2007年5月 アーカイブ

アイン・ランド!

2007年5月11日(金) 6:57:29

アイン・ランドの「水源」が強烈に面白い。
二段組み1000ページという驚異的に分厚い本。数年前にメールで強く勧められて買うには買ったが(5000円!)、ボクもその分厚さにびびって買ってから数年おきっぱなしだったのだ。が、いざ読みはじめたら止まらない。止まらないというか、衝撃を受けることばかり。実はまだ半分しか読んでないのだが、すでに呆然としている。こりゃすごい。

アメリカでは1943年に発売された古典で、累計700万部超。「アメリカの一般読者が選んだ20世紀の小説ベスト100」の第2位にランクされているらしい。著者のアイン・ランド(女性)に魅入られた人のことを「ランディアン」とか「ランドロイド」とか呼ぶと言う。どうしていままで邦訳されなかったのか不思議すぎる本。日本初訳が2004年だ。この本に古典特有の(源氏物語的な)とっつきにくさがあるのならわかるが、とっつきにくさはほとんどなく、古さも全く感じさせない。ストーリーは手に汗握るし、主題も普遍的で瑞々しい。どうしてこんなに長く翻訳されなかったの?

まだ半分しか読んでないくせに熱く語るのも変なのでこの辺にしておくが、はっきり言って「20代で読みたかった」。ロマン・ロランを読まずして何の20代か、と言うのと同じ意味で、アイン・ランドも人間の精神が出来上がる時期にじっくり向き合っておくべき作家である。まぁ、でも、贅沢は言わない。生きているうちに読めてラッキーだ。ありがとう。そんな気持ち。あぁ続きがまだ400ページもあると思うだけでほんわか幸せな気分になる。読み終わりたくないなぁ。

武蔵小山「イリッサ」

2007年5月12日(土) 19:12:08

武蔵小山の「イリッサ」に行った。チュニジア料理店。

駅前ながらも場末っぽい飲屋街にポツンとある、手作り感漂う小さな小さなレストランで、チュニジアから来日したメリティーさんという若い女性がひとりで切り盛りしている。味もたいへん良かったが(原宿「ハンニバル・デュー」より上かも)、なによりもこのメリティーさんがいい。彼女のお人柄と夢と愛情が店の中に溢れている。料理をいただきながら、なんだか胸が熱くなった。

2004年の浜名湖花博にはチュニジア・ブースがあり、そこで料理を作るシェフを決めるためにチュニジアで料理コンテストがあったらしい。結果それはとても倍率が高いコンテストになり、100人以上の候補者が集まったという。メリティーさんはその高倍率を見事勝ち抜いて来日し、そこで料理を作り続けた後、原宿の「ハンニバル・デュー」でシェフを務め、昨年末に独立してこの店を開いたのである。腕も確かだが、なんというか、遠き異国でたったひとり、チャレンジを繰り返して着実に一歩ずつ夢を実現していっている姿に感動する。

Frankie Valli & The Four Seasons

2007年5月13日(日) 9:22:22

5月末のNY行きが近づいてきて、ブロードウェイのチケット取りなど最高潮。

去年のトニー賞ミュージカル作品賞をとった「JERSEY BOYS」のチケットが取れたので、フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズを予習のために順を追って聴いている。聴いているのは「In Season: The Frankie Valli and the 4 Seasons Anthology」。ベスト盤ではこれが一番まとまっている。

「JERSEY BOYS」はフォー・シーズンズの歴史を追ったミュージカルで、いわゆる "ジュークボックス・ミュージカル" と呼ばれるジャンル。まぁ「マンマ・ミーア!」や「ムーヴィン・アウト」みたいに "ストーリーと関係なく特定アーチストのヒット曲を多数使用する" ものではなく、フォー・シーズンズのヒット曲を使いながらフォー・シーズンズの結成から今日に至るまでを追っていくので厳密にはジュークボックス・ミュージカルとは言えないのだけど、いずれにしてもヒット曲を熟知しているかいないかで当日の楽しさが激変するのは確か。客席は大盛り上がりになるらしいし。

