2008年01月

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平穏でフツーなお正月

2008年01月01日(火) 11:04:07

東京は快晴です。大雪の地方も多いみたいですね。
みなさんはどんなお正月をお迎えでしょう。

ボクはといえば、今朝は6時過ぎに起きて、シュトラウスのワルツとモーツァルトのパリを聴いて、1階の父母のところに挨拶に行って、神棚に柏手打って、一緒にお屠蘇飲んでお雑煮食べて、ムスメにお年玉あげて、さて今から家族みんな(with 犬)で1時間くらい歩いて初詣に行こうか、といった感じの静かなお正月。

こんな風に当たり前のように家族が健康で全員揃っている平穏でフツーなお正月を、懐かしそうに、そしてちょっとうらやましげに眺めている「20年後の自分」をリアルに後頭部後方に感じる。あ〜オレ、見てるわ、思い出してるわ、こういうのをシアワセと呼ぶんだよなぁとか思ってるわ、って。いや、ちゃんと今あるシアワセに気づいてますからご安心を >20年後の自分

「シアワセになりたい」という目標のゴールがこういう平穏でフツーなお正月だとしたら、もうゴールに辿り着いている、ということなんだろう。
で、このシアワセはキープ出来るわけでもない。毎年確実に年老いる父母がいつ不健康になるかわからないし、大地震や予期せぬ事故などもいつ来るかわからない。平穏でフツーなお正月は今年が最後かもしれない。

まぁシアワセは「なる」ものではなく「気づく」ものなので、今後どんな人生展開になろうと「ちゃんと気づけばいい」ということだ。とか。新年早々、自分に確認して。さて、今年はどんな楽しいことがあるだろう。

今年も1年よろしくお願いいたします。

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喜久酔 純米大吟醸 松下米40

2008年01月02日(水) 10:58:16

ある方にいただいた日本酒「喜久酔(きくよい)」。
静岡県藤枝市の青島酒造が作っているお酒で、ボクはまだ飲んだことなかったのだが、元日の夜、家族+父母で開けて飲んでみた。

ひと口目は「んん?」。なんか鋭利な香りが鼻に抜け、キレ味ばかりが強調された。
思い直してふた口目。急にフルーティさが広がり甘みも感じられる。キレ味はそのまま。「おぉ!なんだこれ」と優子と目を見合わせる。うまっ。優しく大らかなのにスキッとキレる。理想的な美味だ。
三口目、四口目、あぁほんのりした甘さとキレ味がバランスとれてきてさりげない味になってきた。わざとらしさがまるでない自然体の素晴らしさ。
一本空ける頃には、酔い心地に合わせていろんな顔を見せ、水のような柔軟さに収束していった。参ったな。傑作かもしれない。

この「喜久酔 純米大吟醸 松下米40」は、静岡の稲作農家松下明弘さんが、田んぼの土つくりから始めて農薬の代わりに特製の肥料を使用して育て上げた山田錦(松下米と呼んでいるみたい)を40%まで磨き上げた純米大吟醸。なんだか違う次元の酒だった。キクヨイかぁ。ちょっと他のも飲んでみよう。素晴らしい。

食事は「弁いち」さんから買ったお節。これも今年初めての注文だけど、丁寧で誠意溢れる仕事が感じられるもので、どれをとってもおいしい。だし巻き卵とか栗きんとんとか黒豆とかお煮しめとか、そういう基本的な料理に驚きがある。鳥団子やカラスミなんかにも発見がある。父母を含めた5人で一品一品に「へー」とか「ほー」とか言いながら大騒ぎで食べた。
敢えて言えば全体に色合いが乏しいのだけど、逆に発色剤とか着色剤とか全く使っていない証明でもある。作っている人の顔が見える料理はいいなぁ。工場で作っているような有名料亭のお節の数倍おいしいし安心だ。

おかげさまで元日の夜はとても充実していた。酒がうまくて食事がうまくて家族が健康なら何も言うことなし。食後の正月恒例の花札大会はムスメと父母に任せて、ほろ酔いで先に就寝。あぁ満足。とても良い第一日目であった。

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1キロ完泳とイチローの「狭さ」

2008年01月03日(木) 10:13:46

プールが休みの大晦日と元日を除いて、しこしこと毎日プールに通っている。
エクササイズと早足長距離犬散歩も毎日続けている。その甲斐あってかスタミナが戻ってきた。自分でもわかるくらい。見城徹が言うところの「メイク・ア・フルーツ」だな。

昨日は初泳ぎ。
家族3人で浜松町〜芝増上寺〜東京タワー〜愛宕神社〜汐留と「写真散歩」(カメラを片手にいろんな写真を撮る散歩)をしたのだが、その帰りにひとり泳いできた。

軽く準備運動したあと泳ぎだしたのだが、いつも何となくしっくりとこない息継ぎが昨日はワンテンポ遅らせてみたところ妙にしっくりと来て、アレレと思うまもなく400m行ってしまい、この「しっくり感」を手放すのがイヤでそのまま泳いでいたら1キロをノンストップで泳げてしまった。これで何回目かな。初完泳が06年6月でその後さなメモに記録がないから、もしかしたら人生2回目の1キロ・ノンストップかも(よく覚えていない)。完泳後もほとんど疲れがなく、体調が整ってきたのを知る。まぁここから谷と山が交互にやってくるのだが、多少はがんばりがきく体調になってきた。

夜はNHKで「プロフェショナルの流儀」イチロー・スペシャルを観る。
イチローのいい意味での「狭さ」がよくわかる放送だった。自宅での昼ご飯が7年間必ずカレーライスだとか、ドラマ「白い巨塔」をもう30回以上見ているとか、他人のバットには(自分の感覚が狂うから)決して触らないとか。狭い。修行僧のような意味で狭い。これは余計な要素(もしくは煩悩)を人生に入れないという姿勢とも言えるし、向上するための優先順位がきちんと取捨選択出来ているとも言える。

望めばどんな贅沢でもどんな快楽でも手に入る環境。
でも、彼にとっての贅沢とか快楽は「向上」という一点に収束している。バッティングで「目に見えない先を目指す」という「向上」。人生のすべてがその「向上」という一点にフォーカスされているという極上の「狭さ」。

人生の焦点をそのくらいきっちり絞って「目に見えない先を目指す」ということを、一度もしないまま死んでいくのってどうなんだろう、と自問自答しつつ就寝。

簡単にスタミナを修復できる年齢にいるうちに、ちゃんと数年「向上」してみたらどうなんだ? 自分。

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ドラマの再放送

2008年01月04日(金) 7:27:43

観たいテレビがあまりにないので、ご飯時は家族で年末に録画したものとか再放送のものとかを観ている。

日テレ系「ごくせん」の第一シリーズ。小栗旬が出ているシリーズで見逃していた。一話一話ちゃんと面白く、第一シリーズならではの新鮮さを感じている。4月からは第三シリーズが始まるらしい。楽しみ。
フジ系「のだめカンタービレ」再放送。第一話から例のSオケの感動的演奏までを観てしまった。やはりよく出来たドラマだ。でも再放送とはいえ「ふざけるな!」と思うくらいCMが挿入され困惑。本業が広告なだけに責めにくいが、こういう入れ方は逆効果。普段は15分毎に入れるところを8分毎くらいに入れるんだもん。この「のだめ」は今日と明日、新シリーズ「パリ編」が放送される。楽しみ。

とはいえ、今日からツマとムスメが関西の実家に行くので(ボクは犬の世話と執筆で居残り)、ひとりで観ることに。いっつも家族で観ていたドラマをひとりで観るというのもなかなか寂しい。

数年前以前は全くドラマとか観なかった我が家だが、ムスメが思春期を迎えてドラマ好きになったおかげでいろいろ観ることになった。去年は「わたしたちの教科書」と「歌姫」が印象的だった(あ、ドラマ的にはいまひとつだったけど「受験の神様」も別の意味でとても楽しんだ)。この3つ、視聴率はめちゃめちゃ下位。ビリの方の3つ。おかしいな。面白かったのにな。

年末年始休んでいた「ちりとてちん」も今日から再開する。それが一番楽しみだったりして。
そういえば連続テレビ小説の出演者って紅白歌合戦に応援団として出るのが恒例で、毎年うんざりしていたけど、今年に限っては「ちりとてちん」だったので楽しみにしていたのに、出なかったな。まぁ出たら出たで白けたかもしれないが。

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佳作を3本

2008年01月05日(土) 21:18:24

ツマとムスメが金土日といないので、久方ぶりのヤモメ生活。
大阪勤務時代にひとり暮らしを8年強したのだが、その頃の楽しさをカラダが覚えているので、たった3日とはいえワクワクした。でもまぁ現実にはレンタル・ビデオ屋で「どの映画を借りようか」と迷った程度で、後は犬散歩とプールとエクササイズと三度の飯と書き物といういつもの生活。独身時代と行動範囲が違うなぁ、と実感する感じ。まぁこれが毎日ならまた遊び場とか作るんだけど。

