2005年10月 アーカイブ

一日中座学

2005年10月20日(木) 19:59:43

仕事のみの一日。
朝8時すぎからグランドハイアットのボールルームで「The Future of Branded Entertainment」というカンファレンスに参加。ま、日本でいったら「座学〜(泣)」といった感じ。プレゼンテーションはまだしも聞き取れたが(バカみたいに早口のヤツもいて難儀した)、ディスカッションになるとまるでお手上げ。ヒアリング困難。同行者に事後確認してやっと内容を把握する始末。でも内容が濃くて相当面白かった。スピーカーも20人くらいいて、みんなさすがにプレゼン上手。内容はもちろん、プレゼンの仕方やパワポの作り方なんかも参考になったな。

夕方までみっちりやって、疲れ果てて同行者と夜メシに。「Taboon」という地中海&中近東料理屋さん。まだ新しい店で流行りつつあるらしい。こっち在住のクリエーターも参加して、今日の復習大会。わりと盛り上がり、いっぱいしゃべった。ちょっと面白い展開だったかも。

今日は昼から取材。珍しくジェットラグが出ていて、疲れているのに目が覚める。もう少し寝ないと。

ブロードウェイ「SPELLING BEE」

2005年10月21日(金) 16:50:06

あまり寝られず、ちょっと起きては寝てちょっと寝ては起きて。典型的なジェットラグ。普段時差ボケが全くないボクとしては珍しい。

ふらふらしたまま地下鉄に乗り、昼からSOHOで打ち合わせ。NYで急成長のブライダル・デザイナーと深く打ち合わせ。そのまま昼メシに流れ、SOHOの「AQUAGRILL」にてビジネスランチ。iBookを開いていろいろ説明。この店の牡蛎はオイスターバーの数倍うまい。魚やオイスターを食べるなら相当オススメの一店。

夕刻まで二件の打ち合わせを終え、SOHOで少し買い物。310のスニーカーがわりと気に入り購入。310を日本語読みするとサトオになるし、310マークの入った靴はボクにはなかなかいいかも(笑)。
夜は8時からブロードウェイで観劇予定のため、少し早めのメシを食べないといけないのだが、ひとりでレストランに入る時間も元気もないので、地下鉄で72丁目まで上がりホットドッグの名店「Gray's Papaya」へ。ホットドッグもおいしいが、ここのパパイヤジュースがとても好き。わざわざ来る価値がある味である。2.75ドルのセットを食べる。トッピングをすべて乗せるEverythingとまるで乗せないNothingの2本にパパイヤジュース。ある意味、NYを代表する料理かも。シアワセ。実はNothing好き。

MoMAとポロックとGoogle Map

2005年10月22日(土) 13:12:51

昼前まで寝たり起きたり。うわー本当に時差ボケだ。時差ボケにならないカラダだと思っていたのでちょっとショック。
昼は50丁目と6Aveの角近くに屋台を出している「Daisy May's BBQ USA」でボウルオ・レッドとポークサンドとチキンサンドを買い込み(ここはテイクアウト専門スタンドのくせにザガットで23点取っていたりする)、コロンビア大学まで地下鉄で上がって、キャンパス内でビジネスランチ。テックス・メックス系チリスープもサンドウィッチも相当うまかったが、途中から時差ボケもあって食欲がなくなる。このボクが食欲なくすなんて…。

みっちり打ち合わせ後、帰って寝るべきかと思いつつ、MoMA(近代美術館)へ行ってしまう。新しく建て替えたMoMAは初めて。日本人の設計家には悪いが前の方が好き。というか、グッゲンハイム美術館まで行かなくてもいいが、なにか近代美術を象徴するような建物にしてほしかったな…。とか思いながら早足でひと通り回る。特別展示の「SAFE」という特集が面白かった。
MoMAに来るといつでもポロックの前に数十分座り込んで楽しむのだが、今回もポロックを見つけるや否や「おひさ〜」と座り込む。マイ・フェバリット。見慣れた構図。で、なんとなく目を細めて見ていたら、なんとポロックの絵が「Google Map」の空撮地図に見えてきた(!)。黒い線が川で白い線が道。一見乱雑に絵の具を垂らしただけに見えるポロックだが、目を細めると本当にMapとして見え、Mapとして見るときちんと秩序とバランスが取れている。ある意味地球の縮図になっている感じ。それだけ普遍性がある構成ということか。ポロックの他の作品にも「これってどう見ても千葉県の空撮〜」というのがあり(緑色が効果的に使ってあるのだが、目を細めてみるとそれがゴルフ場の空撮に見えてくる)なんだか違ったポロックの楽しみを見つけた気分。

