2007年11月 アーカイブ

歌うたいのバラッド

2007年11月11日(日) 12:00:03

食事を一緒にした人に斉藤和義の「歌うたいのバラッド」が良いと聞いた。
斉藤和義は「歩いて帰ろう」がとても好きで一時期はボクのテーマソングであったくらいなのだが、なぜか「歌うたいのバラッド」は知らず、iTunesで早速買ってヘビーローテーション。

iTunes Music Storeではなぜか日本の曲を買うことが多い。
基本的に曲はRAW DATA(アップルロスレス)でハードディスクに入れておくので、MP3のiTunesは試聴気分で買う。だからわりと手軽にちょくちょく買う。最近買ったなかで良く聴いているのは「1/6の夢旅人2002」(樋口了一)(←「水曜どうでしょう」のテーマですな)、「ここにいるよ feat.青山テルマ」(SoulJa)、「Water Me」(BONNIE PINK)、そして、一十三十一(ひとみとい)やらスガシカオやら山下久美子やら越路吹雪(なぜ!)やらのアルバム。もしくはその中の一曲。

そういえば、イーグルスの28年ぶりの新譜(ライブ除く)が出ているけど、曲タイトルの邦訳がひどすぎて笑う。というか情けなくて泣ける。特にこれ。「Center of the Universe」が「宇宙の中心で愛を叫ぶ」だって。頼む。もう少しリスペクトしてくれ。というかもう邦訳はなくてもいい時代ではないか?

自分の中が拡張されるような感覚

2007年11月12日(月) 7:27:16

第一回脱稿した原稿、金土日と3日間触れずに過ごした。
入り込みすぎていて良いのか悪いのかわからなくなっているから少し離れるのはイイコトだ。視野狭窄に陥っていたしな。その間、何人かの先輩・後輩に原稿を読んでもらっている。本を出す前に他人に読んでもらうことは滅多にないのだが、本業の本なのでいろんな職種の人に読んでもらって、よりわかりやすくしたいと思う。

一方11月は、少し本を読んでいる人に話すと「えええええ!」と叫ばれるような仕事を受けてしまっていて、その〆切が月末にある。ある文庫本の巻末解説。その文庫の著者が…。嗚呼…。視野狭窄どころか思考停止だ。いつ、どんなタイミングとテンションでロケット噴射して書くか、それにかかっている。量的にはたぶん一日で書けるんだけど、そのキッカケというかロケット噴射タイミングを探すのに三週間は丸々かかる感じ。読み込まないといけないし。つか、あとたった三週間の間に「その日」が来るのかどうか。来なかったらどうしよう…。すでに冷や汗。

でも、負荷がきつい原稿を続けている余録もある。
他の原稿が楽に思えるのだ。以前「きっついなぁ」と感じていた原稿が「こんなのサッとやっちゃおう」と変わってくるのが面白い。自分の中が拡張されるようなこの感覚はいくつになってもなかなか楽しい。そうやって自分拡張するために「えええええ!」と叫ばれるような仕事を受けた部分は確かにある。でもやっぱり後悔。ヤバいったらない。

村田靖夫さんのこと

2007年11月13日(火) 7:30:44

建築家の村田靖夫さんが亡くなった。
まだ62歳。なんともったいないことか。そしてとても悔しい。というのも、いま住んでいる家を設計してくれた方なのである。

あれはもう10年近く前かな。先祖からの小さな土地に二世帯を建てるとき、ボクは「新建築住宅特集」などの雑誌を数年分見まくって「住みたい家」を探した。いくつか「いいなぁ」と思える家が見つかった。逆に言うといくつかしかなかった。そしてそのほとんどが村田靖夫さんのものだったのである。

彼の建築はシンプルで飽きが来なくて余計なことをしない。いかにも「作品」って感じの家ではなく、どこか謙虚な作りの家なのだ。しかも中庭のあるコートハウスを得意としており、都会型のプライバシーが確保される。とても好みだった。

私は風

2007年11月14日(水) 8:21:42

昔ボクを担当してくれて、いまは週刊誌の現場に異動したふたりと、3人で鮨。
ひとりは「沖縄上手な旅ごはん」の単行本を一緒に作ったYくん。もうひとりはそれを引き継いで文庫化してくれたNくん。10歳以上若いふたりなのだけど、もうつきあいも長いので超気楽。週刊誌の大変さをいろいろ聞きながらサクサクと食べる。