借りた映画は「死ぬまでにしたい10のこと」「グッド・ウィル・ハンティング」「リトル・ダンサー」の三本。「死ぬまでに…」以外は再見。レンタル屋のいっぱい並ぶタイトルの中で突出して光って見えたのでなんとなく。気分的に小津か溝口という感じでもあったのだけど、急にもうちょっと若い感じの映画が観たくなったのだった。

つか、若いときは「こういう時こそ!」って感じでエッチな映画とかをレンタルした気がするが、あたしゃ枯れてしまったのだろうか。そんな気も起こらず、ひたすら佳作を探していた。名作ではなくて佳作。佳作が見たかったのだ。

どれも静かな気持ちになる映画でちょうど良かったかな。なんだかここ十年で一番静かな年末年始だったかもしれない。酒もほとんど飲まず。やかましいテレビも見ず。ヒトにも会わず。プールとかエクササイズとか書き物とか、全部「自分の内側に入っていく作業」だったのもあって、いろいろ深く考えられて良かったかも。

そんな内省的でストイックで静謐な正月休みもそろそろオシマイ。
来週からはまた騒々しい日々へ。そうだ、近々久々に沖縄にも行く。楽しみだ。

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アバンギャルドの真っ只中

2008年01月06日(日) 18:03:05

フジテレビ系「のだめ」のスペシャルは4日放送分はとても良かったが、5日放送分は後半「野田恵」が描けておらず、結果として千秋真一も表面的になり、ドラマとして破綻していた。やはり一気に5時間スペシャルは無理があったのではないか。残念至極。
とはいえ、ここまでクラシックの世界をじっくり描くドラマは希有でうれしい。もっともっとみんながクラシックを聴くようになればいいな(って、ボクも決してくわしいわけではないのだけど)。

今朝は昨晩の「のだめ」の影響もあって、チャイコフスキーの協奏曲を聴いたりブラームス聴いたりメンデルスゾーン聴いたり。
最近ブルックナーを意識して聴いていたせいもあり、妙な開放感あり。複雑に哲学や宗教心を入れ込んだ音楽は続けて聴くものではない。でもブルックナーの7番とか8番とか、かけっぱなしでヘビー・ローテーションしていたので、少し馴染んだ。まぁ、でも、この辺の重厚なヤツは60歳からでもいい気がしないでもない。

たまたまスカイプを立ち上げていたら、パリに住むフランチェスカという、ファーマシーに勤める43歳の女性がチャットをしかけてきて、英語で四苦八苦しながらやりとり。「イエスタデイ・ナイトはパリをステージにした、ジャパンでモスト・ポピュラーなドラマのニューバージョンがオンエアーされてベリー盛り上がったよ(ほとんどルー語)」みたいなことを書いたら、彼女、なんと知ってたよ。ジャパン・フリークらしい。

その後、ジャパン・フリークがいかに多いか、という話になり興味深かった。
そういえばどこかで読んだ。アメリカ人だったかヨーロッパ人だったかが何かのインタビューに答えて「だいたいどの国に行っても、西洋人が以前体験した『文化の進化過程』の道筋が感じられる。アジアでもどこでも。でも、日本文化だけはまったく独自の『進化』の道を進んでいるようにみえる。西洋はもちろん、どこにも似ていない」みたいなこと。

西洋の影響を大きく受けつつ、それを咀嚼して「どこにもない文化」にしてしまうアバンギャルドさ。確かにいま世界で一番アバンギャルドなのは日本かもしれない。それが滅びへの過程なのか繁栄への序章なのかわからないが、いまこの時期に日本で生きているラッキーは楽しみたい。アバンギャルドの真っ只中にいるのだ、ボクたちは。

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日本各地の行った店リスト

2008年01月07日(月) 7:14:18

どんだけ長くリニューアル作業してたんだよ、という声が聞こえてきそうですが、ようやく「日本各地の行った店リスト」、リニューアルし終わりました。興味がおありの方はこちらからどうぞ。

以前のデータを今の視点で書き直しつつ、200店くらい新規更新店も増やしました。
札幌、軽井沢、名古屋、金沢、長崎あたりが増えています。「関西の行った店リスト」も京都が15店くらい増えるはずなんだけど、更新が間に合いませんでした。今月中旬までにはなんとかしたい…。

「東京の行った店リスト」も100店くらい新しい店が増える予定です。
あぁ早くアップしないと。「海外」もポルトガルをアップしてないし、やること山積。で、こっちをやればあっちが疎かに、という感じで「おもしろ本」の更新も滞り中。昨日、吉田修一の「悪人」だけアップして「更新する気はあるんです!」とアピールだけはしておきました。

「おもしろ本」は、去年の5月にアイン・ランドの分厚すぎる2冊を読んだときに更新ストップしましたね。ああいうアポロン級の本は感想をすぐにまとめるのが難しく、後回しにしているうちにすぐ夏や秋が来てしまった感じで。以前のと合わせて100冊ほど感想が溜まっている状態です。困った。

ということで、1月はサイト強化月間。
2月からまたぞろ執筆に入りたいと画策しているので、1月にある程度なんとかしなければ…。

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もっと文章がうまくなりたい

2008年01月08日(火) 8:14:03

中国人初の芥川賞候補になった楊逸(ヤンイー)さん。中国生まれで日本語などまるで出来ず、1987年に来日してから本格的に日本語を学び始め、今回の芥川賞候補作「ワンちゃん」を書いた。同作で文学界新人賞も獲っている。

日本語を学び始めてたった20年で芥川賞候補か、すごいな…、と感心したが、でも、考えてみたら、綿矢りさは日本語をいちから学び始めてたった17年で(つまり17歳で)文藝賞を獲り、その2年後に芥川賞を獲った。20年っていうのは一言語を使いこなして純文学まで昇華させるに充分な年月なのかもしれない。

たまに「ブログを始めたいけど、文章がうまく書けない」という相談メールをいただく。
でもこれは本末転倒的な相談で、文章はたくさん書かないとうまくならない。文章がうまく書けないからブログを始められない、では、いつまで経ってもうまくはなれない。たくさん書くという意味でブログはいいエクササイズになる。毎日毎日書くことによって少しずつヒトに伝わる文章になっていく。最初はぎこちない文章でも、書き続けると少しずつスムーズな文章になっていくものだ。まぁその遠い先に「書きすぎると筆が荒れる」ということもあるようだが、それこそ芥川賞を獲るようなレベルでのお話。

昨年末に本業の「広告」についての書き下ろしを書いたが(もうすぐ発売)、お笑いエッセイくらいしか書いてこなかったボクにとって、真面目な論の展開はなかなかハードルの高いものであった。いままでいかにいい加減な文章しか書いてこなかったかがよくわかる。達意の文章なんか程遠い。まだまだエクササイズが足りないのを実感する。そういうこともあって、最近は多少「カチッとした文章」を書くように、このさなメモでも心がけている。

いちから日本語で文章を書き始めて20年弱で芥川賞レベルまで行ける例がいくつかある、というのは励みになるな。もっともっと文章がうまくなりたい。まぁ文章の技術だけがうまくなっても、人間自体が成長しないと結局「いい文」は書けないものなのだけれども。

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寝そびれた

2008年01月09日(水) 5:09:45

あぁ寝そびれた。ほぼ完徹。
ベッドに入ってから「あぁこれは眠れないかもなぁ」と予感はあったのだが、ちょうど考えたいこともあったのでそのままベッド内でぬくぬくしていた。考えているうちに眠れるだろう、と。
でも眠れない。数時間経ってもまったく眠くならない。昨日は終業後にプールで1キロ泳いだのでカラダはそこそこ疲れているのにアタマが寝ようとしない。

そういえば年末に「就寝1時間前の電子メールのチェックは睡眠を妨げる」みたいな記事が新聞に載っていた。濃いエスプレッソ2杯分の不眠効果だとか。英エディンバラ睡眠センターの博士によると「コンピューターの光が、眠りを助けるホルモンのメラトニン分泌をやめるよう脳にシグナルを送ってしまう」らしい。でもそんなの日常なんですけど…。

昨日は寝る30分ほど前にわりときちんとエクササイズをしたのもいけなかったのかなぁ。腹筋とか背筋とか4セットやった。それとエキスパンダー。ある会社から「新巻鮭エキスパンダー」をいただいたのだ。写真の頭と尾の間がエキスパンダーになっていて荒縄を引っ張る(笑)

ま、そんなこんなで寝ていない。大学時代や入社数年目のころまでわりと深刻な不眠症だったことがあるが、あの頃は若かったから良かったものの、今年47歳になるカラダには堪える。いまから犬を叩き起こして早朝犬散歩にでも行って、朝ご飯を多めに食べて、数時間でもいいから二度寝をしよう。正確に言うと一度寝か。

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「明日の広告」発売

2008年01月10日(木) 9:27:22

明日の広告表紙まだ書店に並んでないだろうと思っていたら、昨日「ブック・ファースト」で平積みされていたので、急いで告知します。

「ブック・ファースト」は特別早いけど、普通の書店だとたぶん今日か明日くらいからボクの新刊「明日(あした)の広告」が並び始めると思います。三連休のお供にいかがでしょう?(書店によっては土日くらいからかもしれません)