ポロックのおかげかだんだん元気になってきたので、チェルシー〜ミートマーケット地区(ミートパッキング地区)近辺を散策。ミートマーケットあたりってここ数年異様にオシャレになってきたのだが、それを実感できる散策だった。有意義。こりゃマンハッタンで一番面白い地区と言われるはずである。いろいろ見回った後、NY在住の友人たちと同じ地区内の「5Ninth」というレストランへ。エイジアン・フュージョンかな。パンチは足りないけどうまかった。なかなか良い。というか、店は看板もない一軒家。意外性がとてもいい。

Always look on the bright side of life♪

2005年10月23日(日) 15:05:59

ようやく時差ボケ脱出。わりと元気復活。今回はカンファレンス出席(4日間)が主な目的だが、最新のNYエンタメ関連を見て回るのも、こちらでコンテンツを作ってる先端の人々に会うのも大事なサブ目的。時差ボケのままだと行動範囲が狭まってしまい致命的。あぁ良かった。

午前中は部屋で企画書制作。
昼は講談社から「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」という本を出した間庭典子さんとビジネス・ランチ。昨日テイクアウトした「Daisy May's BBQ USA」はこの本で知ったのだった。一緒に行ったのはコリアタウンの「Cho Dang Gol」。手作り豆腐のスンドゥブチゲの店。NYで韓国料理を食べに行くときは深夜が多いのだが(24時間営業のレストランは韓国料理が多い)、この店は24時間営業ではないので来る機会がなかった。深夜や早朝ではなく普通のランチやディナーの時間にコリアタウンで食べると損した気になるくらい「NYの韓国料理=深夜・早朝」というイメージがボクの中にできあがっているからねえ。
スンドゥブは作りたての豆腐の風味とともに大変おいしい。間庭さんがとった「おからチゲ」も豆乳スープのようでホッとできる味。ちなみに彼女の最高のオススメは「キムチおからチゲ」らしいよ。

打ち合わせを終えた後、今年度のトニー賞作品賞を受けた「Monty Python's SPAMALOT」をマチネーで観に行く。異様に面白いと聞いていたが、ここまでとは……。モンティ・パイソンってこんなに面白かったっけ?と思うくらい新鮮な面白さに溢れた傑作。相変わらずパロディが多いのだがパロディ元や英語がいまひとつ掴めなくてもこんなに面白い。ホスピタリティもテンポもよいし、なにより歌や踊りが良い。贅沢にも劇中歌として使った「Always look on the bright side of life♪」なんか頭を離れない。嗚呼スゴイなブロードウェイ。参った。このレベルと闘うのは無理かも。
感動を誰かと共有したくて、部屋に帰ってからスパマロットで検索しまくる。こういう共有欲求こそがネットの原点。

マンハッタン早朝散歩

2005年10月23日(日) 22:00:39

今日は日曜でオフ。日曜早朝のマンハッタンはすいていて気持ちいいので、朝7時から散歩に出る。

市立図書館の横から五番街に出て南へ下がる。まだクルマがほとんどいないので、道のド真ん中を堂々と。ド真ん中から南を見ると、ゆるやかな下りになっていてフラットアイアンのあたりまでずぅっと見通せる。両サイドには旗がはためき、マンホールからは蒸気が上がっている。この景色がとっても好き。早朝じゃないと危なくて出来ない技だけど。
そのまま34丁目までゆっくり歩き、「Afinia Dumont Hotel」前へ。ここはボクの常宿のひとつ。去年も20日くらい泊まった。やっぱ今回もこのホテルにすればよかったかも。34丁目を西に歩き、これまた何度も通ったGiGi Cafeでコーヒー。なんでもないCafeだがここは娘が初めてアメリカ人から物を買う体験をした店。とても親切にしてくれたので彼女も大ファンなのである。なんだか懐かしいな。お腹が減ってきたので、そのままエンパイアステートビルの横を通ってコリアタウンへ。カムミオでソルロンタン。やっぱ朝飯にはこれが最高。胃が休まる。

