2007年3月 アーカイブ

のだめオーケストラ・コンサート

2007年3月 1日(木) 7:48:45

昨日は日経で講演。
お題は「クロスメディア時代のクリエーティブ」。副題を「消費者が変わった。広告も変わらないと」とつけて、140ページにまで膨れあがった講演用パワーポイントを90分で説明しきる。1ページ平均38秒(笑)。ま、演出上1ページ1行とかも多いのでそこまでではないけど、動画もいっぱい交えながらだったから相当駆け足ではあった。聞く方も疲れたと思うけど、話す方も疲れたー。でもコレさえ聞けばここ数年の動向はほとんどわかる仕組みにはしたつもり。たぶん。

で、疲れ切った後、その足で有楽町の国際フォーラム・ホールAで開かれた「のだめオーケストラ・コンサート」へ家族で行ってきた。これも受験お疲れさんの一環。娘がずっと楽しみにしてきたものである。

出足良くチケット購入したせいで、1階の前から3列目。ただし舞台に向かって右端。
このホール、なんと5000人入るホールで、クラシックとしては音響に無理がある。だからだろう、PA(舞台用スピーカー)が入っているのだ。オケの生音を増幅して聴かせているわけ。席は右端。スピーカー前。つまり、左耳からオケの生音が聞こえ、右耳からPAのブーミーな音が聞こえる。定位も生の良さもあったもんではない。ちょっと車酔いに近い感覚すらあった。ううむ。

ゴードンのティンキャップ

2007年3月 2日(金) 9:00:22

去年やった講演でお知り合いになったクライアントとのご飯のあと、ひとりで「テンダリー」へ。久しぶりだ。

宮崎さんに「なんかウンダーベルク系で」とお願いした。
札幌の「バー山崎」(切り絵をしてくれるとこだ!)のオリジナル「フライハイト」を作っていただく。スロージンも好きなので大満足。そういえば「バー山崎」の出身で湯島の「EST!」の息子さんがやっている「アトリウム」が新しく移転したので先々週に行ったなぁ、とか思いながらゆっくり飲んだ。

一杯でサッと帰ろうと思ったボクに、宮崎さんがニコニコ寄ってきて悪魔の言葉。
なんとティンキャップの「ゴードン」が手に入ったという。んー正確には知らないけど1950年代? それはすごいなぁ。ではもう一杯、と居座る。オールド・タイプの「ゴードン」は本当においしいし。

池田晶子死去

2007年3月 3日(土) 8:55:12

死んで去る。か。
まいったな。ちょっと取り乱し気味。2月23日。46歳。腎臓ガン。

池田晶子の著作を初めて読んだのは、たぶん1992年。「事象そのものへ!」であったと思う。会社のとある上司に「読め」と紹介されたのだ。ちなみにその時もう一冊紹介されたのが池田清彦の「昆虫のパンセ」だったから、相当ハイブロウな上司である(中村さんだった。下の名前が思い出せない…)。

で、その後「メタフィジカ!」「帰ってきたソクラテス」あたりを読んで、それ以降ボクの中ではお馴染みさんになった。1996年以降に読んだのはこんな感じ。最近3年間に読んだ本はまだ感想を書いていないが。

半袖で天を仰ぐ

2007年3月 4日(日) 17:46:36

昨日は池田晶子ショックでふて寝。こういう感覚は久しぶり。須賀敦子とか向田邦子とか高野悦子の時に近い感じ。彼女が生きていることを理由に「存在」に目をそらして生きていたかも、とちょっと思った。ボクが考えなくても池田晶子が日本のどこかで考えていると思えばなんとなく許されるような、そんな不思議な勝手感覚がどこかにあった。全然違うのはわかってるけど。でも。