副題は「変化した消費者とコミュニケーションする方法」。
初めての本業(広告)の本です。本業なので「さとなお」ではなく「佐藤尚之」で出版しました。

内容は、未来すぎない「明日」の広告のお話。

あまり未来ばかり予想して心配してないで現状をどんどんよくしていこう、と、なるべくポジティブに書いてみたつもりです。というか、広告やメディアの明日はもっともっと楽しくなると信じているし。

ここ20年の広告コミュニケーションの流れや、今後の必然的変化なんかも、比喩を使ってかなりわかりやすく書いてみたつもり。
テレビCMは本当に崩壊するのかとか、新しいお茶の間「ネオ茶の間」の出現とか、商品丸裸時代のこととか、コミュニケーション・チームの作り方とかにも言及しています。あ、スラムダンク1億冊感謝キャンペーンについても書いています。

ちょっと最近の流れについていってないかもと不安に思われている広告業界の方だけでなく、コミュニケーション全般に興味のある方、広告業界をめざしている学生さんなどにも読んでいただけるとうれしいです。最近よくある「難しい横文字満載の本」ではありません。

新書ですし、わりと一般向けですが、そこそこ専門的なことも書いているので、広告にまったく興味がない方には多少難しいかもしれません。でも、消費者の変化についてくわしく書いているので、消費者とのコミュニケーションに従事している方のお役には立てるかもしれません。
ちなみに、広告系最先端の人にとっては基礎的な記述が多く物足りないと思います。お手柔らかに願います。

内容や目次についてくわしいことはこちらをご覧ください。amazonではまだ予約注文になっていますが、今日か明日くらいから普通に売られると思います。

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ギンギラ太陽's 「呼ばれて東京スペシャル公演」観劇

2008年01月11日(金) 7:03:32

福岡の人気ローカル劇団「ギンギラ太陽's」の東京公演に行ってきた(@天王洲銀河劇場)。
この劇団と同じく「ローカル劇団」ということに誇りを持っている札幌の「TEAM NACS」のリーダーであるモリが、終演後「ギンギラ太陽's」のリーダー大塚ムネト氏とアフタートークをする、というのが行ったキッカケ。でも行って良かった。おもろかった。

なんつうか、ひと言で言ったら「かぶりもの劇団」なのだ。こんな感じの。
全員、かぶりもの。昨晩は「翼をくださいっ! さらばYS-11」という演目だったのだが、主役はスカイマーク・エアラインズ1号機で、ヒコーキのかぶりもの。他にYS-11はもちろん、JALやANAやJASがかぶりもので出てくるし、福岡空港第1エアターミナルや第2エアターミナル、佐賀空港、長崎空港なんかもビルのかぶりものとして出てくる。重要な役どころとして福岡の雁ノ巣飛行場(戦前)も出てくるが、これも格納庫のかぶりもの。リンガーハットやロイヤルホストも出てきて闘うのだが、これも建物のかぶりもの(笑)

ヒコーキやビルなどを擬人化して、そこに感動的なストーリーをのせていくのがこの劇団の特徴のようだ。
スカイマークの新規参入に対する大手航空会社のイジメから始まり、空港同士のいがみ合い、アジアの玄関としての地位を狙う長崎空港の陰謀、ゼロ戦を送り出した雁ノ巣飛行場の慟哭、今は海外で働く唯一の国産ヒコーキYS-11の悲しみと飛ぶ喜び…。見終わった後、確実にヒコーキ業界通(特に九州北部)になること請け合いの演劇なのだ。というか、ヒコーキ好きになるな。

その視点は斬新。かぶりものは可愛いし、役者もよい。福岡という土地にちゃんと根ざして福岡ネタで勝負しているところもよい。いい劇団だ。
東京だったら、六本木ヒルズとミッドタウンが闘ったり、表参道ヒルズが漁夫の利を狙ったり、JRと東急と東京メトロがいがみあっていたり、成田エクスプレスと京急が決闘したり、東京タワーと霞ヶ関ビルが窓際でしょんぼりしてたりしたら妙なカタルシスを覚えると思うんだけど、そういう感じ。福岡に住んでいてこれを見たら、倍は面白いだろうなぁ。

敢えて言うと、多少長い。2時間ギッシリやることもサービス精神の表れだと思うが(そういうのがヒシヒシと感じられる劇団なのだ)、あと15分短くしてテンポアップすると格段によくなる気がした。あと音楽。音楽をもうちょい下世話にしてもよかったかも。

アフタートークのモリも良かった。
普段一緒に食事とかしてるけど、考えたらトークを聞くのは初めて。上手でびっくり。自分のペースに観客を巻き込んでしまう技を持っている。モリのアフタートークつきの公演は今晩もあるそうだ。しかも14日までの公演、まだ空席がわりとあるらしい。興味ある方はゴー。福岡出身者に特にオススメ。

終演後、劇団員たちと飲みに行くというモリと別れて、ひとりで「テンダリー」へ。
絶品のサンジェルマンを飲みながら、ひとりで「明日の広告」出版祝い。本というのは、出してしまうと意外と著者は無関心になるもんなんだけど、とりあえず書店に並ぶのを見るのはうれしい。

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ハンク・ジョーンズ・ソロ・コンサート

2008年01月12日(土) 5:40:01

いや〜、ありがたやありがたや。
今年90歳になるジャズ界の至宝が、海を越えてえっちら東京まで来てくれるんだもん。生活圏内から1時間以内にわざわざ来てくれるんだもん。シアワセなことだよなぁ…。現存するプレイヤーの中で、チャーリー・パーカーとやったことがある最後の人。たぶん。ジャズ界だけでなく人類にとって、まさに至宝。(※パーカーと競演した現役ジャズマンでは、ロイ・ヘインズがまだ元気です、とのメールをいただきました。ありがとうございます)

というわけで、ハンク・ジョーンズのソロ・コンサートに行ってきた(@すみだトリフォニーホール)。

客席は6割程度の入りで、はっきり言ってガラガラ。でもみんな本当に「ハンクと同じ空間にいられてシアワセ」と心から感じている人ばかりが見に来ていて、ボクは逆にうれしかったな。曲を聴くというより、ハンクと一緒にいる喜びに浸っている感じ。拍手や歓声がめちゃめちゃ温かい。

ボクはCMのロケなどでハンクと延べ60日くらいは一緒にいたことがあり(もう10年以上前のことだ)、贅沢にも彼のピアノはその間中ずっと聴いていた(彼は毎日きちんと練習するので、撮影の合間とかにそれはもう飽きるくらい聴くことになる)。だから彼のタッチは比較的理解している方だと思うのだが、玉を転がすような技巧は少し衰えたものの、高音のピアニシモが以前にも増して異様にきれいになっていた。ちょっと死ぬ前のルービンシュタインを思い出すような美しさ。あまりに美しすぎてアンコールの「In A Sentimental Mood」では泣いてしまったほど。

全部で25曲くらい、ほとんど誰でも知っているようなスタンダードを実に淡々とやっただけなのだが、それもハンクらしい。中でも「Summertime」「Someone To Watch Over Me」などのバラッドが終始ピアニシモで、なんだか異様にきれいだったなぁ。生きていてくれるだけでこんなにありがたいのに、ここまでの陶酔をくれて本当にありがとう。古いとかラウンジ・ピアノ的とか言う人もいるかもだけど、ハンクはハンク。最高のピアニストだ。

終演後、会わずにさっと帰るつもりだったが、わりと感動したので、ひと言だけ挨拶しようと楽屋口で出待ち。40分ほど待ったら中へ入れてくれたので、座っているハンクに話しかけた。
最初はボクを思い出してくれなかった。んー、最近では3年前にNYのライブ後に挨拶したんだけどな。もうすぐ90歳だしな。もう記憶から飛んじゃったかな。と残念に思いつつ、「ほら、一緒にCMやったでしょ。『やるもんだ!』のヤツ。ね、あのサトーだよ」と必死に説明したら「オ〜! サトサン! 髪の毛ないからわからなかったよ。髪の毛どこ行ったんだ? アハハ」だって(笑)。原因は髪だったか!(いまは3ミリ短髪だしハゲも進んだ)

固く握手して別れる。
もう会えないかもなぁ…。足もしっかりしていたし指も動いてはいたが、90歳だし、いつ何があってもおかしくない。今生の別れかも、という思いを込めて。

なんか彼との思い出でエッセイの一章分埋められるくらいなんだけど、そのうち不定期日記にでも書こう。
あ、そうそう、ハンク、今年グラミー賞にノミネートされたんだって。「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ」部門。サックスのジョー・ロヴァーノとのライヴCD「Kids」に収録されている「ララバイ」でのソロ・プレイが対象らしい。獲ったら最高齢かもなぁ。ぜひ獲ってほしい!