そして今。ホテルに帰って企画書の続きをシコシコ書いているところ。今日は11時に待ち合わせて人とお茶(初対面の方)。その後仕事仲間とランチを食べながら、明日から3日間続くカンファレンスの予習をする予定。

カエル声テヴィエ

2005年10月24日(月) 20:48:32

3時からマチネーで「Fiddler ont the Roof」(屋根の上のバイオリン弾き)を観る。舞台美術のプロである友達が「セットとかライトとか美術の面ではもうずばぬけてすばらしい」と勧めてくれた上に、「HairSpray」のお母さん役でトニー賞主演男優賞をもらったHarvey Fiersteinが主演なら見逃せない。助演はRosie O'Donnellだし。
日本では森繁で有名だが、一度ハーヴェイ・フィアスティンのカエル声テヴィエを観てしまうと「いったい他に誰がやるの?」な世界。ものすごい演技力と存在感。そして舞台美術の美しく効果的なこと! 最小限のセットで最大限の表現力。すばらしい。見惚れるとはこのことである。
それにしてもこんな名優が「ヘアスプレイ」に出ていたんだなぁ。去年のバレンタインデイ当日に彼で「ヘアスプレイ」を観て、バレンタイン特別のアドリブも出たのを間近で観たのは相当幸運だったかも。

終わってからユニークなメンバーで夜メシ。NYのプロダクションの人ふたりとコスメ系ディレクターひとり、間庭さん、日本のプロデューサー、そしてボク。「Casa Mono」という予約が取りにくいタパスの店。関係がなさそうで関係がありそうな6人が繋がったり離れたり。実に面白い。料理もうまく雰囲気もいい(えらくやかましいが)。その後古いビアハウスに流れ深夜まで。楽しかった。

カンファレンスでしどろもどろ

2005年10月25日(火) 11:59:40

朝8時に待ち合わせてカンファレンスに参加。
本日はワークショップとは聞いていたが「まぁ参加者も数百人だろうし、隅っこで聞いていればいいや」と高をくくっていた。ワークショップってパネラーが勝手にディスカッションして進めてくれることも多いし。
ところガッ! 参加者はなんとたった12人! ほとんど全員でディスカッション状態。いきなり自己紹介や参加の目的なんかを英語でスピーチさせられ、心の準備がなかったこともありしどろもどろあどろうどろ。うは〜頭ん中真っ白。大恥。スピーカーは「英語がわからないのに何でワークショップに参加してるの?」って顔をしてる。いや、しゃべれないけどこのテーマだったらリスニングくらいできるのよ(泣)。ワークショップの内容についてはお手の物。日本語だったらいろいろ突っ込んだ話もできるのに…。あーあ。

会場はホテルのBall Room。先週のカンファレンスでもそうだったが、異様に空調を効かせてあって、外(寒い)よりずっと寒い。寒さに強いボクでもガタガタ震えるくらい。でもアメリカ人たちは半袖のアホもいる。ディスカッションにも参加できないし……心も身体も寒い。寒いよぉ。

それでもなんとかカリキュラムを終えた。冷夏すぎて土中から出ることもできない蝉の幼虫のように、心も身体もガタガタである。ケーススタディなどで面白い物もあったから、英語がもう少しでもできればもっと有意義だっただろうな。もう「よし!英語をもっと勉強しよう!」というやる気すら失われるほど意気消沈してホテルに帰った。明日からのカンファレンス本番はこんなことはないだろうが、なんちゅうか、疲れ切ったよ。ご愁傷様、自分。