週刊誌記者として他人を厚かましく取材しなくちゃいけなくて、他人の家のベルとか押しに行かなくちゃいけないんだけど、そのときにiPodで「ロッキーのテーマ」を聴いてから行く、とYくん。
ベタすぎる選曲だ〜と責めてるうちに、いつの間にか「自分がライブを開くとしたらどういうセットリストか」という話に移行。YくんもNくんも熱心なロック・ファンでその造詣は相当深い。そのわりに1曲目はわりとベーシックで、Nくんは「ハイウェイスターから行きますね」、Yくんは「マシンヘッドですよ」。ディープ・パープルなのね、やっぱし。

かく言うボクはやっぱ「デトロイト・ロック・シティ」からだなぁ。ゆずれんなコレは。その後、2曲目はなんだ、3曲目はなんだ、アンコール前のラストはなんだ、アンコールはなんだ、と盛り上がる。
じゃ、日本の曲でライブするならなんだ、となり、達郎はどうだ、パーソンズはどうだ、斉藤和義はどうだ、やっぱカルメン・マキ&OZの「私は風」は外せないだろう、とか叫んでいるうちに、なぜか中森明菜は「スローモーション」が最高だという思いも寄らぬ大団円を迎え、お開き。典型的な酔っぱらいの展開ですな。

オプーナ

2007年11月15日(木) 8:24:13

習慣を作るためにも毎日デスクに向かって書き物をするようにしているが、体調も精神状態もあまりよろしくない。よろしくなくても何とか書けるものなのだな、ということがわかったのは収穫であるが。

こういうときは冬ものファッションの買い物でもして発散すると良いのだが、歯の治療が思わぬ大出費となり、その案は却下。今度の本の印税をアテにしていたのに、その半分以上が歯に持って行かれる事態に。まぁ娘の歯の矯正の出費ほどではないけど、それにしても今年は歯にお金が取られる年だ。きつい。そろそろマックの買い換えをしたいのだけど(Leopardも出たし)、今年はお預けかな…。せめて30インチのディスプレイを買いたいな…。新しいシネマディスプレイは出ないのかな…。

発散といえば、ゲームは買った。Wiiの「オプーナ」というRPG。執筆中ずっとゲームがしたかったので(書いている最中ってゲーム欲が異様に高まる)、執筆終了後すぐ買いに行った。買いに行く寸前に「なんか面白そうなゲームはないか」と検索したらコレが評判よかったので。つか、なんでも良かったのだ。
最初はキャラがあんまりだなぁと思っていたが、慣れてくるとわりと可愛い。まだ十時間くらいしかやっていないが、なかなかよく出来たRPGかも。

が〜まるちょば

2007年11月16日(金) 8:46:23

サイレント・コメディの「がーまるちょば」を観た。@笹塚ファクトリー

メールでお勧めいただいて観に行ったのだが、いや〜観てよかった。名古屋のOさん、ありがとう。
エジンバラ大道芸フェスティバルで優勝し、いまや日本より世界で有名な2人組。ほとんど日本におらず、世界で引っ張りだこのふたりである。

内容はパントマイムをコメディ系の演劇まで高めたもの。約2時間、ひと言もしゃべらないのだが、実に笑わせてくれる。だから外国人のお客さんも多かった。YouTubeにもたくさんあるが、たとえばこんなの。こういう一芸系が前半。後半は無声演劇になっていて、これまたよく出来ている。というか大笑いできる。昨晩はウェスタンの物語で、ふたりは次々と役柄を変え、長いガンマンの復讐劇を演じきる。お笑いメインで。

ひとりで良かった

2007年11月17日(土) 9:54:45

冬の匂いがする!
と、言いながら、朝早く妻と娘が出かけて行った。妻の友達たちと足利の方に遊びに行った。なんでお前は行かないのかって? 女性ばかりの団体に混じる勇気がないのと、文庫解説の難行にいよいよ挑むからである。例の本の推敲もあるし、今日は遊んでいる場合ではない。丸一日デスク前の予定。

でも、家にひとり残って良かった。
というのも、今朝のNHK朝ドラ「ちりとてちん」に大泣きしてしまったのだ。師匠(渡瀬恒彦)復活のシーン。うぅ。泣ける。和久井映見もいいけど渡瀬恒彦もええなぁ。
こんな姿、家族に見せたくないし、家族がいると見栄張ってしまって思う存分泣けないのもイヤである。あぁひとりで良かった。

