたんだけど。管理画面も18時すぎに復旧。あぁホッとした…。
いろんな方に心配メールをいただきました。どうもありがとうございます。いやー、昨日といい今日といい、ずぅ〜っと修復ばかりしている感じ。そういう流れなのかな。でも小難で済んでいるのはラッキーなこと。小難をこちょこちょ消費しておけば中難・大難は来ない(と信じてる)。
サーバー会社のサポートの方々、そして吉田稔さん、どうもありがとうございました。
井上雄彦「プロフェッショナル」
2009年09月16日(水) 8:54:29
まだ自分の中でうまく消化(昇華)できていないけど、昨晩のNHK「プロフェッショナル」はとても刺激的だった。出演は井上雄彦。
彼と自分を比べるなんて傲慢だということはわかってはいるものの、彼のことを思うたび、自分がいかに「楽な道」を歩んでいるかを思い知らされる。あまりに差がありすぎて自分が惨めになるので、最近ではなるべく彼のことを考えないようにしているくらいである。数年前にわりと濃くおつきあいさせていただいたが、その間ずっと「およびもつかない」と思い知らされ続けた。いやホント、およびもつかない。
昨晩の放映で印象に残った言葉は「手に負えないことをやる」という彼が大切にしている流儀。
そして「自分がコントロールして書いたら途端にこざかしいものになるのは目に見えているじゃないですか」という言葉がそれに続く。この「自分がコントロールして書いたら途端にこざかしいものになる」というのは、彼の "創作の秘密" そのものではないかな。自分の頭の中から出てくるものなどたかが知れていて、単に「こざかしい」ものでしかないということ。キャラクターや紙や筆から勝手に紡ぎ出てくるものをこぼさず受け取って身を任せていくということ。自分の予想や実力を超えた何かがそこから生み出されていくということ。
そういえばよくお会いしている頃も彼は「こざかしくしたくない」みたいなことを何度も言っていた。「してやったり」という感じも嫌っていた。そういう "計算されたもの" の限界やみっともなさを知り尽くしているのだと思う。えてして「こざかしく」「してやったり」になりがちな広告の仕事なんて恥ずかしくて恥ずかしくて(だからその対極にある「スラムダンク一億冊感謝広告」は、自分が関わった仕事ながら、今でも自分の中のお手本だったりする)。
「手に負えないことをやる」という言葉は、番組ラストの「プロフェッショナルとは?」という問いの答えにつながっている。彼はこう言った。「向上し続ける人ですかね。これがなくなったらプロをやめないとって思ってることが、それなんで。だから、プロフェッショナルというのは、向上し続ける人、と思います」。
自己模倣は言うに及ばず、自分が獲得してきたもので回していくことすら自分に許さず、自分の手に負えない難しいテーマを自分に課すことで、常に向上し続ける。
この考え方が一貫して彼の底流に流れている。一貫して、そして徹底的に。
だからやっぱり「およびもつかない」。ボクなんか自己模倣を避けるのが精一杯なレベルで右往左往している。でもね、一歩でも二歩でも追いつこうとは思っている。あと数十年、死ぬ前には背中が見えるあたりまでなんとか追いつきたいな。追いつけるかな。
独りで先を行くつらさ・孤独さは、少しは想像できるつもり。
先を走り続けていてくれて本当にありがとう。
「兵士の物語」 アダム・クーパー&ウィル・ケンプ
2009年09月17日(木) 6:32:24
Macのトラブルなどで書きそびれていたが、今週の月曜日(14日)、英国ロイヤル・オペラ・ハウス版「兵士の物語」を観た。@新国立劇場中ホール
サイトによると「世界初、 奇跡の実現! 本国英国でも、わずか数回しか公演されなかった、 ロイヤル・オペラ・ハウス製作のプレミア公演、 門外不出の『兵士の物語』、スーパー・スターの競演で東京・大阪に、世界初の引越公演!!」とある。話半分に聞いたとしてもなかなか稀少な公演である。
アダム・クーパーをはじめとするロイヤル・バレエのスター4人が、ダンスを披露するだけでなくセリフを使い芝居もする、というのは確かに面白い。舞台俳優が舞台でダンスをすることはよくあるが、世界トップレベルのダンサーが俳優として声を出し芝居をするのはほとんど見たことがない。しかもアダム・クーパーとウィル・ケンプという二大スターの競演。音楽はストラヴィンスキー。面白そうじゃん?
席は前から3列目と極上。
開演前、iPhone から Twitter に書き込んでいたら、2席横の人も iPhone から Twitter に書き込んでいた(笑)。今後こういう光景はいろんなところで見られるようになるだろうな。Twitter に限らず、Brightkite みたいなリアルな場所を共有していくソーシャル・メディアも増えるだろう。この辺のいくつかが統合したような、決定的なサービスがそのうち出るような気がする。
閑話休題。会場に入るとまず目を奪われるのは舞台美術(写真はサイトより拝借)。7人の生オケが入るオケピの演出も美しい。舞台の上手下手は酒場のテーブルのようになっていてそこに観客も少し入り、まだ会場が明るいうちにウィル・ケンプら4人が舞台に出てきてその観客と握手したりしている。そうやっていつの間にか物語に引き込まれていく設定。ただ、ストーリーを体現した舞台美術ではなく、見せ方を優先した美術。美しいけど、最後までピンとは来なかった。
ウィル・ケンプのセリフ回しが上手で驚いた。だってダンサーだし、と期待しなかった分、その上手さに舌を巻いた感じ。ちゃんと本格的な「演劇」になっている(ちなみに和訳は舞台袖に表示される)。ただ、彼は語り部として登場したのだが、とっても説明的なセリフ回しで少しイヤな予感(まぁこれは演出の問題であるが)。これだけのダンサーが集まったのだから、もっとダンスで視覚的に展開していくような演出かと思ったら、ほとんど語り部のストーリー説明とセリフで理屈っぽく展開していく。ダンスは添え物的ですらある。うーん…。
とはいえ、いったん踊り出すとその美しさに惚れ惚れするな。
特にラストの20分。いままで抑えていた分を一気に放出するように4人が踊りまくる。そして悪魔が本来の姿で出てくるラスト。凄まじいラストで会場は一気に白熱した。
正直言うと、たった1時間15分の舞台なのに、前半はわりと退屈で(見せ場は少しはあったが)、寝ている人もいた気がする。でもラストの20分は価値があった。中盤からは笑いもあり、なかなか楽しかったし。
大雑把な感想としては「ユニークなもの観たなぁ。美しかったけど」という印象。まぁ音楽もストラヴィンスキーですからね、わかりやすく楽しいなんてことはない。そして演出はとても説明的。うーん、出来としてはいまひとつなのかな。個人的にはアダム・クーパーとウィル・ケンプを間近で観られたことと、「ダンスが超安定している演劇」といういままでにない体験が出来たのが面白かったことと、まぶたの裏に焼き付けられるほど(スチル的に)美しい場面がいくつかあったことが収穫かも。