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25℃! @那覇

2008年01月13日(日) 10:19:23

沖縄の那覇に来ている。
25℃ですよ、25℃。モリのいる札幌とは気温差30℃! 日本ってすごいなぁ。こんなに小さい国なのにこんなに気温差がある。昼に着いた途端じわっと汗ばむ。暑っ。上着を次々脱いでTシャツ一枚に。

まずは首里に出て「てぃしらじそば」へ。
脱サラして沖縄そば屋を始めた、という店で前から行きたいと思っていた。カフェみたいな作りだけど、どこか温かい手作り感がある居心地よい空間で、そばもとても丁寧で心温まるもの。最近若手を中心に増えてきた「昔ながらの手作り沖縄そば」系。超薄味のスープで「淡すい」のそれよりもあっさり。でも食べ終わる頃には後ろ髪引かれる味になる。麺は少し茶色っぽく、縮れが強いもの。おいしい。全体にとてもいい沖縄そばだが、敢えて言えば麺にもう少しコシがあった方がいいかな。茹で時間の問題だろうか。でもまた定期的に来てみたい店。あ、ジューシー(炊込みご飯)もとってもうまかった。沖縄そば500円。ジューシー100円。コーヒーはセルフで飲み放題。よくやっていけるなぁ。

次に公設市場に出て、銀座のあるバーで勧められた「田舎」という店でソーキそば350円。安っ。しかも超ディープ。観光客はびびって入ってこれないだろう。地元の人が昼ご飯に群がるような店(安いしね)。でもそのバーの人が帰省の度に寄るというだけあってなかなかおいしい。ここは「昔ながらの手作り沖縄そば」系ではなく、言うなれば「昔ながらの生活そば」系。なんだかとても気に入った。公設市場周りっていい店なかったんだけど、これからはここにしよう。

ホテルにチェックインして、ラグビー大学選手権決勝の早慶戦中継を見る。早稲田ラグビーのファンなので、早稲田が勝ってうれしい。でも早慶戦っていつもラフプレイがなく、実にフェアでいい。気持ちのいいゲームだった。

ボクがホテルの部屋にいた間にスコールがあったらしいけど、ホテルを出る頃には雨も上がって(晴れ男!)、夕方から外出。辻にある「カフェ沖縄式」で作家の駒沢敏器さんと待ち合わせ、彼中心で一緒にやっている「ある沖縄プロジェクト」の打ち合わせ。今回の沖縄行きの目的でもある。とはいえ本業と違うから自腹の沖縄行きだけど。

その後一緒に「琉球料理乃山本彩香」へ。
久しぶりの彩香さんの料理である。おととしの閉店危機以降、営業方針を変えてからは初めての訪問。高齢でカラダが持たないという彩香さんは規模を最小限に縮小し、ほとんど「琉球料理の伝統と心を後世に伝える」という情熱だけで営業している。料理の質はまったく変わらなく非常においしいが、サービスや営業日数、価格などはずいぶん変わった。もうほとんど趣味の世界である。それでも彼女が霧の日の灯台のようにそこに立ち続けてくれているだけで,琉球料理の伝統と心が守られる。その価値を味わう店である。彩香さんともいろいろお話しでき、良かった。

食後、駒沢さんとふたりで牧志2丁目の隠れ家バー「living」へ。
以前「Slow Jam」にいたジミーが店主で、異様に凝っていてオシャレ。ふーん、と感心しながら飲む。最後には大盛り上がりに盛り上がり、「どっか飲みに行こ」と店主に散々誘われたが、意志強く帰る。つかもう2時過ぎてるし。

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アグー豚 @我那覇畜産(名護)

2008年01月14日(月) 15:04:03

昨日、ボクたちプロジェクト・メンバー一行は名護の「我那覇畜産」を訪れた。
ボクはここが生産している「やんばる島豚」が豚肉の中で一番おいしいと思っている。送ってもらって家でしゃぶしゃぶで食べた時に衝撃を受けたのだ。バークシャー種とデュロック種をかけ合わせたものにアグーをかけて出来た「やんばる島豚」。肉の香りが実に素晴らしい。

ボクは5年ほど前、アグー(琉球在来黒豚)を細かく取材したことがある。
その当時、純血のアグーは沖縄本島にたった36頭しかいなかった。戦争で激減し、その後はアメリカからランドレース種などの繁殖能力が高い(つまり多産な)白豚が入ってきて、純血はほとんど絶滅したのである。アグーとランドレース種などとかけ合わせたハーフやクォーターは多いが、純血は北部農林高校や試験場などに36頭しかいなかった。

アグーは生殖能力が低く、なかなか増えないこともあって、昨日「我那覇畜産」で聞いたら、2007年現在でも、純血はまだ79頭しかいないそうである。
いまでは東京でも「アグー豚」を出すレストランが多いが、まぁウソとまでは言わないが、多少表記に誇張がある。純血はあり得ないのだ。ハーフかクォーター、良心的な店でも75%とかのものを出しているかも程度だろう(現在はランドレース種とのハーフである「沖縄あぐー」というブランド豚も出荷されているので、それを出してアグーを名乗っている場合もあるかもしれない)。

ボクは定期的につぶす純血のアグーをたまたま食べたことがあるが、肉の香りが尋常ではない。脂が多いのにあっさりしていて、もたれず、旨みも強いのだ。とても魅力的な黒豚だ。増やすのが難しい品種だが、志高くアグーを増やそうとしている畜産農家がいくつかある。そのうちのひとつが「我那覇畜産」なのである。

訪れてまずびっくりしたのは、その文化度の高さ。
入り口から前庭まで花が咲き乱れ、蝶が舞う。たぶん奥さんがやるのだろう、実に丁寧に手入れがされている。しかも清潔。その美しい敷地内(建物内じゃなくて敷地内)に入るためには靴を消毒しないといけないという徹底ぶり。畜産農家とかいくつも訪ねたことがあるが、これだけ意識というか文化度が高い農家は初めてである。たいていは効率重視で味気ない外観のところが多いからだ。

前庭の美しい芝生の上でアグー豚に会わせてもらい、仔豚と戯れさせてもらったりした後(写真12)、お話をいろいろ伺ったが、オーナーの我那覇明さんの「安心安全、しかもおいしい」ことへの情熱がまたすごかった。特に安心安全に対する意識の高さがすごい。そこまで清潔に管理しますか!という感じ。放牧なども考えたそうだが、鳥などによってもたらされるウィルスを考えるととてもじゃないが無理、ということで、そのかわり徹底的に豚に居心地がいいように屋内施設を作ったそうだ。お話は日本の食や健康への危機感にまでおよび、尽きない。

純血アグーも少しずつ増やし、ここには17,8頭いるようだ。かけ合わせの研究を重ねた結果「やんばる島豚」ブランドを作り出し、自信を持って販売しているようである。他にランドレース種とデュロック種をかけ合わせた「流美豚(リュウビトン←ルイビトンの洒落らしい:笑)」や75%のアグー「島黒」も売っている。

高い志と実行力。ちょっと感動した。「佐藤家は今後ここの豚しか食べません!」と、その場で宣誓しようかと思ったくらいである。しかも本当に豚好きらしく、事務所には豚キャラのコレクションがたくさん。奥さんが豚を使った昼ご飯を振る舞ってくれたが、これがまたうまかった!

もうすっかりファンになって、夕方に我那覇畜産を後にした。
ちなみに、我那覇畜産がある名護の大川辺りは実に美しい。「この辺に別荘を買おう!」とみんなで盛り上がりつつ、クルマで那覇へ帰った。あぁ楽しかった。

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那覇から帰京。寒っ。

2008年01月15日(火) 6:19:19

昨日は昼ご飯に「シーサー」と「我楽そば」をハシゴ。「我楽そば」は特に面白かった。感想は対談ブログの方に書いたので是非。んー、沖縄そばはどんどん面白いことになっていっているなぁ。ボクが必死に食べ歩いた10年前とは隔世の感あり。あの頃はほとんどラーメン化していて「昔ながらの沖縄そばはもう絶滅か」と思ったもんなぁ。実際3軒くらいしか昔ながらの打ち方でやってる店なかったし。その辺のことに興味がある方はコラム「すばの細道」をご一読ください。

そんなこんなで2泊3日の那覇行きは終了。今日からまた一週間が始まる。あと4日だけど。

おかげさまで新刊「明日の広告」の感想、いろいろいただいております。
本業なのでエッセイよりずいぶんナーバスに書いたこともあり、ひと言ひと言が本当にうれしい。どうもありがとうございます。なんとかいまのところ評判いいみたいで心底ホッとしています。意外と広告業界以外の方からの感想が多いのもうれしい。広告関係以外の方にわかるかなぁと心配していたんだけど、どうやら全然大丈夫っぽいです。これまたホッ。なぜか「泣いた」と言う感想も3通(笑)。これはスラムダンク・キャンペーンのところですね。まぁ素材がスラムダンクですから。