人形浄瑠璃 文楽「通し狂言 絵本太功記」

2007年5月14日(月) 7:50:01

年末にやった講演の関係でお知り合いになったある先輩の有り難いお誘いを受けて、夫婦で人形浄瑠璃 文楽「通し狂言 絵本太功記」の第二部を観てきた(於:国立小劇場)。

観たのは「六月七日 杉の森の段」「六月九日 瓜献上の段」「六月十日 夕顔棚の段・尼ヶ崎の段」「大詰 大徳寺焼香の段」の計五段。
太功記(太閤記)と言いつつ主人公はほとんど光秀で、本能寺の変の前の日を六月一日として、六月十三日まで基本的に一日一段で、光秀が秀吉に討たれるまでを描いている。昨日観た十段目の「尼ヶ崎の段」は、俗に「太十(たいじゅう)」と呼ばれているらしい。太功記の十段、ね。「絵本太功記」といえばこの十段目を指すほど有名な段らしい。

実はちゃんと文楽を観るのは初めて。
いきなり4時間半の長丁場なんて「ムリ!確実に寝る!」と思い込んでいた。

蛇に噛まれた人

2007年5月15日(火) 12:21:06

友人と有楽町のスタバでアイスラテ飲んでたら娘からケータイに電話。

「お母さんが蛇に噛まれたの」

一瞬、アレ?ここドコだっけ?と混乱しつつ、なぜか川上弘美を思い出したりしつつ。蛇っていう単語があまりに突然なので絵がうまく浮かんでこない。ヘビ、というカタカナしか浮かんでこない。ヘビ。蛇。ヘビねぇ。んでもって「で?」と冷静に聞いてしまう。で?って。つか、いったい東京の真ん中でどうやったら蛇に?

優しすぎるほど優しい味

2007年5月16日(水) 12:20:41

昨晩は信頼する後輩と優しい優しいベトナム料理。
いやー本当に優しい味だった。とんがったところがひとつもない。こういうのもいいなぁ。ボク的には、エスニックに「辛みや酸っぱみで元気をもらおう」とするところがあるんだけど、優しすぎるほど優しくてこんなに元気をもらったのは初めてかも。料理を作ってくれるベトナム人のお母さんも案の定優しい笑顔。笑顔がそのまんま料理に反映されたような料理だった。生活圏からはちょっと遠くにある店なんだけど、定期的に来てみたい店。

昨日書いた蛇話で、その後大丈夫だったかどうかに言及しなかったので、神戸の義父から心配の電話。すいませんすいません。ええ、大丈夫です、あなたの娘さん。昨晩も親友と飲みに行ってましたから。
というか「かわい〜と蛇に寄っていくところに衝撃をうけました」というメールも。ボクも衝撃をうけました。いったいどこがかわいいんだ?と聞いたら「あの手触りがかわい〜」と。不思議なる闇、身近にこそあり。

アイン・ランド著「水源」読了

2007年5月17日(木) 5:36:59

二段組み1000ページの大部、アイン・ランド著「水源」読了。
前に書いたように、この本は1943年発表の古典であり、アメリカで700万部超売れているという大ロングセラーである。「アメリカの一般読者が選んだ20世紀の小説ベスト100」の第2位でもある(1998年ランダムハウス/モダンライブラリー発表。ちなみに1位は同じくアイン・ランド著の「肩をすくめるアトラス」だそうだ)。なのに2004年本邦初訳という不思議な本でもある。

舞台はニューヨーク。モチーフは建築。
このモチーフは構造物としての音楽や文学や絵画にも置き換えられるし、フランク・ロイド・ライトをモデルにしたといわれる天才建築家の主人公ハワード・ロークもイエス・キリスト的普遍性を持つ。