あ、それと、悪魔役のマシュー・ハートが実によかった。これも収穫。特にラストの悪魔。あと、悲劇と喜劇の両方を演じ分けたゼナイダ・ヤノスキーも素晴らしい。うん、この2人を含め、4人の出演者はとても良かったな。敢えて言えば、アダム・クーパーのダンスの見せ場はたくさんあったが、ウィル・ケンプの見せ場が少なかったのは残念かも。
最後にキャストを書いておくと、
兵士:アダム・クーパー
語り部:ウィル・ケンプ
王女&許嫁:ゼナイダ・ヤノスキー
悪魔:マシュー・ハート
演出振付:ウィル・タケット
舞台美術:レズ・ブラザーストン
製作:英国ロイヤル・オペラ・ハウス
今月20日21日は大阪厚生年金会館芸術ホールでもやるみたい。
関西で講義&バー
2009年09月18日(金) 9:21:59
大阪にいる。
午前中は東京で仕事をして、午後から新幹線で大阪に移動(最近の新幹線は電源がついている席が増えてうれしい。仕事ができる)。大阪支社に寄ってお久しぶりの方々と少し話して、18時45分からある講座にて講義をした。
「これからのコミュニケーションの『キホン』の『キ』」っていう題名で、最近の広告コミュニケーションの変化とそれへの対応の基本的考え方を丁寧に説いてみた。話しながら再確認したけど、キホンさえ押さえていたらどんな企画でも可能だ。やっぱりキホンが一番大事。あと、最新のテクノロジーやサービス、そしてそれを使う生活者の肌感覚は知っておかないとキャンペーン構築ができないのでそれも大事。その辺だけしつこくしつこくお教えした感じ。役に立てたかな。
で、21時に終了して、北新地のいつものバーに少しだけ顔を出し(20分くらいいて一杯)、電車に乗って苦楽園口の「ザ・バーンズ」へ。このサイトを長く読んでくださっている方にはお馴染みの、もう26年通っているバーである。新入社員で関西に配属されてから14年、通いに通った店。ボトルキープは「Old Grand Dad」が156本目である。
店に着いたのが22時すぎ。それから約2時間、本当に「心からくつろいだ」。
若くて生意気だったときからずぅっと、何もかも知っていて何もかもわかってくれているマスターがいるバー。得難いなぁ。いまではたまにしか来られないけど、人生の貴重な財産だ。入り口入って「お久しぶり」「おお」の短い挨拶でもうだいたいお互いがわかる感じ。うれしいことだ。
それにしてもカウンターに座ってすぐ大阪弁が出てくる自分にビックリした。脳みそのどこに格納してあったんだ?
帰りは苦楽園からタクシーで芦屋へ。そして大阪行き終電で大阪のホテルに帰ってきた。
このホテル、バスルームがガラス張りで、寝室から丸見え状態である。一応カーテンで隠せるんだけど、そのカーテンが寝室側にしかついていない。つまりバスを使っている姿を覗き見ようと思ったらいつでも寝室側からカーテンを開けて見られるわけ。まぁこういうの増えてるけどさ、うーん…。内装もエッチィだし、アメニティグッズもお洒落だし、まぁいいんだけど、独り寝にはホントに無駄!(笑) というか有害。
今日は昼間ちょっとだけ大阪で打ち合わせをして、東京で夕方に人に会う。最近移動が多いな。腰に気をつけよう。
ワインが主役なのではなく、会話が主役なワイン会
2009年09月19日(土) 18:47:34
昨日は大阪から帰ってきて会社に出て仕事をしたあと、誘われてワイン会へ。
ワイン会は30代によく参加した。第一次ワインブームだったあの頃(1990年代)、毎週のようにワイン会があったし、物珍しかったことも手伝ってボクもよく参加した。覚え始めはなんでも楽しいからね。第三世界のワインもまだ入り始めで、ワインの世界もわりかし狭かった。フランスワイン全盛の時代で、イタリアワインですらまだ輸入されているワインの種類が少なく、スペインやチリやカリフォルニアのものがようやく輸入され始めた頃のことである。
覚えるのが楽しかったから、ワインのメーリングリストにも参加していたし、フランスの畑は暗記した。日本初(?)「ボージョレー解禁チャット祭り」を主催したりもした。
ただ、ワイン・マニアが苦手で、ワイン蘊蓄をたれる人が多くなるに従ってだんだん疎遠になっていった。ワイングラスをぐるぐる回しながら「この前飲んだロマコンがさぁ」とかねちっこくつぶやく輩が嫌いなんですね。90年代後半はだんだん家飲みが多くなり、「ワイン発展途上日記」なるものもつけていた。読み返すと毎晩毎晩よく飲んでいるな。「ワインの鼻」なんていうのを買い込んで楽しんでいたのもこの頃。そんな時期を経て、いまでは「知識はソムリエに任せて、ド素人として飲む」のが好き。酒は脇役。主役は会話。お酒ってその程度でいいと思う。
てな流れで、いまではワイン蘊蓄にほとんど興味がないので、ワイン会のお誘いがあってもほとんど参加しないボクなのだけど、昨晩は「ワイン蘊蓄などしない、ただ楽しく飲める方がメンバー」ということなので、いそいそと出かけることに。
というか、沖縄で奇跡的な夜を過ごしたメンバーである小山薫堂さん、飯島奈美さんも参加してるので、あの夜の再現的に。あとは有名女子アナやカメラマン、航空会社の方など、総勢10名の会だった。
主催はひとりのおじいさま。穏やかで上品でずっと笑顔を絶やさない。場所は彼の秘密のスペース。とある素朴なビルにさりげなくあるプライベートなスペースである。
彼は趣味でワインをセラーふたつ分買い込んでいる。見せていただいたが、1901年くらいの古酒から現在の超プレミアワインまで、少しでもワインをわかる方なら卒倒するようなコレクションが数千本、大きな特製ワインセラーにしまいこまれている。メンバーみんなで「うわーうわー」と叫びながら見ていたが、最後の方にはだんだん無言に。なんというか目の毒に近いからね(笑)
で、これらのワインを「惜しげもなく」ぽんぽん開けて飲むのである。
その方、カリフォルニアワインに特にくわしいこともあって、希少かつ美味しいカリフォルニアワインが多く出された。その「比較対象ワイン」としてフランスワインも開けられるのだが、前座的にラ・ミッション・オー・ブリオンやらムートン・ロートシルトやらの古酒が開けられる贅沢さ。いつもはトリを飾るクラスのワインが一本目とか二本目とかに「ま、比較として」と出てくるのである。なんだか麻痺する(笑)。
印象的だったワインは「Araujo "Eisele" Sauvignon Blanc 2002」「Amuse Bouche 2006」「Rock Syrah 2006」「Behrens & Hitchcock 2004」「Bond "Melbury" 1999」かな。特に「Araujo」のソーヴィニヨン・ブランは絶品だったなぁ。一番お高いのは「Amuse Bouche」だって言ってたっけ。もちろん初飲み。つか、いったい何本開けたのか定かではない。
でも、フランスより美味しいと断言されるだけあって、出されたカリフォルニアワインは本当に美味しいものばかり。アタックが強いのに上品で華やか。後味もいい。フランスワインの繊細な感じも捨てがたいけど、ナパの凄さを再発見した気分だった。