娘の響子が「池田晶子さんのことは残念だけど仕方ないよ」と寝室に慰めにきてくれたりして(笑)、ズルズルと夜に起き出し、家族で映画「サマータイムマシンブルース」をDVD鑑賞。
公開時から評判が良く、「これは観なくては」と思っていながら見逃していた映画。こんな落ち込んだ日にはちょうどいいかも。娘的には「のだめ(上野樹里)と峰(瑛太)が出る」というのがツボ。
上野樹里が出る映画は面白いのが多いのだが、ちょっと前に観た映画「笑う大天使(ミカエル)」で大ハズシしたので同じ感じだったらヤだなぁと不安げに観た。冒頭が「笑う大天使」ちっくな不思議感覚だったので「ヤバッ」と家族で顔を見合わせる。でも中盤からどんどん盛り上がっていき、終わったら「面白かった〜」と大好評。とてもいい青春映画に仕上がっているなぁ。好きかも。

で、今日。
さすがに池田晶子ショックからは立ち直り、あまりに暖かい日だったので、半袖Tシャツ1枚で外出。
でもまぁ考えたらまだ3月頭。小学生とかに半袖クンもいたけど、さすがに大人では皆無。図らずも街で注目の的(笑)。車の中から指とかさされたし。すげーイチビリに思われたかも。

バブルへGO!

2007年3月 5日(月) 17:33:50

先日、題名の秀逸さに惹かれて映画「バブルへGO!」を観てきた。「タイムマシンはドラム式」っていう副題もいいしなぁ。なんといってもホイチョイだし。

んー、なんつうか、いい意味でゆるい映画だった。
いや、ボクみたいな「ホイチョイ好き」にとっては「いい意味」だけど、そうでない人にとっては「悪い意味」かも。着眼点はいいのだけど、演出がゆるすぎる(いや、脚本かな)。テンポも悪すぎる。「私をスキーに連れてって」に通じるゆるさなので、ホイチョイ好きはなんとなく好意的になっちゃうんだけど、ジェットコースターみたいな映画が多い今現在ではやっぱちょっと厳しいかも…。

1990年。ボクは入社5年目。「あぁあったよなぁ〜」と唸らせる懐かしい風景がいっぱい出て来て、そこはそれなりに凝ってくれているのだけど、小技ももっともっと入れて欲しかったし、懐かしグッズもまだまだ足りないし、テンポは数倍あげて欲しかったし、全体的に不完全燃焼だったかも。惜しいなぁ。何十倍も面白くなると思うんだけどなぁ。

黄色い万年筆

2007年3月 6日(火) 12:56:59

今日は娘の誕生日にして、夫婦の結婚記念日でもある日。

誕生日プレゼントは何がいい? と聞いたら「万年筆!」と渋いことを言うので、鳩居堂へ行って買ってきた。分相応のもの。入門編で充分だ。何に使うか聞いたら、これで日記を書くと言う。ふーん。

入学祝いはやっぱ辞書とかかなぁ。デジタルな両親の影響で調べ物にはGoogleとかWikiとかを多用している彼女だが(それはそれで時代の流れなので許容している)、紙の辞書の良さはまた格別。いろいろ調べて、いい辞書をセレクトしてあげよう。

Wii、すごい!

2007年3月 7日(水) 8:15:45

ゼルダもWiiスポーツなどのソフトもすごいと思ったけど、昨日初めてWiiをネットに接続してみて、そのすごさにもう一度驚いた。リモコンを使ったゲーム性の新しさだけじゃなかった。

まず接続の設定がないのに感動。マック以上に簡単(というかWINが難しすぎ)。設定を初めて数秒で無線LANに繋がって、あっという間にお天気やニュースなんかのサービスが受けられた。お天気はインターフェースも見やすく素晴らしい。住んでる地域だけでなく、地球儀とか掴んでグルグル回しながら世界の天気を知れる。いいなぁ。

ニュースも感動した。わかりやすいインターフェースでニュース記事が読めるのだけど、そこでの文字拡大縮小の動作がすごい。こう来たか…。素晴らしい。これもマックっぽい。使う側のことを考えて、ちょっとエンタテインメントが入れてある。そういえば、任天堂ってアップルと思想が似てるかも。