いただいたメールから察するに、地方も含めて、書店には行き渡ったようです。広告や消費者、イマのコミュニケーションに少しでもご興味がある方、そして商品をもっと売りたい方など、立ち読みでもいいのでどうぞ読んでみてください。いろんな業界に応用が利く「消費者とのコミュニケーションについて」のお話です。780円(税込)の価値はあると思っています。

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毎年恒例の新年のお祝い

2008年01月16日(水) 9:26:08

昨晩は、すっかり毎年恒例となってきた神楽坂での新年のお祝い。
1時間だけだが、お茶屋さんでご挨拶をし、金粉の入ったお酒を飲み、伝統的な正月正装をした芸者さんの踊りを見て、最後は全員で三三七拍子(三味線入り)。今年は3年目ということで、多少ビビリも抜け、回りを見回す余裕も出来た。芸者さんとの会話も楽しく盛り上がる。あぁこういうのってやっぱり年月がいるんだなぁと実感。年に一回では粋な旦那衆になるまで数十年かかってしまいそうだが、こういう遊びを知らないよりはまぁいいか。

楽しく1時間が過ぎ、次の店「弥生」へ。
去年もこの店でお会いした、出版業界の大物に今年も偶然お会いした。もうお顔を見ただけで縁起物のような方。2年連続でバッタリ会うのは素晴らしい。今年もいい年になりそうである。

3軒目はお茶屋バーに行って飲み、深夜すぎに帰宅。
昨晩はもうひとつのお楽しみが待っていたのでワクワク。そう、これまた毎年恒例の「Macworld Conference&Expo San Francisco」が日本時間の16日深夜に行われ、ジョブズの発表があったのだ。

去年はここで iPhone が発表され、世界中で話題になった。今年は開催前から「There's something in the air.」と書かれた垂れ幕で話題になっていたが、やっぱり世界最薄のノートブックだった。「MacBook Air」。最薄部わずか4ミリ。すばらしい。マックは常に期待を大きく上回ってくれるなぁ。とはいえ有線LANポートがないのは困る(別売りでUSB Ethernetアダプタがあるらしいが)。あと少々高い。でも、薄くて軽いノートブックの登場を10年以上待ち望んでいたMacファンとしては、非常に食指が動く製品だ。欲しっ。でもすでにツマ(今日が誕生日)からの却下宣言を受けてしまった。む。

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あの日から13年

2008年01月17日(木) 6:55:35

阪神大震災の日は、毎年恒例ですが、このコラムへのリンクを。

地震が起こったら、まずこれをしろ!
地震が起こる前に、これだけはしておけ!

一度読んだ方も、また思い出すためにぜひお読みください。ボクの大震災体験談が書いてあります。お暇ならこちらもどうぞ。「震度7の朝、妻は妊娠9ヶ月だった」

そのツマの誕生日は、震災前日の昨日。
まだ結婚1年目だったので(震災から2ヶ月後の3/6が結婚1年目の記念日&ムスメが誕生した日)、ニュースとかで「あの日から13年になります」とか聞くと「あぁボクたちも結婚して13年なんだな」とか確認できて便利。

そうそう、オーディオ好きな方はこちらも。「震度7でぶっとんだボクの愛機たち」
どのコラムも10年前とかに書いたモノなので今読むと文章が若いなぁと思います。でも、個人的には大事な記憶なのでこのままに。 デジカメの画素数も低かったんだろうなぁ。画質悪い。

最近、よくあの揺れを思い出す。そして怖い。家族に何が起こるかが。
子供を13年も育てると、年々「失うこと」が加速度ついて怖くなる。その年月分、想いが強くなるのだろう。あのレベルの揺れだと何が起こるかわからない。いつ別れてもいいようにちゃんと愛さないとと思う。

そう、ボクにとって1/17は「愛」を確認する日でもあるのです。「愛」とかって照れるけど。

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早起きゲーム

2008年01月18日(金) 8:36:07

ムスメはゲームをひとりでラストまでやりきったことがない。
分厚い本とかは最後まで読み切るんだから根気がないわけではない。だからゲームなんてどうでもいいやと思いつつ、とはいえ本でも「自分が好きでない世界(怖い物語とか)」は途中で投げ出すようだ。それはそれでよくないので、「ゲームをちゃんと最後までやりきりなさい」命令を出した。ゲームをやれ、と言いつける親も珍しい気がするが。

彼女が選んだのはドラクエ8。
うん、先にどういう試練が待ち受けているかわからない冒険RPGものは今のキミにはちょうど良いぞ。ドラクエ・シリーズはゲーム・バランスもよいし。 怖くても途中で投げ出すなよ。

で、年末からボチボチ始めて、順調に中盤まで進んでいるようである。
「お父さん、ワタシ、いままで中ボスとか誰かが見てくれてないと倒せなかったけど、ひとりで倒せるようになった!」とか報告に来る。それまでは親が横でヘルプしないと怖くて倒せなかったのだ。

昨晩は時間がなかったので30分だけやり、「明日早く起きて続きをやる」と宣言して寝たムスメだが、どうせそんなこと無理だろうと思っていたら、なんとボクより早い5時30分に起きてゲームをやっていやがった。偉い!

ツマは「ゲームをやる習慣がついちゃったらどうするの?」と心配するが、ゲーム・リテラシーも現代の必須習得能力のひとつだとボクは思う。もしくは「どうせゲームにはまる時期がくるだろうから、投げ出すクセは直しとけ」的な。あるいは「どんなものからでも学ぶものはある」みたいな。


それはそうと、毎週ひとつは涙爆弾がある「ちりとてちん」。
今日のも爆弾でしたねぇ。このドラマはたぶん「登場人物みんながそれぞれ自分の居場所を見つける」という流れなんだろうな。傑作だ。

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腰割りの日々

2008年01月19日(土) 17:56:08

なんかやる気が上がらず、というか、少し二日酔い気味で、1日中ダラダラ。3時まで飲んではいけません。

今日中にしないといけない書き物があったのだが、どうしても書けない。やる気レス。困ったな。寒くてプールに行く気もあまりしない。仕方ないからエクササイズだけでも、ということで腰割りを数十回。

最近この「腰割り」に凝っている。
若いときから股関節が固く、もう半分諦めていたのだが、「ヒトは股関節から老いる」とどこかで聞いて、なんとか股割りが出来るくらいまで股関節を鍛えようと思い立ったのだ。

正しい股関節の使い方を知るために「スポーツ選手なら知っておきたい『からだ』のこと」という本を読み、股関節の構造と正しい使い方を頭で理解した。これはある方に勧められた本で、中高生にもわかるように筋肉や間接の成り立ちや合理的なからだの動かし方の解説をしてくれている本。
スポーツ選手向けなのだが、だからこそきちんと詳しく書いてくれていて、とても役に立った。なるほど、股関節ってこうなっているのか。腰割りをするときは外旋しないといけないのか、などなど。

股割りも、足の外側のくるぶしを床につけるくらい股関節を外旋させることが必要だというのはいままで全く知らなかった。つまり、床に股を拡げて座ったとき、膝の外側と、くるぶしの外側が床につくくらい、足を外側に倒すのである。

腰割りも、合理的なスクワットの方法があることを知った。変な動きをすると腰に来るので怖々ではあるが、正しいフォームの腰割りを毎日数十回続けるようにしている。夏までには股関節が柔らかくなって「夢の180度開脚」とか出来るようになるといいな。

いや、マジでからだ固いので、開脚前屈など夢のまた夢なのである。180度股割りなんて相当夢の世界。出来るといいなぁ。半年じゃ無理かな。

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ダイエット順調

2008年01月20日(日) 13:49:14

去年の11月28日のさなメモで「ちょっと太ってきたので、BM(基礎代謝)を上げて体型を戻す(つまりはダイエットする)」と宣言しているが、その後なんとか順調に推移している。

宣言の時点で83〜4キロの間をうろちょろしていた体重だが、今日プールで79キロ代を記録した。2ヶ月弱で4キロほど減。4月くらいまでにあと4キロ痩せて75キロ代になることが目標なのだが、ここからの4キロは経験上あと半年かかってしまうかもしれないな。一度落とした後、長く全く落ちないという時期が続くのが通例だからだ。

ま、とりあえず「体重なんていつでも落とせます!」と豪語している証明はできたかも。それもきつくなくラクチンに落とすのだ(BMグラサンダイエット)。いったん成功体験を持つと「できなきゃおかしい」と思うから不思議。みなさんも、とりあえず一回成功しちゃうのがコツですよ。

とはいえ、今回はお腹の肉が落ちない。10〜11月の執筆地獄で溜め込んだ脂肪がどうしても落ちない。夏までにしっかり落とせるかどうか。「股割り」と共に、今年の「わかりやすく目に見える目標」でもある。

