2005年10月 アーカイブ

こういう夜は飲むしかない

2005年10月11日(火) 21:15:17

おお。あっという間に夜である。会議会議会議で夜である。今日は自分らしく生きたかと問われたら達成率ゼロである。

パキスタンの大地震(死者4万人に達する恐れ)のニュースを見て、阪神大震災直後の「生き残ったラッキーさ」みたいなものを肌感覚で思い出す。死と隣り合わせとはよく言うが、本当に数センチお隣にいらっしゃったのねというあの鳥肌が立つ感じは忘れられない。久しぶりにニュース映像であの肌感覚を思い出した。

災害にあった方を見て思うわけではないが、原稿にしろ仕事にしろこういう舞台を与えられているというシアワセを自覚せずに愚痴ばっかり言っていないか、と、猛省したりする夜。こういう夜は飲むしかない。ぐびぐび。

あの街へ、ふたたび

2005年10月12日(水) 9:27:42

妻、無事、帰国。
帰って早々、娘を叱る声が響き渡る。うはは。おかえり、佐藤家の日常。

とはいえ、またすぐ非日常になる。ボクが来週の火曜日からニューヨーク出張なのだ。
ニューヨークはなぜか縁があり、合計すると1年くらいはあの街にいる。そういう意味で最初の頃のトキメキはもうないし、見たいものも特にはない(新しくなったMoMAとブロードウェイの新作くらいか)。でも、それでも、やっぱりあの街の空気にまた触れられるのはうれしいものである。ほっつき歩いてあそこまで楽しい街は他にない。今回の仕事はメリハリあるスケジュールなので、オフの日はゆっくり街をほっつき歩こうと思う。

ところで、NY在住の方で以前お会いしようとしてお会いできなかった方、ご連絡などくださいませ。メールに埋もれてわからなくなってしまいました。もしくは初めての方でもどうぞ。一緒にメシでも喰ってやろうという方がいらっしゃいましたら。実はNY在住の読者数人と飲む予定なのですが、もう数人なら合流可能なので。気が向いた方はメールください。

松波〜オーパ

2005年10月13日(木) 9:27:28

わりと余裕のスケジュールを組んで仕事していたにもかかわらず、夕方には図らずもクワッド・ブッキングになっており焦りまくる。横から次々と急ぎの打ち合わせが割りこんで来やがる。10月になってからなんか異様じゃ。

19時すぎに「約束あるから〜!」と這々の体で逃げだし、駒形の「松波」で鮨。仕事モードから鮨モードになるまで相当かかったが、やっぱりうまいなぁ。さすがなバランスとしか言いようがない。アルデンテの酢飯もつぶつぶが口の中のいろんな部分を気持ちよくしてくれ、柔らかい酢飯では味わえない口中快感を引き出してくれる。いやぁうまひゃひゃ。親父さんも機嫌良くいろんな話をした。「魚は酸化させないといけない」という話が面白かったな。

その後、門仲の「オーパ」でジャック・ローズとドクターM。冴え渡る切れ味。

NYでもメリハリなさそう

2005年10月14日(金) 8:08:25

あぁぁ、無理かもと思いつつもうひとつ大きな仕事を受けてしまった。土日に企画書書くだけではとても間に合わない。NYに行ってからも毎日のように企画書書かないといけない。さいわい出張仲間がこの仕事を一緒にする人たちなので一緒に企画できるが、それにしてもちょっと無理があるスケジュール。来た仕事は断らない主義ではあるものの、もう少し断ることも覚えんとなぁ。

昨日も1時間ほどの講演というかレクチャーをした。この前ゆっくりしゃべりすぎた反動もあり、今回は少し早口すぎたかも。滑舌があまりいい方ではないので聞き取りにくかった可能性あり。すいません。でもだんだんしゃべり馴れしてきてはいる。場馴れってヤツですね。まだまだド下手とはいえ、昔から人前で話すのが大不得意だったので、いい訓練になっていると思われ。