実際は3日前に読み終わっていた。でもまだ頭が整理できなくて…。いまでも興奮さめやらず、ベッドサイドに置いてパラパラ読み返したりしている。あれ?ド頭のロークはどうだったっけ? この辺のドミニクはどうだったっけ? ゲイルはあそこではどう表現されてたっけ? とか、いろいろ振り返りたくなるのだ。

二段組み1263ページ

2007年5月18日(金) 7:32:23

「水源」の根っこの部分に強い感動を覚えたボクは、当然のようにアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」をアマゾンで注文したのだが、昨日届いたそれは「水源」以上の分厚さ。二段組みの1263ページ。うわぁ。

でも、1998年のランダムハウス/モダンライブラリー発表では「アメリカの一般読者が選んだ20世紀の小説ベスト100の第1位」だし、1991年の米国国会図書館の調査では「聖書に次いでアメリカ人が人生で最も影響を受けた本」であるという。聖書に次いで、ってスゴイよねぇ。そんな本の初邦訳が「水源」と同じく2004年とは。なんでこんなにアイン・ランドの紹介が日本では遅れたのかな。

※1998年ランダムハウス/モダンライブラリーの発表に関しては怪しい部分もあるかもです。

ご注意

2007年5月18日(金) 12:27:28

アイン・ランドの「水源」と「肩をすくめるアトラス」に関して、1998年のランダムハウス/モダンライブラリー発表の「アメリカの一般読者が選んだ20世紀の小説ベスト100」、第1位(「肩をすくめるアトラス」)、第2位(「水源」)とのデータを引用してますが、これ自体は事実なものの、少し疑わしい部分もあるかも、とのご指摘をメールでいただきました。

ボクは本の解説や帯からそのまま引用したのですが、データ元はココ
ランダムハウス/モダンライブラリーの委員会が公式に選定したリストにランドの著書はリストアップされておらず、読者投票ではいきなり1,2,7,8位に4冊がランクインしているのです。
ランディアンとかランドロイドと呼ばれるカルト的ファンがいるアイン・ランドであるので、これは一種の集団投票かもしれません。メールを引用すると「報道された(委員会メンバーの)リストを見て『なぜここにランドが入ってない!』と激昂してお友だちに呼びかけ…といった反響もあったかもしれないですしね」とのこと。その可能性もありますね。あまりに不自然だし。というか、インテリの集まりであろう委員会にはランドは相手にされていない、ということですね。

ということで、この引用データが怪しい可能性があることをお知らせしておきます(繰り返しますがデータ自体は事実です)。
また、アメリカの基礎教養と書きましたが、これも怪しいかもなので、訂正しておきます。まぁ700万部(本の帯より)は事実だと思うので(いまアマゾンで調べたら500万部と書いてあった。どうなんだろう?)、異様な数売れていることは確かですが。

BMグラサン効果持続中

2007年5月19日(土) 19:28:38

人間ドックに行ってきた。
体重は79kgを切り、過去数年間では最低レベル。体脂肪も19.4で快調。

別に何も特別なことはやっていない。相変わらずゆるーく、自己開発の「BMグラサン・ダイエット」を続けているだけ。実質的には「朝いちに体重計に乗ってグラフをつけている」「BMに気を配っている」だけである。食事量は減らしていない。一時期よりも自転車通勤やプールに通う回数が減っているので筋肉は落ち、お腹の贅肉は意外とあるのだが、体重だけはキープもしくは下げ傾向。やっぱグラフつけが偉大なのかも。

前日の夜からの絶食でお腹が減り、人間ドック後、近くの「刺身の量が多いことで知られる店」に昼飯を食べに。
確かに量は多くてお得感があるのだが、料理人がタバコを頻繁に吸う。そのうえ数分おきにカーーッと痰を切る。ありえなくね? すっかり気分が悪くなった。絶食後の貴重な昼飯を返せ〜〜! 流行っている店なんだけど、あんまりだなぁ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。