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「明日の広告」好評感謝

2008年01月21日(月) 7:17:19

先週くらいから書店に並んでいる拙著「明日の広告」、先週末には、紀伊國屋書店大手町ビル店の新書部門で4位だったみたいです(日別集計)。どうもありがとうございます。

少しずつネットにも書評が載り始めました。
ブログだと、広告関係の方々はこんな風に書いてくれています。どの方もお会いしたことありませんが、うれしいです。

明日の広告
「明日の広告」
読後評:明日(あした)の広告 現役感バリバリのコミュニケーション論。これは必読書!
佐藤尚之の『明日の広告』
すべての広告人に元気と勇気を「明日の広告」
明日の広告

どれも望外の評価をいただき、マジでありがとうございます。
広告以外の方にもわりと読んでいただいていて、

明日の広告。
明日の広告
感動した本
明日の広告
書評:明日の広告 佐藤尚之著 アスキー新書
マーケティング本を読んで泣いた(笑)
明日の広告

アマゾンbk1にも少しずつレビューが載り始めています。いまのところ好評でホッ。

すいません、宣伝みたいになっちゃって。
でも、新書は最初の2〜3ヶ月が勝負で、そこでそこそこ売れないと書棚から消えてしまうことも多いのです。これからのコミュニケーションを精魂込めて語った本なので、できれば多くの方に読んでいただきたいな、と。

また定期的にご紹介していきます。

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ビンゴ河野

2008年01月22日(火) 8:26:09

広島のシャオヘイさんが東京出張してきたので、伊藤さんたちと一緒に迎撃。

「東京っぽい居酒屋に行きたい」というリクエストだったので、伊藤さんと話し合い、北千住の「大はし」へ。
他の候補ももちろんあったが、東京の居酒屋特有の「落ち着けるけど、せわしない」あの感じを体験するにはココは良い。地方の居酒屋はもっとのんびりしているし、大阪ももっとほんわかしている。それに対して古くからある東京の居酒屋は空気がどこかせわしない。でもそれが妙な活気につながっていて楽しいのも東京ならでは。

久々の「大はし」は相変わらず完璧な東京居酒屋。これで改装さえしてなければ、と、残念ではあるが、料理も酒も、異様に素早いそのサービスも、そして値段もほぼ完璧。あれだけ食べて飲んでひとり3000円強とはなぁ。

二軒目は恵比寿まで帰って「さいき」へ。
一瞬「縄のれん」もいいかと思ったが、どうせなら文壇居酒屋へ。二階の座敷でこの店に通った島尾敏雄の話などしつつ飲む。

途中でシャオヘイさんが「さとなおさん、オデコのでっぱりなんですか? できものですか?」と聞くから、「いや、ローラーゲームって知ってる? そこに東京ボンバーズって名チームがあってね、その中にビンゴ河野というのがいたわけですよ。ビンゴって頭突きのことね。で、ボクは彼に憧れて、小学校時代に毎日、家の柱に向かってビンゴの練習をしたの。『河野のビンゴ〜!』って自らナレーションしながら。そんでもって柱に毎日頭突きしてたら、コブが常態になって、こんな風にでっぱってしまったわけ」とかご説明。

ローラーゲームって何?って基本的なこと聞くから、そこから説明するのが大変(笑)
佐々木ヨーコだのミッキー角田だのから教えなアカン。つか、あの素晴らしいゲームのルールから説明するんだけど、これがなかなかわかってもらえない。ううむ。難しい。新しい広告手法とかを説明するほうがよっぽどラクだ。

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404 Blog Not Found

2008年01月23日(水) 7:54:34

昨晩は「ボビー・マクファーリン・スーパー・オーケストラ・コンサート」に行ってきた。
感想は明日かあさって書くが、とにかく神ライブ。彼の指揮ぶりも良かったが、ヴォイス・パフォーマンスも磨きがかかって素晴らしい。モーツァルトの中盤はアドリブだし。オケ(新日本フィル)もアドリブでアンコールさせられたし。オケ・メンバーで泣いてる人もいたし(演奏者自身も楽しすぎたらしい)。観客も大声で歌うし。んでもって熱狂した観客が帰らない。足踏みする。会場が明るくなってからも帰らないから、最後はステージ周辺にみんなで集まって、彼が「なんでも答えるよ」と質疑応答タイムに(笑)。
この超絶ライブがなんとたった6割の入り。ええと今晩もやります。すみだトリフォニーホール。当日券いっぱいあるはず。もしヒマなら絶対見逃すな! 最高に楽しいライブ!

と、その感想は改めて書くとして(今日は時間がなくて書けない)、今日は拙著「明日の広告」について。

アルファブロガーの小飼弾さん(「404 Blog Not Found」)にとてもうれしい書評をいただきました。

で、その中で「ごもっとも」と思う指摘もいただきました。

「明日の広告」の155ぺージに、ボクがやったスラムダンクの新聞広告を掲載してますが、ページ数の都合上、主人公桜木花道のもの以外はとても小さな図版での掲載になっています(イイタイコトが多く、240ページ制限のギリギリまで文章を詰め込んだので、図版のスペースがほとんどなかった)。

指摘は「花道だけを大きくするのは、読者それぞれにそれぞれのスラムダンクへの想いがあるというこのキャンペーンの理念にもとるのではないか」という意味のもの。他の新聞広告が小さすぎてコピーが読めないというのも指摘されました。
確かにそれはそうかもと気がついたので、取り急ぎ井上雄彦さんのサイト内にあるこの新聞広告紹介ページ(より大きな図版がある)にリンクを張らせていただこうと思います(リンク申請中)。リンクがオッケーになったら、ここでそのお知らせをすると共に、このサイト内の「明日の広告」紹介ページからリンクします。ささやかな手当てながらとりあえず。引き続きなにか出来るか考えます。文章にばかり気が行って、図版が多少疎かになっちゃったかな…。

と、こうやって出版した本を少しずつ改良改善していけるのもネット時代ならでは。「渡してオシマイ」だったラブレターのフォローができる。ありがたい時代です。
他にもいろんな方からご感想をいただいてます。どこかで反映できたらと思っています。

ちなみに昨日、アマゾンで42位まで行ったようです(約800万冊中なのでわりとすごい)。汐留のリブロでは週間1位でした。感謝。

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ボビー・マクファーリン・スーパー・オーケストラ・コンサート

2008年01月24日(木) 9:29:16

おととい、「ボビー・マクファーリン・スーパー・オーケストラ・コンサート」に行ってきた。@すみだトリフォニーホール。
彼を知らない人はあまりいないと思うけど、コレが有名。大ヒット。最近はクラシックを振っていたりする。

昨日もちょっと書いたが、とにかく神ライブ。陶酔したなぁ。席も前から5列目で良かったこともある。あんなにいいライブなのに客席は6割の入りで終始申し訳ない気持ちだった。すみだトリフォニーホールって、ちょっと前のハンク・ジョーンズもそうだったけど、とてもいい人を呼ぶわりには客の入りが悪すぎる。宣伝が下手なのかな。音は抜群にいいホールなのに。

やった演目は

バーンスタイン:キャンディード序曲
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

と、わかりやすい楽曲。
ボビー・マクファーリンだから何かもっと変わったことやるかな?と思ったが、「キャンディード序曲」はとても真面目な指揮ぶり。あれ、このままずっとこんな感じ?と思ったら、モーツァルトではカデンツァ部分のアドリブでボビーらしいというか、音楽の楽しさを感じさせてくれた。
ヴァイオリン・ソロのジョセフ・リンが良い。
チャイナ服を着た坊主頭の若者(中国系)で、まぁなんつうか笑顔を絶やさないで楽しそうに演奏をするのだ。多少雑な部分もあるのだが、壮大でロマンティックなソロをやる。そしてカデンツァ。いわゆるアドリブ。トルコ風というよりケルト風で長大なアドリブをやったなぁ。第1楽章は特に印象的。

モーツァルトとメンデルスゾーンの間に「ヴォイス・パフォーマンス」があった。
一度オケを引っ込ませて、ジョセフ・リンとふたりで出てきたボビーは、彼のヴァイオリンとヴォイスでインプロビゼーションをする。うわっ。すげっ。
その後リン君とさよならして、ボビーの独壇場。奇跡のヴォイス・パフォーマンス。声も技術も磨きがかかり天国にいるようだった。クラシック・コンサートなのでなんとなく大人しくしていた観客も、あまりの凄さに3曲目くらいから熱狂しだし、4曲目の彼の動きに合わせて観客も声を出して参加するパフォーマンスでは日本人とも思えないような参加ぶり。引っ込み思案はひとりもおらず、大声を出す人多数。もう参加せざるを得ない心の震えがあるんだもん。
で、ヴォイス・パフォーマンスのラストは彼のヴォイス・アルペジオをバックに観客が「アベ・マリア」を歌うというもの。これもねぇ、大声で歌うんですよ、みんな。素晴らしい!

