2008年9月 アーカイブ

体調上向き(予定)

2008年9月 1日(月) 6:42:38

恐る恐る体重計に乗ったが、イタリア出発前よりむしろ減っていた。79.5キロ。良かった。野菜やフルーツを多用するイタリア。意外と肉も食べなかったし(ハムはいっぱい食べたけど)、リストランテなどでも昔と違って量が少なくなっているようだし、もう「太る国」からはとっくに脱皮している模様。ただ、ジェラートをいっぱい食べちゃったのでちょっと不安だった…。

夏風邪の咳はほぼ治った。
出発前はまだ相当ひどく、会社の医務室でもらった薬を大量に持って行ったほどなのだが、旅の中盤くらいから急に治り始め、いまではたまに出る程度。咳には1ヶ月弱苦しめられたのでこれはうれしい。空気はだんぜんイタリアの方が乾いているので喉には良くないが、田舎に行っていたせいもあり空気が良かったのかも。

体調が戻ってきたことを受け(今後、旅行の疲れやたまった仕事で疲弊してまたボロボロになる可能性もあるけど、とりあえず)、エクササイズ&プールを復活させるつもり。体重は低値安定だが、筋肉が減って贅肉が増えているのをお腹のプヨプヨで感じる(笑)。せっかくビルドアップした体型をここ1年、ちょうど「明日の広告」執筆あたりからのバタバタで台無しにしてしまったので、もう一度ビルドアップにかかろうと思う。9/1と区切りも良いし。

福田康夫首相辞任

2008年9月 2日(火) 7:32:10

昨晩の21時半、友人のワンセグ携帯で、ライブで突然の辞任会見を見た。
横で「ヤベ! 明日は動くぞ!」と若いサラリーマンたちが騒ぐ。円が売られる、とかそういう話。為替相場の話か。

それを聞いたせいか、海外からの視点でこの会見を見た。そして「辞任が数日早かったらイヤだったなぁ」と思った。

ボクは一昨日まで海外にいた。海外でこれを知ったら恥ずかしくて道を歩けない。海外の知り合いに「日本のトップはなぜ1年も我慢できずに政権を投げ出すのか」と聞かれたら全く答えられない。「日本人は責任を最後まで持たずに投げ出すから重要な問題について任せられないな」と言われても拳を握りしめて下を向くしかない。安倍首相から2代続けてトップがそれをしたのだから。

ぼくたちは何だかあっという間に消費しちゃうね

2008年9月 3日(水) 6:43:26

昨日の夜、みんなで打ち合わせしながら「福田首相辞任」の話になった。

「でもさ、一国の首相が辞任するという大事件なのに、たった1日で、もうなんだか遠い出来事みたいだな」
「そうそう。なんか遠い」
「安倍さんの時はまだ謎があった分、興味が継続したけどね」
「今回は謎がない分、あ、そう、と頭の中の引き出しにしまってオシマイ、ハイ次って感じ」
「北京オリンピックなんかずいぶん昔みたいだ」
「昔だったら1ヶ月くらいはオリンピックの話してたけどなぁ」
「もう今頃その話してるのって相当ダメな感じだよね」
「福田さんの話題が『今頃感』あるくらいだからなぁ」

「明日の広告」でも書いたが、1994年から2004年までの10年で世の中に流れる情報量は410倍になった(総務省情報流通センサス報告書より)。
たとえば街を歩いていて10個の情報、看板とか人の顔とか音楽とかに接していたのが、たった10年で4100個に増えたということである。それに比してヒトが処理できる情報量は10年でほとんど変わっていない。つまり我々は9割9分以上の情報を処理できずスルーしていることになる。どんなに重要な情報もスルーせざるを得ない。そのうえ次々に新しい情報が押し寄せるので興味や関心が長続きしない。

岸勇希著「コミュニケーションをデザインするための本」

2008年9月 4日(木) 8:16:57

コミュニケーションをデザインするための本 (電通選書)ボクの部で一緒に働いている岸勇希くんが本を出した。

「コミュニケーションをデザインするための本」

ボクも一応コミュニケーション・デザイナーを名乗っているのだけど、ずっと若い(20歳くらい若い)彼の方がこの分野では先達だと思っている。先達リスペクト。なにしろもうコミュニケーション・デザインが服を着て歩いているような男なのだ。日本にはまだ数人しか本当のコミュニケーション・デザイナーはいないと思うが、彼は確実にその先頭を走っている。