それにしても、たった15分の朝ドラに泣かされてしまうとは不覚。朝ドラで泣いたのはいつぶりか(前にもあるんか!)。大阪NHK(BK)は制作部の人数も少なく、いろいろ大変みたいだけど、たまに秀逸なドラマを作ってくれるから応援している。

潜在意識の底に沈める

2007年11月18日(日) 11:24:38

11月17日の「ちりとてちん」、私も泣きました!というメールをいくつもいただいた。泣くよねぇ。BS2、NHK総合、昼の再放送と3回も観てしまった。脚本の藤本有紀にはこれから注目しよう。「花より男子」や「ギャルサー」なんかも彼女の作品だったらしい。観れば良かった。

昨日は文庫解説執筆のためほぼ一日デスクに向かっていたのだが、なんだか書き出しがしっくりこず、さんざんいじくって悩んだあげく結局成果なし。こんなことなら本の推敲の方をすれば良かったな。
でもこうやって長時間悩む作業って大事で、潜在意識の奥底にその悩みが沈み、全く関係ないときにひょこっとアイデアが出たりする。広告でいい企画が出るときもたいていそう。一回は深く長時間考えないと潜在意識の底に沈まない。そうしないといいアイデアと結びつかないのだ。って、まぁ、そういう状態になりさえすれば必ずいいアイデアが出ると決まっているわけではないのが困るところであるが。

でも、今朝目が覚めるとき、書き出しについて考えながら目が覚めたから、これはいい兆候だ。もう奥底には沈んだ模様。この調子ならあと二三日で目途がつくかも。と、楽観的に期待しておこう。〆切までに三連休もあるしね。

乾電池のがんばり

2007年11月19日(月) 8:05:37

もう交代させるよ、と脅すと機械の寿命が延びるのはよくあることだが(そうなのか?)、昨日の乾電池は見事だった。

電池で動くワイヤレス・マウスを使っているのだが、昼前に急に動かなくなった。電池切れだ。動かないときに押すスイッチというのがあるのだが、それを押すと数分持つ。そしてまた動かなくなる。また押す。数分持つ。また動かなくなる。まぁ経験上あと数回これを繰り返すと完全にご臨終となる。とりあえずギリギリまで使おうと思って、新品の単三電池を引き出しから持ってきて、いつでも替えられるように準備した。たまたまご臨終のときに原稿書きの勢いがあったらイヤなので(取り替えに席を立つと勢いが途切れることがある)、先に準備してから原稿書きを再開したのである。

その後の彼のがんばりが実に見事だった。意識のどこかで「そろそろスイッチ押す頃かなぁ」とか思いながら書いていくのだが、全然スイッチ押さずに持つ。すぐ横に新品の単三電池があるせいかどうか知らんが、スイッチを押さないままで、なんと夜まで10時間以上持った。というか、翌朝の今でも動いている。いったいなんなんだ?

ミシュラン東京

2007年11月20日(火) 12:41:03

ミシュラン東京の星が発表されて、「どう思う?」と何人かに聞かれたが、実はあんまり興味がない。そういうガイドを興味津々で見た若い時期を越え、最近はほとんど見なくなって久しい。それに三つ星と二つ星をとった店のリストをざっと見たところ、あまりピンと来なかったので、たぶんボク向きのガイドではないと思うし。

NYの友人が「NYではミシュランを読んで店を決める人はいない。NewYork Timesのレストラン評が一番信頼されているし、影響力もある」と言うのを聞き、ボクも詳細にミシュランNYを見直してみたのだが、やっぱりボク向きではないなと思ったのを覚えている。そういう意味ではミシュランは一貫性が感じられるいいガイドだ。一貫してボクには向かない。逆にしっくり来る人には実に頼りになるガイドだろう。

まぁ日本人はああいう権威に弱いから、合う合わないは別にしてリストアップされた店は一気に流行ると思うが、結局「自分の嗜好に近いガイドや人」を見つけて、そっちを信じた方がお金の無駄使いをしなくて済むと思う。ボクには何人か嗜好が近くて信頼している人やブログがあるが、これからもミシュランの星より彼らの言葉を信じると思う。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。