今日は濃い。昼は世界的カリスマの手料理を少人数でいただく。夜は政治家さんとプライベート・メシ。仕事は山のよう。面談もある。濃すぎ。とっとと仕事に行こう。

カリスマと政治家と

2005年10月15日(土) 21:36:05

主婦のカリスマといわれるその方は、予想通り飾らない人柄の素敵な人で、その手料理もうるおいと健康と安心と喜びに満ちていた。心底ホッとする食事。一度疲れを放りだしてもう一度復活するための句読点。笑いながらいろんなことを話し食べたこの2時間はある忘れられないテーマをボクに与えてくれた。暮らしとは演出するものではなく生き方そのもの。借り物では結局オシャレにもステキにもなれない。というかシアワセになれない。その実例を見させていただいた感じ。心の中にいい種をいただいた昼。芽吹かせよう。

毎日激しく闘っている政治家若手のその方は、理想とリアルの間においていかに人間は無力であるかを熟知しているような印象の人だった。繊細さと不感症さを併せ持ちキープしようとする努力の跡。信念を貫きにくい仕事をしているボクなんかの方がずっと潔癖さが足りない自覚。結局政治も生身の人間がやっているのだということをボクたちはすぐ忘れがちになる。たまに生身の政治家と食事するのはいろんな意味でいい刺激になる。ありがたいと思った夜。

そんな2人の濃い方と濃い時間を過ごした昨日。ぐっすり寝て起きたら郵政民営化法案可決のニュース。まずは第一歩というところかな。そんな秋の土曜日。

鳥取県で「人権侵害救済推進及び手続に関する条例」が可決

2005年10月16日(日) 11:12:50

多忙で見逃していたが、鳥取県で「人権侵害救済推進及び手続に関する条例」が10/12に可決されたと友達からメールで知らされた。施行は来年6月1日(よりによって誕生日)。これは超悪法「人権擁護法案」のひな形みたいなもので、言論の自由をぶっつぶす強烈な条例だ。もちろん前例はなく全国初。行政が人権侵害救済を目的に加害者への勧告や氏名公表の権限を持つ初めての例となる。これを鳥取県はたった5日間の議論で可決したという。

というかですね、鳥取県の条例なんて県民以外関係ないって思うでしょ? でも違うらしいっすよ。「県内だけでなく県民が人権侵害を受けたのであればどこにいても(東京でもネットでも)この条例の対象となる」らしい。

つまり、 たとえば東京在住のボクがなにかについての意見をサイトで書いたとする。それを「差別だ!人権侵害の被害を受けた!」と思いこむヒトが鳥取県にいたとして、そう委員会に訴えると鳥取県の人権侵害救済推進委員からいきなり立ち入り調査されるわけ。しかもですよ、訴えは本人以外でもできる(密告可)。被害者が特定でなく不特定でも人権侵害と認定できる(一般論でも訴え可)。人権侵害の事実がなくても「おそれ」だけで人権侵害認定できる(思いこみ可)。ひょえ〜。

脳味噌が熱い

2005年10月17日(月) 22:41:56

あしたからニューヨーク出張なのだが、そのしわ寄せもあって今朝9時から今22時半すぎまで1分たりとも休みのない1日。昼メシも夜メシも会議室で会議中にもしゃもしゃ。コーヒー飲む暇すらない。タクシー乗っている間もパソコンばしばし。ここまで分刻みだと笑える。眠くなる隙すらなく、ずっとハイテンション。このまま徹夜見込み。全然仕事が間に合わぬ! いまだに「ニューヨーク出張は急遽中止して日本で仕事してた方がいいのではないか?」と迷っている感じ。出発直前まで迷うかも。あっちで会うとお約束した方々、ドタキャンの場合は本当に申し訳ないです。うぅ。

靖国参拝

2005年10月18日(火) 7:26:36

仕事に見切りをつけ予定通りニューヨークに行ってきます。見切り離陸。間に合わない企画書は飛行機内でやって向こうからメールしようっと。

ところで小泉首相が靖国に参拝しましたね。
参拝の是非についてボクの私見は書かない。首相が参拝することについては各自いろんな意見をお持ちだろう。自民党が圧倒的多数で大勝したあとだけに、なんとなく拒否感を持つ人もいるかもしれない。