ロードショー休刊

2008年9月 5日(金) 7:01:41

中学高校と毎月必ず買っていた雑誌「ロードショー」が休刊する(09年1月号で)。
いや、少しウソついた。雑誌「スクリーン」と両方毎月買っていたのだが、途中から「スクリーン」一誌だけ買って「ロードショー」は立ち読みで済ませていた。「ロードショー」派と「スクリーン」派があって、ボクは「スクリーン」派。「スクリーン」の方が映画レビューが本格的で写真もマニアっぽかった。「ロードショー」は途中から少しミーハー系に偏っていったのでボクは離れたのだった。ま、でも、必ず毎月読んでいたのは間違いない。

「ロードショー」と「スクリーン」は表記も微妙に違っていて、たとえば、たしか「ロードショー」はオリビア・ハッセー、「スクリーン」はオリビア・ハッシーみたいな感じ(逆だったかもしれない)。
一時期、本当にむさぼるように読んでいて、次の号が出る頃にはほぼ暗記していたくらい。それが今のボクの映画知識の基礎になっている。ああいう「情報が少なかった時代」って貴重だったな。情報が少ないからむさぼるように摂取して血肉にした。今の子は情報洪水にさらされているからあんな読み方はしないだろう。

街に出ればビデオ・レンタル屋に無数に映画DVDが並んでいて手軽に観られるなんて、あの頃からは考えられないくらいシアワセなことだ。中学高校のときの「映画飢餓感」と言ったらなかったもの。名画座かテレビでしか旧作が観られない。でもいつでも何でも観られるっていうのは、その環境が普通な人にとってはフシアワセなこと。ボクたちみたいに「もう二度と観られないかもしれないから食い入るように必死に観る」なんて情熱は、今の子は持てないだろう。その分、血肉にもなりにくい。

催眠術師の弟子

2008年9月 6日(土) 4:46:08

先週の日曜夜にイタリアから帰ってきて、月曜朝からいきなり休暇明けの激務に突入し、今週は仕事も多かったけど夜の予定も多く、とにかく眠い眠いとつぶやきながら日々をこなし、異様に疲れきって「やっと土曜だ! 土曜は予定が何もない! 寝られる!」と、金曜の24時に喜々としてベッドに倒れ込んだのに、あぁそれなのにそれなのに。こういう朝に限って何故4時に目が覚めるのか。何故寝続けられないのか。まさに早朝覚醒。目がパッチリ。仕方ないからこうしてマック前。

昨日は朝いちに歯医者で手術。麻酔をばんばんにきかせて歯を削った。そんでもってその1時間後にある場所で講演。麻酔に痺れた口がうまく回らなくて難儀した。広告業界の精鋭の方々を前に「基礎の基礎を確認っ」みたいな話。広告系有名ブロガーが来ているなんて知らずにヘラヘラしゃべり、後で名刺交換して冷や汗かいた。

そのまま昼ご飯も食べず打ち合わせの嵐に突入。プレッシャーのかかる仕事が多いが、あまりそこを考えすぎないように、なるべくいい加減になるよう自分に言い聞かせる。放っておくと必要以上に責任を重く考えるところがあるので、こういう性格は鬱とかになりやすいという自覚あり。楽に、楽に。

闘う三味線

2008年9月 7日(日) 8:40:57

ずっと見忘れていたNHKのハイビジョン特集 「闘う三味線 人間国宝に挑む 文楽 一期一会の舞台」を見た。
2007年6月24日に放映されたもの。大阪のバー「パイルドライバー」で借りた。文楽三味線の第一人者、鶴澤清治(62)と浄瑠璃語りの名手、人間国宝の竹本住大夫(82)が、難曲「壇浦兜軍記 阿古屋琴責の段」を巡って激しいしのぎを繰り広げる日々を描いたドキュメンタリー。

三浦しをん著「仏果を得ず」を読んでからこれを見ると、いろいろなことがものすごくよく理解できる。もともと浄瑠璃語りと三味線は合わせて演奏していくものではなく、お互いが突っ走った上で「合っていく」もの。そのせめぎ合いが本と映像の両方で理解でき、一気に文楽の楽しさを増幅してくれる。文楽理解の超近道。鶴澤清治の自分との闘いも見事なら、竹本住大夫の自分を削る日々も見事。

というか、名人たちの懊悩と、たった一回の公演に対する念入りな準備、浄瑠璃語りと三味線の奥深い駆け引きなど、もう見ていて圧倒されることばかり。名ドキュメンタリーだ。「第24回ATP賞テレビグランプリ2007」にて総務大臣賞を受賞したというのもよくわかる。そういえば一度レクチャーを聞いたことがある竹本文字久大夫が怒られまくっていた。稽古の鬼の運の竹本住大夫も、食らいついていく竹本文字久大夫も、妙に美しい。ラッキーなことにDVD化もされているようなので、文楽とか芸に興味のある方は必見だ。