似た波、違う波、思ってもみなかった波

2007年3月 8日(木) 8:34:00

今読んでいるよしもとばななの「チエちゃんと私」の中にこんな一節があった。無口なチエちゃんが独白する場面である。ちょっと長いけど引用してみる。
私はサーフィンをしなくて見ているだけだけど、見るのは好き。ずっと見ていると少しわかってくる。今日の午後、どんな波が来るのか、ある程度予測はつくんだよね。うんと慣れてくると。でもそこが人というものの弱いところで、サーフィンをする生活が数年続いてルーチンになってくると、いつかの天候、そのときの波と比べるようになってしまうし、波のことがわかったような気になってきてしまうみたい。それでケガして、また反省して、またケガして、を繰り返す人はとても多いよ。同じところをぐるぐる回ってるのに気づかないの。実は違うんだと思うんだ……。毎回違う波だというふうに思えることのほうが、似た波を分類するよりも大事なの。天気の分析は欠かせないものだし、するべきなんだけど、同じような天気と波があると思ってしまうのはとても傲慢なことで、同じようなものがあるとしたら、それは自分の内面のほうであって、世界のほうではないの。これって、自然はすごいっていう話じゃないよ、全然。自然以外も、全てのことがほんとうはそういうふうに毎回少しずつ違っているのに、広すぎてこわいから、人間はいつでも固定させて、安心しようとするの。知ってることの中に。3月末に家族でポルトガル旅行に行くのだが、そう言うと「なんでポルトガルなの?」とたいてい聞かれる。フランスでもイタリアでもスペインでもなく、アジアでも南の島でもなく、なんでポルトガル? と。

その理由はこんなことに近いかなぁと読みながらちょっと思った。人生も40年以上過ぎてくると波がだんだん似て見えてくる。そしてわかったような気になってくる。フランス行ってもイタリア行っても(食の経験値は深まるかもだけど)、ボクにとっては、似た波の枠から出ない感じがどこかでする。

ボクが今回旅行の候補に入れたのは、ポルトガルとかアルジェリアとかオランダなどなのだが、どれも自分の中で「思ってもみなかった波」である。そういうのを意識的に人生に組み込まないと、すぐ安心してさぼろうとする自分がいる。意識して刺激しないとすぐ自分の枠内で満足するようになっちゃうのだ(同じ理由で南米や中近東も考えたが、娘にはちょっと早い)。

ドリームガールズ

2007年3月 9日(金) 9:00:48

先週、映画「ドリームガールズ」を観てきた。
20年以上前にトニー賞の最優秀ミュージカル賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカルの古典の映画化。ずっと映画化の噂が絶えなかった作品だけど、20年以上待ってやっと映画化されたのね。まるでジェニファー・ハドソンの登場を待っていたかのようだ。

舞台をそのまんま映画化しました!って感じで、テンポはいいし曲はいいしブロードウェイっぽいきらびやかさはあるし、個人的にはとても気に入った。

というか、ビヨンセに参った。美しすぎる。歌も良いし演技も良い。ダイアナ・ロス&シュープリームスをモデルにしつつ、デスティニーズ・チャイルドの初期メンバー追放騒動をも思い起こさせて、複雑な味を見せていた。観て以来デスティニーズ・チャイルドやらソロ・アルバムやらを聴きまくっている。

一日中リニューアル作業

2007年3月10日(土) 21:35:40

シコシコと一日中「関西のおいしい店リスト」リニューアル作業(あと一週間くらいでオープンできると思います)。

関西のリストはだいたい1994年から1999年までに行った店が多いのだが(サイトを始めたのが1995年だから)、それってボクの33歳から38歳に渡っていて、体力的な意味で「食べ歩きの全盛期」でもあったのだった。
あの時期もし東京にいたら、東京のレストランの楽しみ方ももっともっと幅が広かったのだろうな、と、よく思う。店の知っている数が違うということよりも、店の使い方が全然違ったと思うのだ。

ボクが30代によく通い遊んだ店はほとんど関西にある。
もしあれらが全部東京にあったら、なんて深い40代食生活が過ごせていることか。まぁ転勤で強制リセットされたメリットもあるのだけど、とはいえなんだかモッタイナイ。とか、リストを整理しながら思ったな。いろんな人間関係もほとんどリセットされちゃったし。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。