この辺までくると、ボビーがなぜソウル〜ジャズ〜ポップスなどを変遷して今クラシックをやっているかわかってくる。つながっているのだ。音楽の楽しさには変わりないし、一見お堅く見えるクラシックにも底抜けに楽しい部分、そして他にはない美しい部分があるのだ。それを理解させといて休憩。

休憩時間のロビーでのCD販売は黒山の人だかり。みんな感動しちゃってボビーやジョセフ・リンのCDを買う買う。感動の電話を家に入れている人もいた。

で、20分休憩後、「イタリア」である。
明るく豊かな旋律のこれはボビーが伝えたいことが実にわかりやすく入っている。あれ? 新日本フィルの演奏もずいぶん柔らかく楽しげになっている。ボビーのソロ・パフォーマンスを見て音楽の真髄を感じ、しかもリラックスしきって演奏している模様。いい!
第4楽章を終えた時は楽団員もニッコニコ。なんだか「のだめ」のSオケみたい。

熱狂のアンコールに応えて、ボビーが何か始めようとするが、オケはみな戸惑う。アンコールの曲など用意してない模様(特に今日は初日だし)。どうするのかな…。
彼はまず第2ヴァイオリンに対してトレモロをしろと指示。戸惑いつつ彼らが小刻みな演奏を始めると、急に後ろを振り向いて、他人事だと思っていた第1ヴァイオリンにも短いトレモロを指示(会場笑い)。で、ホーンセクションにも適当に指揮をつけ、会場を振り返って「チキチキチキチキ言え」と指示をして会場も歌わせ、全体がおもちゃ箱のようにぐじゃぐじゃになったところで大声でアリア調の声を出してサッと収束。ほんの1分ほどのパフォーマンスだが、またまた会場熱狂。

アンコール2曲目は、オケに向かって「ベートーベンNo.9は出来るか。最初のジャッジャンッ ジャッジャンッだけ」と英語で指示。オケは「えー、できると思うけど急に言わないでよ〜」と笑いつつ、急に指揮が始まったのでうわっと慌てて引き出す。でも1小節で指揮は収束。たった5秒。オケも含めて会場中爆笑。オケの人なんか楽しいのか感動したのか泣いている人もいた。

これでオケは引っ込み、会場も明るくなり、オシマイ、ということなのだが、観客は帰らない。拍手はなりやまず、足踏みまで出だした(日本では珍しい)。

で、ボビーが出てきてひとりでヴォイス・パフォーマンス。素晴らしい。んでもってまた会場熱狂。また出てきてパフォーマンス。素晴らしい。んでもってまた会場熱狂。3回目は通訳を従えて出てきて「んー、仕方ないから質疑応答タイムにするよー。何でも答えるから質問して」とボビー。観客はみな、席を離れてステージ前に立ち、ボビーを取り巻いていろんな質問をする。「指揮者としてオケにどんなアドバイスを?」「リラックスしろ、と。それが一番大事だ」 「ウォームアップはどのように?」「一日中歌ってるからウォームアップは必要ないんだ」 「一番好きな曲は?」「今日もやったけど『スマイル』が好きだね」……

音楽は楽しい。歌は楽しい。そして大勢で作るオケはもちろん楽しい。そして音楽が存在する生活も楽しい。始終歌えることが楽しい。どこにでも音が存在することが楽しい。ひいては「人生は楽しい」。
こんなこと、彼はこれっぽっちも言わなかったけど、びんびん伝わってきた。うん。実に楽しい。

終演後の観客たちの笑顔笑顔笑顔をここでお見せしたいくらい。
これだけ笑顔が溢れる終演後は経験がない。あ〜楽しかった。希有なるコンサートであった。

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JR東日本の発車メロディ

2008年01月25日(金) 12:08:09

ボクの一昨日の記事を見てボビー・マクファーリンに行ってくれた方数人からメール。どなたも感激してくださったみたいだ。でもやはり客の入りは悪かったそう。彼に申し訳ないなぁ。

おととい昨日と異様に寒く、駅のホームに立っているとまさに凍えるのだが、最近我が家で流行っているこのビデオを思い出して音の確認で気を紛らわしている。
JR東日本の発車メロディを次から次へと弾いていくライブ。もう有名なものなので知っている方もいるとは思うが、これに「鉄」であるツマがはまった。どの発車メロディがどの駅のものかを議論するだけで我が家は更けていく。まぁ模範解答ビデオも存在するんだけど。

山手線も北の方はよくわからないのだが(生活圏ではないから)、よく使う駅はだいたい特定できた。オリジナルを使っている駅も意外とある。というか秋葉原とかってこんなにオリジナル多かったっけ。聞いていたようで聞いていなかったな。こういう風に発車メロディを駅ごとに変えるのってなかなか楽しいしクリエイティブだと思うけど、海外ではほとんど聞いた経験がない。日本ならではの細やかさということか。

とか書きつつ、駅のホームの寒さが堪えたらしい。風邪気味。

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家族で「サウンド・オブ・ミュージック」

2008年01月26日(土) 23:03:50

ムスメは、学校の「音楽の時間」に授業として映画「サウンド・オブ・ミュージック」を毎回少しずつ観ているのだそうだ。

おお、それはいい授業だ。
まぁ本当は細切れに観て欲しくない映画なのだが、学校で友達と一緒に観る、という初体験もいいかな。名画座もほとんど消滅した今、こういう名画に触れる機会はどんどん減っているし。

で、授業で数回かけて前半まで見終わって、彼女もさすがに我慢が出来なくなったらしく「全部観てみたい!」と言い出した。ホイ来たソレ来たとばかりにDVDを取り出して家族で鑑賞。

あぁなんだか「あのころ夢見た未来」だなぁとか思う。
DVDとかLD(レーザーディスク)とかって、いつか家族と観れたらいいなぁとか目論んで買っている部分がある。そのうち子供とかと「サウンド・オブ・ミュージック」観るのかなぁ、とか、結婚のけの字もなかった20代に想像してLD買ったしな。DVDに買い直したのも、もちろん自分が何回も観たいのもあるけど、いつかムスメとかと観たい、と思っていたのだと思う。

まぁこういうメディアもそのうちなくなって、ネット配信で観るようになるとは思うけど。

「お父さんは何回観たことあるの?」と聞くから、正直に「100回くらい」と言ったら絶句していた。いや、これでも控えめに言ったんですが。

座右のシネマにも書いているとおり、ボクはこの映画で3回泣く。
家のリビングで観ると、画面が小さかったり(うちのTVは15インチ)、ツマが話しかけてきたり、犬が鳴いたり、レンジがチンッといったりして気が散るのが難だが、とはいえやはり名画である。あぁシャーミアン・カー。好き(笑)

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WIN・WINで行こう

2008年01月27日(日) 18:04:50

風邪になりきらない風邪気味状態。だるいままダラダラとベッド。
やらないといけないことが多いのだけど(更新とか連載原稿とか)、この週末はまったく出来なかった。まぁ11月の執筆地獄以来「本業の本」ってことで無闇矢鱈にナーバスになっていたから、そういう疲れも出ているのだろう。思ったより評判がいいので安心してドッと疲れが出たのかもしれない。特に若い人から評判がいいのがうれしい。それと広告業界以外の人からも。 そうだといいなぁと思って書いたので大変うれしい。

変化が必要、かつ、変化の真っ只中にある業種のことを「中から」書く場合、ちょっとストライク・ゾーンをはずすだけでバッシングの嵐になる可能性がある。それも急進派と守旧派の双方から。でも、双方にとってぎりぎりストライクであるゾーンが存在することは確か。その狭いゾーンを狙って、ベテランにも若者にも届くように超ポジティブな球を投げようと試みたのが今回の本「明日の広告」である。その狭いストライク・ゾーンは、でも、狭いからこそ普遍性もあり、広告業界以外の人にも伝わると思った(願った)。
ストライクがとれたかどうかはまだわからない。でも、これでストライクが取れなかったら潔く去ろうと決心して書き始めた。そりゃ緊張もするしナーバスにもなる。相当疲れた。燃え尽き系。

なぜわざわざ地雷を踏みに? と、ある人に聞かれた。
キレイゴトに聞こえるかもしれないけど、社内外問わず20代30代の元気な人たちがいまいち仕事を楽しんでいないように感じることが多くなってきたのが大きい。ここ数年、彼らの閉塞感を肌で感じることが多かったのだ。それと、広告業界を目指す若者が実際に減っている現実を目の当たりにしたということもある。広告をはじめとするコミュニケーションの仕事が若者の目に魅力的に映ってないのだ。それはきっといま業界の真ん中で働いている40代50代が魅力的かつ楽しそうに見えていないからだ。
そういうこともあって「いやいや実は楽しいんですけど」と我々の世代が発信しないといけないと思った。実際楽しいし(楽しくない人がいるとしたら、やり方を時代に合わせて変えていない人だと思う)。

んー…、文章にするとやっぱキレイゴトっぽいな(笑) そこまでご立派な使命感があったわけでもないか。
でも、なんつうか、現代の日本社会自体、若者の目にあまり魅力的に映っていないのは、いま社会の真ん中にいる40代50代がポジティブなメッセージを発していないせいもあるのではないか、とも思う(もしくは格好よく見えていない)。社会で働くつらさ・しんどさばかりが発信され、その楽しさ、豊かさ、広がり、刺激なんかがちゃんと発信されていない。そのくせ「若者よ夢を持て」「最近若者が大人しい」みたいな勝手を(上から目線で)言う。そりゃ酷だ。