サミット&クラフト

2005年10月26日(水) 18:26:39

この数日ずっと雨模様なので「あなたの晴れ男っぷりもこの程度っすか?」とNY在住人に疑われているが、あのね、ボクが来なかったら先週からずっと雨なのだと考えてみたらどうだろう(笑)。NY史上一番雨が多い10月になるらしいが、とにもかくにもあそこまで雲ひとつない快晴を数日呼んだんだからいいじゃんよ。

今日も一日カンファレンス。「Branded Entertainment Summit」という大仰な名前のもの。サミットっすよ、サミット。思ったより参加者が少ないのもサミットっぽい(笑)。先週のは数百人参加していたからなぁ。とにかく一日中めいっぱい座学。昨日と違って発言させられることはないが、スピーカーが早口でどんどこしゃべるのでついていくのが大変である(英語的に)。内容的には「アメリカがすごく進んでいるわけでもない」と確認できた感じ。

昼は「Koi」。夜は「CRAFT」でメシ。両方とも相当イマイマなレストランである。思ったよりスノッブ系和食レストランの「Koi」(鯉)が良かったが、圧巻は「CRAFT」。うめーし楽しーし美しーし。「グラマシー・タバーン」にいたシェフらしいからニュー・アメリカン・フュージョンといったところか。前菜に牡蛎、メインはジビエに長熟成の牛。サイドディッシュのオーダーがバリエーション豊富ですごく楽しい。このパターンは日本では少ないなぁ。ワインも品揃えよく、サービスもよく、内装・雰囲気ともに抜群。NY滞在の〆にふさわしいいいレストランであった(とはいえもう一晩あるが)。

メトロポリタン・オペラ「アイーダ」

2005年10月27日(木) 15:49:40

最終日。快晴。来て数日と帰る数日がちゃんと晴れるって、晴れ男だよね(しつこい)。

朝から夕方まで仕事でサミット参加。途中に別件で抜けつつなんとか完走。あぁ英語をいっぱい浴びたなぁ。内容的には、ま、なんちゅうか、いまなら日本も勝てるなという感じでしたです。

最終日の夜はどうなるかわからなかったので予定を入れてなかったのだけど、もしかしたら、と問い合わせてみたら、なんとメトロポリタン・オペラの「アイーダ」のチケットが取れてしまった。うひゃー。夢みたい。水土しかやってないのにうまく当たったなぁ。しかも2万円くらいで3階(全6階中)の真ん中の最前列。いやーいい席だ。
夜8時から12時まで4時間のプログラム。メトでの公演ゆえ舞台美術も豪華を極めている。生きた馬も5頭も出たし(舞台上で馬糞をして、それを皆が踏むの避けて演技してるのが笑った)。演奏も最高(これは相当最高)。もちろん歌唱も最高。すげかったぁ〜。ちなみにキャストは、

さよなら、Autumn in Newyork

2005年10月27日(木) 21:21:22

深夜メシをしたというのに、なんとなく小腹が減って6時に目が覚める。朝メシ食べつつ街でも散歩するか、と外へ。今日も快晴っぽい。日本に仕事の電話しながら歩いていたら電話を持つ手が1分で凍えた。もう冬だ。Autumn in Newyorkはまたたく間に過ぎ去ってしまった。

足は自然と数ブロック下がってソルロンタン屋へ。いままで十数回のNYで結局この店に一番来ているかもしれない。毎回一回は必ず朝メシに来る。これから長時間ヒコーキに乗るのにキムチ臭いとお隣さんに迷惑かなと思いつつ「カムミオ」のキムチはうまいので思わずお代わり。あーあ、これでお隣に美女が来ても話も出来ん。

本来なら明日こっちを発つはずだったが、日本での仕事がすごいことになっているので一日繰り上げて出発。仕事の嵐が帰国後に待っていると思うと相当気が重い。休む間もなく大阪出張まであるし…。ということで、そろそろBryant Park Hotelを離れる。窓の下のBryant Parkは週末からスケートリンクになるようだ。もう工事も終わり、客を待つばかり。Winter has come!(ロックフェラーセンターのリンクはとっくにオープンしてるけど)

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。