料理は彼自ら作ったおいしい前菜の数々(かなり絶品。お世辞抜きで)。そして近くのレストランから届けられた焼きたてのステーキ。その後の〆に銀座有名鮨店からの職人自らの持ち込み鮨。テーブルには栓の開いたワインが摩天楼のように乱立し、途中から何がなんだかわからない状況になった。ラストは会長さん手作り(&秘蔵)の20年梅酒。この出来がまた素晴らしく何杯もおかわりしてしまった。
メンバーはとても気楽で楽しく、なんだかとっても発散したなぁ。
たまたまラベルをiPhoneで写しておいたものだけ上に書いたけど、他のワインは名前もビンテージもあんまり覚えてないや。でもいいの。ワインが主役なのではなく、会話が主役なワイン会。うん、こういうのだったらまたぜひ参加したい。
今朝はワインの酔いもまったく残っておらず、というかむしろ元気で、朝起きて50分ほど軽くジョギングをした(散歩より遅いペースのジョグ)。
あとはマックの調子さえ直れば人生に暗雲なしなのだが、そうはうまく行かない。今日もマックと格闘中。つらすぎる。この連休で書かないといけない原稿がたくさんあるんだけど、いよいよ修理に出そうと決心したところ。
志らく・談笑 二人会
2009年09月20日(日) 19:34:54
政権交代して急に激務になった方から今朝早くメールがあり、「今日の1時からの『志らく・談笑 二人会』のチケットを持っているんだけど、急に会議が入って行けなくなったので、代わりに行けない?」と。まぁそりゃ忙しいだろうなぁ。バランス感覚抜群の彼は、異様に忙しくなった今でも常に芸術に触れようとしていて、落語も極力行こうとしているようなのだが、そりゃ組閣直後は無理でしょう。
ということで2枚譲っていただいたのだが、今日の今日では落語仲間に連絡が取れるわけもなく(しかも5連休だし)、急遽ムスメと行くことにした。「じゃ、ありがたくムスメと行かせていただきます!」と返事を書いたら、「うーん、談笑は大丈夫でしょうか」みたいなお返事。はは。確かに。
ムスメはこれが高座デビューとなる。生の落語を聞くのが初めてなのだ。で、そのデビューに、エロエロ系かつ毒舌系かつシャブシャブ系(笑)の立川談笑はどうなのか、というご懸念である。ごもっとも。でもまぁ中3だしイイんじゃない? その日の演目に寄るしね。当たって砕けろで参りましょう。
高座は13時から有楽町のよみうりホールにて。
まずは立川談笑が出てきて、いきなりのりピーの話。ま、この程度ならワイドショーレベル。枕最後の「押尾学と清水健太郎のボクシングはシャブの応酬」みたいなギャグはいまいちわからなかったみたいだけど、ムスメも順調に笑っていた。
落語は「子別れ」の昭和50年代版。笑いあり涙ありの人情噺ゆえムスメもとても喜んでた。特にエロ爆発ってこともなく、ホッ。
お次は立川志らくが出てきて「疝気の虫」。枕から談志の物まねを数々披露して笑わしといて、談志の十八番をやるとはなかなか太い。遊星からの物体Xのような、エイリアンのような疝気の虫の描写にこれまた大受け。うまいなぁ。実は志らくは初めてだったのだけど、かなり面白いなぁ。また来よう。
仲入りで「落語っておもしろいねー」とムスメ。あぁ良かった。いいデビューだったようである。
後半はまずは談笑の「居酒屋 改め イラサリマケリ」。
居酒屋に行ったらビルマ(←ミャンマーではなくビルマ)から来た店員だらけで、「いらっしゃいませー」が「イラサリマケリー」で……と展開していく短いお話し。ドッカンドッカンうけていた。でも、これはね、ラストが多少エロだった。「有楽町では出来ねぇネタだ」とボヤきながら進める談笑。ま、でも、これもムスメは大丈夫だったようである。セーフ。
で、トリが志らくの「紺屋高尾」。
枕もなくすっと始めた。いやぁうまいなぁ。聞かせどころは聞かせ、笑わせるところはドッカンドッカン持って行く。ふたりとも本当に達者だった。
ということで、ムスメの生落語デビューは無事終了。
終わってみれば、「子別れ」「疝気の虫」「居酒屋 改め イラサリマケリ」「紺屋高尾」というデビューはバランスもよく入門編として素晴らしかったのではないだろうか。日本の古典芸能をよく知っておくことはこれからの国際人に欠かせない教養。これを機会に定期的に連れだそう。チケットを譲ってくれたMさん、本当にありがとうございます。またいつでも譲り受けまする(笑)
映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」
2009年09月21日(月) 7:51:23
名作の誉れ高いこのアニメ(2002年製作)、ずっと見られずにいたのだが、数日前の昼間にテレビ放映されるのを知り無事録画。昨晩のご飯時にようやく見ることが出来た。ムスメはこの映画を元にリメイクした映画「BALLAD 名もなき恋のうた」を観に行く予定があるので予習も兼ねて。
2002年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞をはじめ数々の賞に輝いているこの作品、さすがによく出来ていた。子供にもわかりやすいシンプルなストーリーにまとめつつ、生と死を正面から描き、戦国時代と現代との違いも(説明的でなく)全体の描写で伝えてくれている。戦国時代の描き方も通り一遍のありがちなものではなく、シビアでリアルなもの(もちろん子供用にはなっているが)。その描写を通して現代の安全で平穏な生活が浮かび上がってくる仕組みもすばらしい。
特に驚いたのは合戦の描写。これ、戦国の合戦を描いた映画やドラマの中でもトップクラスに秀逸なのではないだろうか。
子供の頃から無数に合戦描写の映像を見ているが、初めて「あ、実際はこういうことだったのかも」とリアリティを持って知った気がする。つまり、合戦の段取りとか、投石攻撃とか、火縄銃の次に矢を射りつつ前進後退する感じとか、槍衆の動き方とか、なんだかすごく納得がいった。合戦が終了した後、敵と普通にすれ違って帰って行く描写など、妙なリアリティがあったなぁ。Wikipediaを見てみたら、作家の鈴木輝一郎氏が「戦国時代の合戦シーンで動画映像史料で最も正確なのはこの作品」と言っているらしい。マジでそうかも。
大満足で観終わり、マック前に戻ったら、Twitter に「クレヨンしんちゃん」の原作者臼井儀人氏の訃報が流れていた。偶然とはいえドッキリする。
遭難してから一週間あまり。やっぱりそうだったのか…。タイに行ったときも台湾に行ったときもクレヨンしんちゃんをいたるところで見つけた。国際的なマンガだったよなぁ。「サザエさん」みたいに原作者が亡くなってもずっと続いていくアニメになりそうではあるが、やっぱり残念。久しぶりにマンガの「クレヨンしんちゃん」を読んでみたくなった。マンガ喫茶にでも行くか。
ふらり愛媛旅
2009年09月22日(火) 19:18:39
あさって三原市で講演をするので、連休を利用して前倒しでふらりと愛媛に来ている。