いや、この時代、よくよく観察して過去の時代と比較すれば、人類有史以来トップクラスに楽しい時代だということがわかると思う。世界中のモノや娯楽や食べ物が揃い、コミュニケーションのやり方も楽しみ方も無限にある。チャンスもいろいろ用意されている。そりゃしんどい側面も増えてはいるが、見方を変えればかなり楽しく自由なのは確か。

ぜひご一緒に楽しみたいと思うし、若い人たちがもっと楽しめチカラを出せる環境を整えたいとも思う。
これはある程度ホンネ。だって彼らが楽しくいっぱい働いてくれたら、ボクらの世代もラクできる(笑)。WIN・WINですな。

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見ていられない

2008年01月28日(月) 7:59:22

昨日の大阪国際女子マラソン、30キロ付近まで独走していた福士加代子の失速は見ていられなかった。というか、見なかった。後続に追いつかれそうな雰囲気になった時点でツマと顔を見合わせ「テレビ消そうか」「うん、消そう」と。

うちでは、わりとこういうことが多い。
正月の箱根駅伝もそうだった。往路の順天堂とか、怖くて可愛そうで不憫で見ていられなかった。がんばっているんだから見届けてあげないと、と思いつつ、でも、見ていられない。年末のフィギュアも見ていられなかった。下手するとサッカーとかも途中で消したりする。

若いときは「ダメじゃんコイツ」と見捨てたり、「もっと練習しないからだよ」とか毒づいたりした。
自分のことは棚に上げて何でも強気に話せたのだ。でも、40代中盤くらいから(って、つい最近だが)そういうことが言えなくなってきた。裏でのがんばりや悩みや逡巡や夢やトキメキが読めてしまうからだ。目に見えないところに大切なものがあると肌感覚でわかってしまったからだ。もしくは相手の身になりすぎてしまうようになった。それだけいろんな経験を積んだとも言える。歳をとった、とも言える。

というか、スポーツだけでなく、物語でも見ていられなくなってきているな。
北方謙三の「水滸伝」も、楊志が死んだあたりでヤバくなり、文庫本9巻あたりからもう先が読めなくなってきている。もう誰にも死んで欲しくないのだ。死ぬのを見るくらいなら読むのをやめたい(笑)

んなこと思っていたつい先ほど、「ちりとてちん」がヤバくなった。
え〜! えぇ〜〜! 死んじゃうの〜? うぅ。見たくない。見るのやめるか…。

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緊急増刷!

2008年01月29日(火) 7:17:48

拙著「明日の広告」、緊急増刷決まりました。ありがとうございます。
いまちょうどアマゾンでも在庫なし(3~5週間以内に発送)、楽天では売り切れとなっているようですが、すぐ補充されると思われます。

本の奥付の発行日では1月25日になっているので(出版界の慣例的に、発行日より1〜2週間ほど前に書店に並ぶようです)、建前上は発行3日目に増刷(笑) ボク的にはもちろん新記録です。ありがとうございます。

こうやって「増刷!」とか書くと「印税がっぽがっぽでいいねぇ」と必ず友人とかに言われるんだけど、そんな世界ではありません。本の印税だけで食べていけるヒトなんて日本で数十人しかいないんじゃないかな。
この本は税抜き743円なので、印税は1割の74.3円。アナタが迷った末に一冊買ってくださって、ようやくボクに74.3円入ります。新書だと当初は1万部くらいしか刷りませんから、あれだけ苦労して書いても75万円程度なわけです(まぁお小遣いとしては充分ですが)。そのうち本でも書いて印税生活!とか夢を描いている方、なかなかシビアですよ…。

しかも出版直後は超ケチになる(笑)
アナタが迷った末に一冊買ってくださって入る74.3円を意識して、今生きています。750円の焼き魚定食を食べるのに10人もの方にあの本を買っていただかないといけないんだよ! もったいなくて食べられない!
※そこらへんのことは、ずいぶん前(1998年!)に書いたこのコラムをお読みください。

昨晩は家族が家でお祝いをしてくれました。
ルロワの「Monthelie 1er Cru」の2000を開けました。ツマがフランスのルロワを訪れた時に買ったもの。ええ、これは昔買ったワインなので超ケチとしてもオッケーです。

それはともかく、「広告の専門書っぽくて難しそう!」と思われている方でも大丈夫っぽいので(いろんな感想を読むとまったく大丈夫らしい。というか、このさなメモと同じ口調で書いているし、横文字もあんまり出てきません)、もしよろしかったら書店でさわりだけでも読んでみてください。

ついでなので、いくつかいい感想を書いてくださったブログにリンクさせていただこうかと思ったけど、妙に褒めすぎていただいているのが多く、照れるのでまたの機会に。アマゾンのカスタマーレビューbk1の書評だけリンクしておきます。

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岩田守弘ブログ、始まる

2008年01月30日(水) 12:04:34

待望の岩田守弘ブログ(正確には「岩田守弘オフィシャルファンブログ」)が始まった。
岩田さんはここでも何度も紹介しているが、ロシアのボリショイバレエ団の第一ソリスト。東洋人唯一のソリストで、ボクの尊敬する大切な親友でもある。

あの東洋差別の厳しい国で(まぁ最近は日本ブームらしいけど)、ずっと孤独にがんばっている人だ。
まだソ連の時代にロシアのバレエ学校に留学し、ソ連崩壊を目の当たりにし、ボリショイバレエ団に入って13年。日本のメディアからも特には注目されない「本当のアウェイ」で、ずっと第一線で闘ってきた人。

モスクワでボリショイバレエを観たことがあるが(一週間ぶっ続けで毎晩)、当たり前のことのようだが、舞台上で彼だけが東洋顔である。彼だけが東洋体型でもある。普通ならわざわざそんな人をキャスティングしなくてもよい。でも、彼はダントツの表現力で有無を言わせない。踊りの安定感、ジャンプの高さ、回転の精度、豊かな感情表現など、贔屓目なしで他を圧して一番だった。客もそれを知っていて彼が出てくると拍手喝采。客席で観ていて日本人であることを誇らしく思い、思わず泣きそうになった。

4年に1回しか開かれないモスクワ国際バレエコンクールで1位金賞を受賞したのも画期的。実力だけでロシア人に自分を認めさせ、第一ソリストまで上り詰め、長くその地位をキープしている。その裏にある努力と決意と孤独と不安を思うだけで、ちょっと目頭が熱くなる。でも、いまではロシア人からこよなく愛されている存在だ。先駆者で開拓者で、しかも長く第一線の現役。もっともっと日本人に知られてもいい人である。

彼のコトバで好きなものはいろいろあるが、一番好きなのはコレ。

「世界中の35歳の中で僕ほど努力したものはいないと胸を張って言えるんだ」

ここまで明朗に堂々と胸を張れるような生き方をボクはしているだろうか。
まぁ実物の彼を知らないと、ちょっと嫌みに聞こえてしまう部分もあるかもしれないが、彼は信じられないくらい素直でまっすぐだ。邪気なく前向きにこういうコトバを言える人。ボクは彼のそういうところを特に尊敬している。

ま、それはそれとして、ロシアはモスクワ、ボリショイバレエ団の第一線の現場からの日常ブログ。滅多に読めない読み物である。彼のことだから、素直で等身大の日常が届くことだろう。これから毎日楽しみだ。ネット時代って本当にありがたいね。

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去年の今日のシビレ

2008年01月31日(木) 7:03:51

1月31日。中学受験本番「前日」だ。

去年の今日なんか「もうこうなったらジタバタしても仕方ない。でも風邪だけはひかせてなるものか」と、ムスメの体調管理、そしてムスメにうつさないように親の体調管理も相当神経質だった。ちょっとした人混みを歩くにも「あのオジサンがインフルエンザじゃないか」「あのおねぇさんは風邪気味ではないか」と、他人をウィルス扱いして避けて歩く。健康なのにマスクで完全防備。でも数年かけて勉強してきたのに本番の風邪でおじゃんになっちゃったら可哀想すぎるし。

去年の受験前、「キットカット・タクシー」に偶然乗り合わせた女性と、これまた偶然、昨日の帰りの電車で一緒になった。ほとんど一年ぶりに話す。

「あれ〜?」「あぁ、どうも!」「一年ぶりですね」「そうですね〜」「そういえばあれから一年経ちましたねぇ」「経ちましたねぇ」「去年の今日とか大変でしたよね」「いやぁ、大変だったぁ…」

ここでふたりで黙り込む。感慨と緊張感に浸っているのだ(笑)

喉元は過ぎてしまった我々だが、少し想像力を駆使すれば、身体ごとタイムマシンに乗ってあのときのシビレるような緊張感にリアルに戻れる。これはこれで経験値の獲得だなぁとか思いつつ、電車の中でいい歳した男女がふたりでシビレているってどうよ。何かのプレイか。

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