文楽「豊松清十郎襲名披露公演」そして竹本住大夫の講演

2008年9月 8日(月) 7:16:23

国立劇場第164回文楽公演を観てきた。
演目は「近頃河原の達引 四条河原の段・堀川猿廻しの段」「吉田清之助改め五世豊松清十郎襲名披露口上」「襲名披露狂言 本朝廿四孝 十種香の段・奥庭狐火の段」。

昨日「闘う三味線」を見て自分の中に流れを作っていたこともあり、いままで観た中で一番ワクワクした。
ただ、見どころを浄瑠璃語りと三味線とのせめぎあいに自己設定した分、いままでで一番忙しい観劇となった。語りを聴き、三味線とのせめぎあいを聞くだけでも精一杯なのに、舞台では人形遣いたちが迫真の演技をするからそっちも観たいし、字幕も読みたいし、イヤホンガイドの解説もちゃんと聴きたいし、と、とにかく忙しいのである。

特に派手な見せ場が多い「奥庭狐火の段」は忙しかった。豊松清十郎と桐竹勘十郎が演じる、キツネが憑いた八重垣姫の動き。これがまた面白く、目は舞台に釘付けに。でも竹本津駒大夫の語りと人間国宝・鶴澤寛治の三味線も気になる。その一方で、字幕とイヤホンガイドで言葉を追わないと筋や見どころを見失うし、もう何がなにやら。眠くなっている暇がなかった。

赤を着る月曜日

2008年9月 9日(火) 7:27:59

イタリアから帰国以来、まぁ文楽なんかを観たりして順調に遊んでいることもあるのだが、疲れがとれず、なかなか辛い。
昨日の月曜は朝からどうにもダルダルだったのだが、竹本住大夫の影響かやる気だけはあったので「よし! 赤を着て元気に出社!」と意気込み、全身を赤で固めた。赤い男。赤キ○ガイ。でも派手な色って気持ちを元気にさせるし、ダルい月曜にはピッタシかも。

赤いTシャツ。赤い靴下。赤い靴。メガネも赤いし下着も赤。ついでにジーンズにも赤が入っているし、鞄にも赤が入っている。そういえばケータイも赤だ。もうね、すべて赤。美輪明宏が「黒っぽい地味な色を着るときはせめて下着を赤にしなさい」と言っているのを聞いてから、黒を着ることが多いボクは赤い下着を着用することが増え、メガネを赤にしてからはどんどん赤い服を着る割合が増えてきて、と、すっかり赤い人生になっていっているのだが、さすがにここまで赤いと目がチカチカする(笑) 会社でも「今日はなんですか。どうしたんですか」と問い詰められた。「いや、疲れてるからさー」とか答えると「周りも目が疲れます」だと。すまんの。

そういえば昨晩飲んだ某有名編集者が言うには「赤い下着は腰にいいらしいですよ。ボクは赤パンはいて腰痛が治りました」とか言っていた。
昨晩は岸くんと一緒に、フリーマガジンの雄であるおふたりと4人で飲んだのだが、業界やメディアを越えて意外と発想が近いことにお互い気づき、いろいろな意見交換に盛り上がった。広告側の見方とメディア側の見方なのでもちろんスタンスは違うのだが、発想の根本がとても似ているのでなんか一緒にプロジェクト組んだら面白そうである。ボクと岸くんはもとより発想がとても近いし、彼らと社外プロジェクト的なものを少し回してみるのもいいかもしれない。

変なヤツがいる割合は高校のクラスと変わらない

2008年9月10日(水) 7:46:11

ブログを始めようと思っている人から軽い相談をうけることがよくあるのだが、その中でも多いのが「変な人も読みに来るんでしょう? ストーカーみたいに絡んできたらどうすればいいんでしょう」というもの。「炎上」を含めて、マスコミが煽る「ネットの負の側面」みたいなものを、始める前から怖がっているのだ。

そういうときのボクの答えは決まっていて、「もちろん変な人もいます。でもそれは高校のクラスと割合は変わらないよ。ネットが特に変な人が多いというわけではないよ」という感じ。実社会と変わらない。それも中学や高校のクラスを思い出していただけるとわかりやすい。

つまり、1クラス40人として、クラスに「変なヤツ」「気にくわないヤツ」「どうしても好きになれないヤツ」って必ず1人はいた。
その割合が、13年間サイトをやってきた肌感覚で言うと、ほぼ適用される。1/40。1日のアクセスが400なら10人。4000なら100人。40000なら1000人。つまり、アクセスが増えれば増えるほど変な人が読みに来るリスクも増える。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。