愛媛、実は初めて。これであと青森に行けば日本全県制覇かな。あ、福島も行ってないかも(電車で通過したことはあるけど)。
朝いちのヒコーキで松山空港に着いて、クルマを借りて一気に佐田岬半島へ。四国最西端の細長い半島である。前から一度来てみたかった場所。関アジ関サバと同じ場所でとれるのに無名である「岬(はな)アジ」「岬(はな)サバ」を食べたかったのでした。
日本一細長い半島といわれる佐田岬半島をひた走り(絶景)、だいたい2時間半で佐田岬半島突端の佐田岬港へ。そこにある「民宿大岩」でランチを食べた(レンタカー屋のお兄さんが「佐田岬半島に行くならココ」と強力に勧めてくれたので)。岬アジと伊勢エビとアワビ、それに貝焼きや焼き魚がつく大変お得でおいしい定食。実に贅沢だった。連休ということもあって大混雑してたな。
で、突端の灯台まで往復1時間くらい歩いたり、途中2カ所で「じゃこ天」「じゃこカツ」を買い食いしたり(味が少しずつ違う)、だらだらと遊んで、いまは宇和島に来ている。宇和島かぁ。来るとは思わなかったなぁ。たまたま松山市内のホテルが満杯っぽかったので、ホテルがとれた宇和島にいるだけなんだけど、一生来るとは思わなかった場所。こういうところにいるのって楽しい。鯛メシが名物で、魚も至極美味しそうである。ちょいと夕飯、食べてきます。
宇和島、松山、道後温泉
2009年09月23日(水) 19:06:34
昨晩は宇和島初心者編的に割烹「丸水」で「鯛めし」(宇和島風)と「伊予さつま」(冷や汁の宇和島版)をいただいた。あ、郷土料理盛り合わせも。どれもそこはかとなく甘い。愛媛って甘味文化みたい。その後「男鮨」と「ラ・カーサ」で飲んで〆。とてもいい夜だった(感想はそのうち「おいしい店リスト」へ)。
今朝は連休最終日ゆえ渋滞するのがイヤだったので早めにホテルを出発。
吉田町(日本一のミカン産地なんだって)の直売所でミカンを買って、じゃこカツも(そうそう、じゃこカツは5カ所くらいで食べたけど、結局、Twitterで教えていただいた佐多岬半島の道の駅「きらら館」の外売店のが一番美味しかったなぁ。じゃこカツって全国B級グルメのトップクラスかも)。で、そのまま松山市へ。高速を市街と反対側に降りて、気まぐれで「とべ動物園」へ。わりと各地の動物園に行くのは好き(特に海外)。なかなかいい動物園。
その後、昼ご飯に松山名物鍋焼きうどんを食べるべく「アサヒ」と「ことり」を探して行ったのだけど、両店とも定休日。ううむ…。他にランチに行く店を考えていなかったので、そのまま「伊丹十三記念館」へ。小さな展示ながらとても深くて面白い。で、そこのカフェ(名前は「たんぽぽ」:笑)でお茶を飲みながら、店員さんに「有名なあの2店以外にどこか鍋焼きうどんのおいしい店ありませんか?」と尋ねたら、丁寧にいろいろ調べてくれ、近くの「福楽」を教えてもらった。
ここがなかなかよかった。麺がいいので鍋焼きうどんの他に生しょうゆももらったが、香川で言ったら「なかむら」を太くした感じ。これは完全に讃岐うどんだなぁ(松山名物のうどんとは少し違うっぽい)。とはいえ当たりの店でうれしい。久しぶりにうまい讃岐うどん食べた。
その後、讃岐うどんに凝っていたころから行きたかった「踊るうどん永木」にも行こうと思ったが閉店時間っぽいので諦め、「坂の上の雲記念館」へ。あの名作の記念館。安藤忠雄設計の立派な建物。充実した展示でここもとてもよかった。しばし秋山好古、秋山真之、正岡子規の世界に浸る。あの本、また再読しようかな。NHKで年末に放送されるんだよね。楽しみ。
で、夕方に道後温泉本館(公衆浴場)でひとっ風呂浴び、二階の大広間で浴衣で涼み(秋風が最高だった)、外の店で地ビールで喉を潤し、さてさて今から松山の夜である。どこかおいしい店に出会えるといいな。
松山、今治、そして三原
2009年09月24日(木) 17:36:48
松山の夜は2軒。「わらじや」と「炭心」に行った。どちらも Twitter で勧められた店。最近このパターンが急激に増えているなぁ。どこにいても急に訊けるのがいいね。ありがたし。
どちらも名店だったが、特に「わらじや」。二軒目に行くのをやめてずっとここにいようかと思ったよ。釣りサバ、うめーーーー! おこぜ、うめーーーー! 特におこぜはいままでの「おこぜ観」(なんだそりゃ)を覆す味。姿造りでピクピクしてるのを薄く切ってあるのだが、瀬戸内はここまで美味なのか、と唸る感じ。うめぇうめぇ。あと、この店の名物の出し巻き豆腐もよかったなぁ。「隠し剣」や「城川郷」「賀儀屋」などの地酒もうまく、大満足。
二軒目に行った焼き鳥の「炭心」もかなーりうまかった。愛媛じゃなくて滋賀の地鶏である淡海地鶏を使っているので旅人には地元っぽさが足りない店ではあるけれど、文句なくうまい店。これまた満足。
バーに行こうと思ったが、お目当ての「バー露口」が連休のせいか閉まっていたので諦めてホテルに帰った。夕方に入った温泉が効いていてえらく眠かったし。おかげで熟睡。
今朝は朝風呂(温泉)したあと、昨日定休日で行けなかった「ことり」に鍋焼きうどんを食べに(10時からやっている)。そしたら臨時休業だって。縁がなかったなぁ。でもすぐ近くの同じく有名老舗店「アサヒ」がやっていたのでそこで鍋焼きうどん朝ごはん。壁の紙に「まだ甘い物が貴重品だった昭和22年に曾祖父の考案でアサヒの鍋焼きは誕生しました。時代は流れても平成の今日まで懐かしの味を皆様に…」とある。確かに甘いダシ。でも朝ご飯とかおやつに食べるにはとってもいいかも。これはこれで満足。
で、調子が出てきたので昨日行けなかった「踊るうどん永木」へ讃岐うどんを食べに。
ここの醤油うどん、かなーりうまひゃひゃ。昨日の「福楽」もかなりよかったけど、讃岐うどんとしてはこちらの方が上かなぁ。壁に雑誌の1ページが貼ってあり、そこで嘉門達夫が「うどんと言えば讃岐だが、松山の『踊るうどん永木』が日本一だと断言してしまおう」みたいなことを書いている。日本一かどうかは意見が分かれるところだろうが、かなり上位なことは確かかも。
クルマを返してJR特急に乗り込み今治へ。ここも初めての町。Twitterで勧められた「登泉堂」にて「いちごミルクかき氷」。今日はとても暑いので助かるなぁ。ここのかき氷、複数の方がオススメくださっているだけあって、本物のイチゴを擦ってかけてありなかなかおいしい。考えたらかき氷ってシロップのがほとんどだけど、こういう本物のヤツがもっと普及するといいな。意外とこれから流行るかも。
今治から「しまなみライナー」という高速バスで福山へ移動。三原で講演をするので、二泊した愛媛とはさよならである。旅の終わり頃になってオススメの店の情報がメールやTwitterでいっぱい届いた。次回に利用させていただきます。どうもありがとうございます。
バスの窓から瀬戸内の島々が見える。無風。秋晴れ。絶景。マジ美しい。