ただ、基本的に「靖国参拝を他国にとやかく言われる筋合いはない」とは思う。その是非はあくまで自国民が判断すべき問題だ。

ニューヨーク到着

2005年10月19日(水) 4:23:14

朝10時すぎ。ニューヨークに無事到着。
先週は雨&寒だったらしいけど、自他共に認める超晴れ男のボクが来たからには晴れさせます(笑)。雲ひとつない秋晴れでスゲー気持ちよい。JFKからの道も空いていて楽勝。ま、なんちゅうかホントに違和感がない。一週間ぶりにNYに来たような錯覚すら受ける感じ。

マンハッタンに着いてすぐ、明日のカンファレンスについての打ち合わせ。地下鉄でノリータ方面に出て「Cafe Colonial」の外テーブルでビーフ・コロンボというメキシカンを昼メシに食べつつ最新の広告事情についてこちらの日本人と意見交換。外のテーブルで風に当たりながらがちょうどいい陽気。
2時間ほどで別れ、勝手知ったるSOHOをひとりでぶらぶらしてたらいきなりアメリカ人観光客夫婦に道を聞かれた。えーやっぱしニューヨーカーに見えますかー、と思わずニヤけたが、拙い英語ですぐメッキもはげ、道聞いてきた夫婦は「チッ」とばかり別の人に道を聞く。クソー。

少しだけ靴屋を見て(29cmなので海外に行くと靴を買い込む)ぶらぶらしたあと地下鉄でホテルへ帰る。飛行機で一睡もしなかったので体力温存。あーそういえば機中で仕事をしなかった。映画を見始めたら止まらなくなり「シンデレラマン」「宇宙戦争」「バッドマン・ビギンズ」「奥様は魔女」と4本見てしまった。少し企画書を書かなければ。夜は読者の方々とメシ行くし。

セントラルパーク〜asiate

2005年10月19日(水) 17:56:05

企画書書かなければ!と切羽詰まりつつ、外があまりにいい天気なので(暑くもなく寒くもなく最高)早々に切り上げてセントラルパークに行ってしまう。意志弱し。
だだっ広い芝生のところまで歩き、芝生の中央あたりにどっかり横になって空を眺めながらのんびりする。芝生のあちこちにいろんな人種の輪ができている。アッパーウェストのビル群が空に彫り深く浮き出ている。死ぬほど気持ちいい。たった十数時間前までは東京にいたことが信じられない。

のんびりしすぎて待ち合わせに遅れそうになり、マンダリンオリエンタルの「asiate」(フレンチ)まで相当早足で。ここのシェフは日本人で、2年近く前から「asiateに行け」とこっち在住の人に勧められていた店。やっと来れた。
久しぶりにお会いする方、初めてお会いする方、やあやあと挨拶を交わしディナーが始まる。料理はなるほどふたつもみっつもひねってあって、その創作し具合がいかにも繊細な日本人っぽく、そういう方向性で話題になるのもよくわかる。でもひねりすぎて焦点がぼやけ何をやりたいのかわからなくなっているものも多く、この食材なら直球の方が絶対うまいよな、とか思ってしまうお皿が続いた。残念。まぁでも競争が激しいNYだとそういう風に店の売りを作っていかないと生き残れないのだろうなぁ。

ちなみに、ワインのテイスティングはボクがしたのだが、明らかにコルク臭がきついものがあり(というかブショネ)、「うわ、これってブショネだよなぁ…、日本でも交渉するのに勇気いるのに英語で言わないといけないのかよ、どうしよう…」と考えていたら、その迷いが顔に出ていたらしく、ソムリエーヌが「私もテイスティングしましょう」と申し出てくれ、「オー…、これはリトルビット・コルキーね」と認めてくれ、取り替えてくれた。あぁ良かった。素人判断でブショネを主張すると恥をかいたり気まずくなったりすることが多い。ソムリエーヌがすぐ認めてくれてラッキーだった。お勘定にもついてなかったし。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。