ただ、そろそろ頭を仕事に切り替えなければならず、愛媛とさよならしたあたりからシコシコと仕事を始めることに。講演の予習もしないといけないし、仕事メールもたくさん。仕事で頭をいっぱいにしつつ、新幹線で福山から三原に移動。今に至る。さて、いまから講演。
三原駅前のホテルにて
2009年09月25日(金) 9:13:27
三原での昨日の講演は無事終了。
地方で講演させていただくことが増えたが、現地のメディアの方や企業の方の話を聞かせていただくといろんな気づきがある。頭では理解していることでも、実際に地域の現状を目の当たりにするとまた別の面が見えてくる。いや、政治や自治の問題だけでなく。専門分野である広告コミュニケーションにおいても、まだまだ中央からの乱暴な(マスメディアに代表されるような)トップダウン的コミュニケーションしか出来ていないことに気づいたりもする。自分ではかなりボトムアップ的に実行しているつもりでも、知らず知らずにトップダウン的になっていたり。ネットの世界を通して実現しているコミュニケーションと、リアルな世界のそれとの乖離をどう埋めていくか。埋められるのか。その辺が今後の課題か。
ただ、地域の奥に入っていけばいくほど、(ネットに代表されるような)ボトムアップは縁遠くて、東京などでは死語になりつつある「大衆(マス)」が存在し、トップダウン的マス・コミュニケーションの方が確実に届く。その辺の二重構造が難しいな。安直に「都会はクロスメディアで、地方はメディアミックスで」というのは乱暴すぎるし(クロスメディアという単語はキライなのだけど)。
Twitter なんかで年齢も場所も距離も越えたオープンでフラットな世界を体感しているとその辺特にもどかしい。過渡期とはいえ、なんか手が届きそうで届かないこの感じ。
とかブツブツまとまりのないことを思いつつ、昨晩は三原の方に迎え撃たれた。特別参加に広島からおふたり(ひとりはシャオヘイくん)と、福山からおふたり。ありがとうございます。アコウの煮付け、黒鮪の刺身、美味しゅうございました。鳥唐もうまかった。「すだち」というお店にて。地酒は「万事酒盃中」がわりと印象的。二軒目は「BAR CARLTON」。歴史ある古いバー。いい店だなぁ。とても落ち着く。
ということで東京に帰らなきゃ。打ち合わせが3つ待っている。急ぎやらないといけないことを書き出してみたらちょっと恐ろしい数に。この土日は仕事に当てます。
つーか、このホテル、ウォシュレットがついてないんだよなぁ…。シャワーの回数が増えまする。
マックが健康になって戻ってきた
2009年09月26日(土) 17:21:45
ここ1ヶ月以上、さんざん修復を試みてきた我が Mac Pro であったが(いろんな方にアドバイスいただきました。ありがとうございます)、さすがにどうにもならなくなり、愛媛に出かける前日に修理に出した。サポートセンターに電話して症状を伝え、話し合い、修理に出すことを決めたのである。見積もりは「一律5万円」(保証期間は終わっているから)。痛いけど仕方がない。Mac Pro が調子が悪いことの方が結局コストがかかる。仕事や原稿の能率が著しく落ちるから。
で、引き取りに来てもらって、そのまま愛媛&広島に旅立った。予定では1週間から10日間かかるとのこと。まぁ今月中に直ったら御の字、と思っていたら、なんと帰宅した昨日、玄関にドーンと Mac Pro のお姿が!!
家族に聞いたら、なんでもボクが旅立った翌日にはもう着いていたらしい。
修理報告書がついていたので読んだら、「ビデオカードの故障により画面表示が乱れフリーズする症状、ブラックアウトで起動しない症状が発生していることを確認しましたので、ビデオカードを交換致しました。ビデオカード交換後、動作速度に問題はありませんでした。ビデオカードの交換により改善されたと考えられます。検査工程にて各部点検し動作正常を確認致しました」とある。おお、直ったのか! やった! しかも、文章の最後に「※今回の修理は無償対応させて頂きます」とある。やった! しかもタダ!
宅急便が引き取りに来てくれたのにその配送料も払わなくてよかった模様。リコール製品でもないし、ビデオカードは取り替えてるし、実際に今ちゃんと動いているし、なんで無償なのかな(ビデオカードの不良が多発しているとかの裏はあるのかもしれないが)。でもうれしい。アップル・サポート、さすが!
まぁこういうことがなくても「アップルの犬」にかわりはないのだが、好きな企業にうれしい対応してもらうとブランド愛は確実に深くなる。「買った人をこそもてなす」のはクチコミ時代の重要な施策だと思うけど、まさにそんな体験。
ということで、ひっさしぶりに快調に動くマックで仕事中。
今日はさすがに捗ったな。ひどい環境で1ヶ月以上作業していたので、普通の環境が本当に幸せに思えてくる。カラダの健康と一緒だな。健康で、仕事があって、マックも快調って、なんて幸せなんだ!(笑)
と、「幸せだなぁ」と脳味噌が認識しているうちに出来る作業はすべてやっておこう。行き詰まるとすぐ「オレって不幸」とか考え出す脳味噌なので。では、作業に戻ります。
二十世紀的やり方がようやく終わり始めている
2009年09月27日(日) 19:21:39
鳩山首相って、あの張り付いたような目と表情がずっと苦手だったのだけど、今回の一連の外交デビューでの核廃絶スピーチとか温暖化防止策「25%減」表明スピーチとか大リーグ始球式のマウンドを見ていて、逆にあの張り付いたような表情が「なにごとにも動じない肝の太さの表れ」と見えてきて、なんだか不思議に頼もしかった。
というか、この人、急激に成長していない? あんなに頼りなかったのに…。まさに地位が人を作っている過程をボクらは目撃しているのかもしれない。
そりゃ人間だから緊張もしただろう。政権交代したニューリーダーを世界中が「どんなもんだ?」と注目している現場である。そこで、あの張り付いたような目と表情を変えず、手も震えず声も震えず、自分の言葉でしっかりスピーチや対談をこなした「太さ」は、人間としてきちんと評価したいと思う。すばらしい。
政権発足してたった5日目から始まった鳩山外交(国連総会・金融サミットG20)。大向こう受けする表明が多すぎた気もするが、後手後手の「対応」に回りがちだった今までの外交に対して、先手の「ビジョン」を示せたことは大きいと思うな。国際舞台において、日本が「どう対応するか」ではなく「どこに進むか」を示せたのは初めてなのではなかろうか。「どこに進むか」が決まると日本人って超優秀だからね。もちろんその進路が間違っていたら大変なので議論はいるが、「どこに進むか」を表明するクセがつけば、今後は大きく変わってくると思う。内容もなかなか良かったと思うけど、今度の鳩山外交の意義はそこなのではないかとボクは思う。
まったく注目してなかったけど、いつの間にか優勝していたジャイアンツも原監督の采配が絶賛されている。お金にものを言わせた経営も変化し、古くからの根性論も一掃されてきたようである。いろんなところで少しずつ「二十世紀的やり方」が終わり始めているのを感じる。個人的には「ようやく」という言葉がしっくりくるのだけど、「もしかしたらもうこの国は変わらないのではないか」と思った時期もあったから、「ようやく」でも「やっと」でも「いまさら」でもいいから、そのことを喜びたい。そして自分の領域内でしっかりその流れに参加したい。なんとかいい方に変えて、次の世代に手渡したい。そんなことを思った週末だった。
映画「時をかける少女」アニメ版
2009年09月28日(月) 8:59:04
細田守監督のアニメ映画「時をかける少女」をやっと観た。公開時に見逃し、ようやくDVDで観た。というか細田監督の「サマーウォーズ」が良すぎたので早く観たくて仕方がなかった。
感想をひと言で言うと青春映画としてとてもよく出来ていたと思う。高校生活のいろんな描写、若いころの夏のいろんな感情がリアリティをもって描かれていてドキドキした。ラストシーンはさすがに泣けた。とてもいい映画だと思う。往年の原田知世ファン&大林宣彦ファンとしてはあの映画の記憶が上書きされてしまうことに多少複雑な想いもあるけどね。
ただ、青春映画としてはかなりの良作だけど、SF映画としてはわりとツッコミどころ満載かも。「このタイムパラドクス、どうすんだ?」と、途中で何度も立ち止まった。まぁでもこの映画は、青春の「二度と戻ってこない時間の切なさ」をタイムリープをモチーフにして描いているわけで、重心の位置がSFにはないから関係ない。 そういう意味において、この映画は大林宣彦監督不変のテーマを引き継いでいる正統な後継作品と言えるだろう。
でも、重心の位置がSFにはないとはいえ、やっぱり謎がいっぱいあるなぁ。
数多いタイムリープ自体もいろんな矛盾をはらんでいるけど、物語全体として「絵を見に来ただけなのになんで千昭は高校に入る必要がある?」とか「和子って記憶を消されたんじゃなかったっけ?」とか「なんで千昭はすぐに未来に帰らないといけないの?」とか「未来で待つって言ったって会えないじゃん?」とか「なんで千昭は真琴の記憶を消さないで未来へ帰るの?」(原作では消す)とか「別れ際、和子のところに連れて行って千昭に絵を見せればいいじゃん?」とか、大きな部分での疑問がいくつもある。
ということで、超妄想版極私的「時かけ」解釈をしてみたいと思う。ネタバレ注意だけど、公開から3年経ってるからまぁいいか。まだ観てない方は読まないでください(つか長いし)。
まず、主人公の真琴は、本来の時間軸では、踏切事故で死んでいる。その延長線上である未来から千昭は来た。これが前提。
タイムパラドクス的に考えると「千昭が過去に来て真琴を偶然救うことも織り込み済みな未来から千昭が来た」とも言えるし、パラレルワールドのお話という考え方(いくつもの未来が存在する)もあるけど、とりあえず真琴が踏切事故で死んでいる未来から千昭が来た、ということを前提として話を進めたい。
千昭が過去に来たのは「絵を見るため」と説明してはいるが、絵が修復中だからって高校にわざわざ入学する必要はない(絵の修復前か後にタイムリープし直せば良い)。
だとすると真琴と知りあうため(救うため)にタイムリープしたのだろうか。その場合、千昭は、理科実験室で一瞬時間を止めて、真琴自身にクルミでわざとチャージをし、素知らぬ顔して実験室を出る。そして千昭は事故直前に初めてのタイムリープをし、死ぬのを免れる、と考えるのが妥当だが、でも彼女を救うことが目的ならばわざわざ彼女にチャージする必要はなく、事故が起こる日に彼女が踏切を自転車で通らないようにリアルに画策するだけでよい。過去の人にチャージするというような超御法度なことをする必要がない(というか、過去を変えるためにタイムリープすること自体が御法度だ)。
とすると、「何か別の理由」で千昭は過去を訪れており、高校転入も何かそうする理由があり、真琴が実験室でチャージされて踏切でタイムスリップし死を免れるのは「全くの偶然」ということになる。(千昭が高校転入するための書類とか住む家とかは、原作がそうだったように催眠術でごまかしたのだろう)
ここで和子(美術館に勤めるオバサン)の存在が気になってくる。
彼女はもちろん、筒井康隆の原作、NHKによるドラマ化、そして原田知世主演の映画の主人公でもある芳山和子が30代後半になった姿である。オフィスでラベンダーを栽培し、深町一夫(ケン・ソゴル:2660年の未来からラベンダーを採取するためにやってきて、和子を好きになる)や浅倉吾朗と一緒に写った写真を机に飾っている。そして謎めいた言葉をいろいろ吐く。つまり自分がタイムリープ経験者であることは彼女も自覚しているようである。
ただ、過去において、和子の記憶は深町一夫によって消去されているはず(原作や大林映画もそういう設定)。だから覚えているはずがない。というか、一夫と一緒に写った写真も残っているはずない…。
この辺からボクの妄想が始まるのだけど、こうなってくると、一夫が消える前に和子とした約束「和子の前にいつか再び別の人間として現れる」というのが気になってくる。
つまり千昭は一夫ではないのか? 和子に会いに来たのではないのか? 和子があの絵を美術館の学芸員として精魂込めて守っていたことを未来でなんらかの文献で知り、未来では失われているその絵の現物を見るために(そして美術館で働いている和子を見るために)、こっそり未来から訪れたのではないか。そして何らかのカタチで和子と接触し、あのころ実は出会っていたということを打ち明け、証拠として写真を手渡したのではないか。
学芸員である現在の和子のオフィスに飾ってある写真がアップになる場面があるが、一夫の顔がわざと描かれていない(和子の顔はちゃんと描かれているのに)。これは一夫=千昭だからではないか。
ただ、気になるのは、千昭が真琴に「こんなに人がたくさんいるのを初めて見た」とか「こんなに空が広いなんて知らなかった」みたいなことを漏らす場面があること。つまり一夫=千昭だったらわざわざそんなこと言わない。一夫がタイムリープした日本はもっと空が広かったし、歩行者天国などもあってすでに人で溢れていた。つまり一夫は千昭ではないように思える。
となるとですよ、情緒的推測(妄想)も入れ込んで考えると、千昭は一夫の子供である、というのが落としどころとなるかも。
で、父である一夫から「過去にタイムリープして高校生になり、和子という同級生を好きになった。和子は後に美術館で絵を守る(修復する)仕事に就き、いまでは失われたある絵の修復で知られている」みたいなエピソードを(たとえば死の床で)聞き、千昭は和子に会ってみたくなり、彼女に会うために、そして絵の現物(この時期にしか見ることができないと千昭は語っている)を見るために、そして父が経験したという「古き良き日本の高校生」を経験してみるために、過去にタイムリープしてきた、と。で、高校に転入する、と。で、偶然真琴と出会う、と。で、クルミを落としてしまい偶然真琴の命を救う、と。
それと前後して、千昭は和子に会いに行き、一夫が保存していた写真を何らかの理由で手渡し、一夫からのなんらかのメッセージを伝える。和子はそれを(記憶はないものの)理解すると同時に、自分が「何かを待ちつづけた」理由を知る。そして、千昭に、すでに千昭の友人になってしまっている真琴に影響を与えないで欲しいと頼む、と。
でも、すっかり過去(高校生活)が居心地良くなった千昭は、真琴に告白しかけたり、違う子とつきあいかけてみたりしてしまう。わりといい加減というか、もう未来に帰る必要性を感じてないようにも見える。
ただ、最終的に千昭は知る。真琴の命を偶然救ってしまった時点で未来を変えてしまっているし、真琴の度重なるタイムリープで二重にも三重にも未来は変わってしまっているし、功介の命を救った時点で四重にも五重にも未来を変えてしまった。しかも過去の人にタイムリープの存在を教えるのは御法度である。自分がしてしまったことの大きさを身に染みて感じた千昭は時が止まったスクランブル交差点で真琴に別れを告げ、これ以上の影響を与えないよう姿を消す(未来にも帰れない)。
が、真琴がもう一度タイムリープして物語の始めまで巻き戻したので、また話が進行する。
時間を巻き戻し、千昭にクルミを渡して「タイムリープのことを知ってしまった」ことを告白した真琴。この時点で千昭は「過去の人にタイムリープの存在を教えてしまった」と初めて知り、真琴が何度か無自覚にタイムリープしたことも知る。事は重大で、もしかしたら未来のカタチは変わっているかもしれないし、時間警察みたいな存在に捕まる可能性もある。つまり未来に帰れない。でもこれ以上未来を変えられないから、真琴たちと一緒にいることもできない。
だから、たぶん千昭は未来へ帰っていない。
未来に帰るなら真琴の記憶を消すはずだし( ←原作)。
つまり、未来ではなく、この時代のどこかへ彼は去った。ただ、 誰と接触しても未来を変えてしまう可能性があるから、もう誰にも会えない。どこかでひとりで生きていくしかない。
そう考えてくると、真琴に告げた最後の言葉「未来で待ってる」は別の意味を持ってくる。
何百年後の未来で、という意味ではなく、「どこかで生き延びて、真琴の未来のどこかで、こっそり会いに来る」という意味で。たぶん未来に影響を与えないほどお互い老人になったころ、こっそり会いに来るのではないか。そのために真琴の記憶を消さずに残したのではないか…。
ここで真琴の「うん。すぐ行く。走っていく」という感動的な言葉になるのだが、真琴は千昭の言葉の深い意味がわからない。でも、「なんとかする」と思っている(これは真琴の口癖)。
それは「絵を守って未来でも見られるようにする」という意味かもしれないし「タイムリープできることを知っている唯一の過去人として、理系に進み(文系・理系の進路の分かれ目という設定だった)、タイムリープ開発者になり、なんとかして会いに行く」という意志かもしれない。それは千昭の意志とはズレているんだけど、生きていく大きな意志にはなる。
そして、真琴も千昭も、違う想いを持ちながら、「未来で会う」ために現在を生きていく…。
……って、朝からオレは何を妄想しているのか!(笑)
あぁまだいろいろ深く考えたいけど、そろそろ会社にかけて行かなくちゃ。長々おつきあいありがとうございました。
最近さなメモ、長くなったなぁ
2009年09月29日(火) 6:52:03
昨日、ある先輩と話していたら、「最近さなメモ、長くなったなぁ」と。
確かに超長いっすね(笑)
別にネガティブに言われたわけじゃないけど、今日は短く終えようと思います。
ちなみに昨日の超長文、青春映画として普通に解釈できるストーリーや感動的な部分はもちろん理解した上で、「SF映画としてつじつまを考えてみたもの」ですので、あしからず。
……本当は長々と書きたいことあるんだけど、でもこれでオシマイ。短いと楽(笑)
今日の日はさようなら(ヱヴァ風に)
鳩山首相とご飯した
2009年09月30日(水) 8:19:48
昨晩、ひょんなことから鳩山首相とご飯を食べた。
首相の了解を得て、ご飯中に少しだけ(失礼にならない程度に)Twitter に実況したから、知ってる方もいらっしゃるかもしれない。
ちなみに先にお伝えしておくと、お会いしたのはボクの会社の関係でもなんでもなく、仕事の話でもなんでもなく、本当に「いちブロガーとして」友人に紹介されたからである。首相がたまにボクのこのさなメモを読んでくださってるらしいこと、そしてその結果として映画「サマーウォーズ」を観たらしいことなどが重なってのお誘いであった。
経緯はこんな感じ。
昨日の朝、以前からの友人である松井孝治議員(内閣官房副長官)からケータイにメールがあり、首相の夜ご飯の予定がポッカリ空いたので一緒に食べないか、と急にお誘いをうけたのが始まりである。
昨晩は作家の山田あかねさん初監督作品「すべては海になる」の試写会に行く予定にしてたので一瞬躊躇したが、首相就任から2週間、国連やG20などの大役を見事にこなした旬中の旬の人に会える機会を逃すのはアホである。聞いたらメンバーが濃い。首相と松井さんと松井孝典さん(惑星科学者)と藤原和博さん(初の民間人校長・よのなか科を作った人)。そこにボクなんかが混じるのは失礼ではないかと思いつつ、末席に加わらせていただくことにした。
「行く店を考えてください」と言われ少々困ったが、松井議員のサジェスチョンもあって恵比寿の居酒屋「さいき」に決定。50年以上の歴史を持つ古い居酒屋だ。ここの二階は吉行淳之介やら安岡章太郎やら吉本隆明やらの溜まり場だったと聞く。島尾敏雄に至ってはほとんど住んでいたらしい。その二階の古いお座敷を借り切ることにした。警備とかどうするのかなぁとか余計な心配をしたけれど、さすがにSP(Security Police:要人警護官)だらけで心配なし。まぁ一国のリーダーだしね。
19時ちょっと前、恵比寿駅前にクルマで到着した鳩山さんを出迎え、路上で初めましてのご挨拶&握手。
いきなり「さなメモ」の感想を言ってくれたりする。気遣いの人だ。でもこの日のを読んで「ぼくの目ってそんなに変かな」と言われたときは汗かいた(笑)
商店街(というか飲み屋街)を少し歩いていて、「さいき」に行く前に少しだけ「縄のれん」という店にお連れすることにした。完璧にアドリブだったので、SPの方とか焦ったかもしれない。ごめんなさい。でもなんとなくこんな店も知ってもらいたかったので。
「縄のれん」は立ち飲みの名店。名物のハイボールとおいしい肉料理の数々。まぁ店内のお客さんとすぐに記念撮影大会になってしまって首相はあまり味わえなかったかもしれないが、レバーステーキやハラミステーキ、肉刺し、もつ煮込みなんかを食べてもらえた。で、15分ほどそこにいて、予約していた「さいき」へ移動。SPの方々に守られつつ入店。また握手攻め。首相って大変な職業だな。でも彼は誰に対しても丁寧にゆっくり接し淡々としている。政治家の人気取り的な握手ではなく、とても自然っぽかったのが印象に残った。
二階の古い座敷に秘書官を含めて6人で落ち着いて(隣の部屋にSPの方々)、まずはビールで乾杯。ボクは首相の真ん前の席。
首相を含めてみんなスーツにネクタイなのだけど、ボクはジーンズに黒いTシャツ+黒いジャケット(笑)。一国の首相に失礼かなと思いつつ、急なお誘いだったし、家に着替えに帰るヒマなかったし、まぁボクの仕事着みたいなものでもあるのでお許しを。 というか、いちブロガーですからね、逆にこの方がよいかと。
藤原さんの提案もあって、みんなネクタイはずしてビールから焼酎へ。料理もどんどん食べる。この店の揚げ物はおいしいな。アジフライとかカニクリームコロッケとか、他に刺身やぬたやサンマの塩焼きやトマトなんかを食べながら、いろんな話を。
まずは松井孝典さんが火星儀を持ち出して火星の話をし、いきなり場が浮世離れした(笑)。そこからはいろんな方面に話題が飛び、みなさんが想像するような濃い政治の話にはあまりならなかった。ただ、途中で仙谷行政刷新担当相が合流し、鈴木寛文部科学副大臣も合流し、松本剛明衆院議運委員長も合流し、数十分だけ、政治討論的緊迫した雰囲気に(まぁこれだけ揃えばほとんど政治の現場だし)。それ以外は終始穏やかな進行。ここには書けないいろんな本音が面白かったな。それにしてもみなさん本当に生真面目かつ真剣である。民主党の弱点はこの生真面目さかもしれないと思うくらい。
最初に書いたように、途中、首相にお断りをした上で、このご飯の様子を少しだけ Twitter で実況中継した。
実況中継することで首相に興味をもってもらうのが狙い。別にTwitter 普及を誰かに頼まれたわけではなく(笑)、このソーシャルメディアが持つ「フラットでオープンにつながる世界」に少しでも触れていただき、トップダウンなコミュニケーションとは違う流れを感じてもらいたかったからである(Twitter も日本ではまだ黎明期だけど、まぁある象徴として)。
別に知ってもらって何かがすぐ変わるわけではない。でも、目の前の首相に限られた時間で伝えられることとして、象徴的に Twitter に絞ってお勧めしてみた感じ。
ネット選挙のこととか、記者クラブ開放のこととか、その他もろもろお伝えしたいことはたくさんある(少しはお伝えした)。でも、いちブロガーとして紹介されたのであるならば、とりあえずソーシャルメディアの現状だけはお伝えしたいと思った。マスメディアのフィルターを通さない別の「つながり」を少しでも理解してもらいたいと。トップダウンからボトムアップへと変わってきたこの世界的な流れを理解しないと、少なくとも10代20代30代の肌感覚は理解できないし、次世代に対する政策も的を射ないと思ったから。 まぁ昨晩は議論や提案の場ではなく、(激務の合間の息抜きの)楽しいご飯&お酒の場だったので限界はあったけど。
鳩山さんは Twitter 自体を知らなかったようだけど、とても素直に耳を傾けてくれた(どんな話題にも辛抱強く丁寧に相手の目を見て耳を傾ける人だった)。でもまぁなんというか、Twitter を理解してもらうことの難しさよ(笑)
書き込む姿を見てもらったり、ボクの実況へのみなさんの返信をパソコン画面で見てもらったり(熱心に読んでくれた)、いろいろしているうちにかなり興味はもっていただけた模様。殺し文句は「オバマも使っています!」(笑)。始めてくれるかどうかは全くわからないが、スタートラインには立ってくれたようである。閉じた世界が急にオープンになるのは無理だろう。まずは第一歩。少しずつ。少しずつ。
その後、映画「サマーウォーズ」の話も出た。ああいう名作について語り合えるのはうれしいね(いま民主党有志の課題映画になっているらしい)。でも映画の後にモスバーガーに行ったのは庶民的な部分をアピールしすぎではないですか、と、ちょっとイジワルに聞いたら「いや、昔からファンで、もう20年通ってるんです。だって映画終わったのが9時すぎだし、あまり他に店が開いてないでしょ」だって。なるほど。で、その後ちょっとだけモスバーガーのメニューの話に(笑)
22時くらいに〆。完全割り勘。よく飲んだのでひとり5000円。純粋に楽しかった。
二階の座敷の窓から見える路上(店の玄関前)には記者やカメラがたくさんいて、ちょっと怖かった。こんな風に毎日追われるのって大変だなぁ…。鳩山さんが先に降りていって、なんだか大騒ぎになっている(テレビカメラも回ってた)。時の人だからなぁ。で、ちょっと静まった頃にボクも降りていき、そのまま電車で帰宅した。
電車の中、そして家で Twitter を確認したけど、ボクが予想した以上に大騒ぎになっていて(みんなが喜んでいて)少し焦ると同時にちょっと感動した。それだけみんな、国のリーダーの「血が通っている生身」を知りたいということ(マスコミが暴く姿みたいのではなく)。同じ時間に同じ人間として「つながっている」感覚を持ちたいということ。この切望感にオバマは気づいている。鳩山さんにも気づいてほしい。また機会があったらしつこくお伝えてしてみよう。
首相とご飯食べたとか書くと、いろんな憶測をする人がいると思う(首相の日々みたいな新聞記事で会食相手としてボクの会社名とか出ちゃってるし。憶測されやすい会社名だし)
でも、ボクは別に民主党に関係ないし、仕事で会ったのでもないし、ブレインでもない。こうして毎日サイトを書いているうちになんとなくこういうことになっただけである。その辺は誤解なきよう。ま、そんなことはどうでもいいけど、なんというか、「昨日より今日をよくしよう、今日より明日をよくしよう」と真剣に努力している人たちと会うのはとても気持ちいいな。とってもいいチカラをいただいた。昨晩会ってくださった方々、お忙しいだろうに、どうもありがとうございました。
あ、そういえばいま気がついたけど、首相と一緒に写真も撮らなかったし、名刺ももらわなかったし、サインももらわなかった!
忘れてたー。ちょっと残念…。でも、ま、いっか。
【追記1】
当日の Twitter での実況はどんな感じだったのか知りたいという方が多いので。こんな感じでした。
- なぜか鳩山首相とご飯中。居酒屋の小さな座敷。たまに実況できたらします。ついったーも勧めてみる。【20:10】
- いまiPhone談義。【20:24】
- いま皆さんの返信をパソコンでよんでます。首相が。【20:39】
- ちょっと濃い話になっていて書き込みにくいっす。あとで。【21:13】
- ついったーの話を濃くしています。【21:51】
- 割り勘して、そろそろ帰ります。【21:53】
- いろいろ憶測はあるかもですが、鳩山さんとお会いしたのはいちブロガーとして友人に紹介されたからです。我々のイマのフラットでオープンな感覚を素直にお伝えしてきました。【22:38】
- ようやく@satonao310のTLを全部読みました。みなさん、ありがとうございました。鳩山さんにプリントアウトしてお見せしようと思います。少しずつでも何かが変わるといいですね。でも焦りは禁物。少しずつ。【23:06】
【追記2】
お店を決めた経緯はこの日により詳しく書きました。
@satonao310




