2005年1月 アーカイブ

異邦人にトランスできる数日

2005年1月20日(木) 9:48:16

日本に似た街並にハングルが踊るソウル。あぁ欧米人とかから見たら日本もこういう風に見えるんだなぁと疑似体験できる街なのであるが、その感覚を日本に持ち帰って恣意的に使用してみると実におもろい。つまり、日本の街並を漢字やカタカナやひらがなを読めない外国人の目で見て、歩いてみるのだ(ソウルから帰ってきた直後はこれができる)。すぅっと異邦人にトランスする。自分の日常が妙にちっぽけに感じられる。世界中のいろんな街でいろんな喜怒哀楽が進行している中のほんの一例が自分の人生なのだという実感に浸れる。まぁだから自分の悩みや焦燥などたいしたことないのだよワハハな気分にすっと移行できるのだ。でも、帰国して数日経つと、もうやりたくても出来なくなる技なのだけどね。すぐ「馴れ」ちゃうのだ。あーつまらない。

「SWITCH」2月号で「スラムダンク」特集

2005年1月21日(金) 7:14:43

いま売っている雑誌「SWITCH」2月号で「井上雄彦 スラムダンク、あれから10日後ー」と題して、あの12月のスラムダンク・ファイナル・イベントの3日間の様子が、なんと約60ページに渡り特集されています。また、いま売っている雑誌「広告批評」でも4ページに渡って取り上げられています。自分たちがやった仕事が雑誌で特集されるなんて冥利冥利。しかもひとりでも多くのヒトに知ってもらいたい仕事だったので特にうれしいかも。あぁあの奇跡の3日間が脳裏に蘇る…。

ついでに言うと、いま売っている雑誌「Pen」でおととしやらせてもらった星野仙一優勝感謝広告が全紙分出ています。本屋で立ち読みしていてひっくり返りそうになりました。なぜ今…?

「すきやばし次郎」小野二郎さん前

2005年1月22日(土) 9:02:21

「鮨 水谷」の味を舌が鮮明に覚えているうちに、と、水谷さんが長年修業した「すきやばし次郎」に、ない財布はたいて久しぶりに行ってきた。今回も小野二郎さんの前に座れてラッキー。前回の印象は普通だったのだが、まぁこのごろスシ・リテラシーも上がっているし、と、かなり真剣に握りに向き合ってみた。結果。んー…。この店を世界一とおっしゃる方々がいっぱいいらっしゃるのは知りつつも、やっぱそれほどでもないかも。もちろんトップクラスのクオリティだけど、これならボクは「松波」や「鮨 水谷」もしくは「與兵衛」の方を勧める。タネは酢飯と渾然一体にならず口に残るし、なにより「うわっうめ〜!」と唸る瞬間がない。一見普通に見える中に隠された凄さとかも理解するし、職人の技も尊敬するけど、もう一度自腹で再訪するかと言われると躊躇する。病後の小野さんは白いタートルを着て(手術をされたと聞く)、おまかせで次々と21貫、かなりのスピードで握ってくれたが、なんか孤独な作業に没頭しているような握り方で、客としても楽しくない。「しまあじですか?」と同行者が聞いたら「はい、しまあじです」と小野さん。で、横にいた職人に「カンパチです」と訂正される一幕も。流れ作業的に握りすぎかも。まぁ評判を聞いて物見高い一見客ばかりが集まってしまう辛さとかもあるのだろうけど。

その後、東京芸大のあるクラスでアタラシイ映像表現の流れについて少ししゃべった。もっととんがった生徒が多いかと思ったが、意外と大人しい生徒ばかりで残念。受身すぎ。芸大ってそういうところなのかなぁ。

トイとシュナのミックス!

2005年1月23日(日) 9:01:50

犬を飼う前にボクに「トイプードルは実際のところどうなんですか?」と質問メールをくださる方が結構いる。そのうちのひとりの方が「飼いました!」とメールをくれ、つけはじめたblogを教えてくれた。これが…トイとシュナのミックスなのだが、異様に可愛い! 家族中で見て「負けた…」とガックリ。「今日からキミは二番目にかわいい犬になりました」と一方的に宣言された我が犬はキョトン。

昨日、犬と散歩行ったら、うちのと犬種も色もまったく一緒のに出会った(珍しい)。うわ、もしかして兄弟の可能性すらある!と思い、飼い主の女性に「おいくつなんですか?」と聞いたら「23ですが」……。しばらく呆然とお互い見つめ合い、「あっ!」と顔を真っ赤にして後ろ向く彼女。こ、これは恋の始まりか!(違います)

東京のおいしい店、久しぶりに更新。50店ほど。まだあと50店ほど在庫あり。海外いれると100店ほど。あぁ…。でもここ数週間で全部書き終わってしまう予定。つか点数などを含めて大幅見直しちう。

台湾(1)なかなかよいホテル「台北商旅」

2005年1月24日(月) 9:01:57

台湾の「台北商旅(les suites taipei)慶城館」より。
このホテル、7階までしかないこぢんまりした新しいホテルなのだがなかなか良い。台湾への先入観くつがえりまくり。日本でもこんな感じのいいホテルに泊まったことがない。インテリアも水回りもアメニティも良い。果物や水も部屋に置いてあり(タダ)、テーブルやベッドサイドなどのいろんな設備(用意)も群を抜いている。風呂もいい(正方形で大きい)し、もちろんウォシュレット。部屋でのLANもタダだし、一階に広いけど落ち着ける共用スペースもあり、レストランとかないから宿泊客以外来ない。コーヒーなどもタダ。無料ネットスペースがあり、置いてあるPCは日本語も使える。…って、意外だったこともあるけど(←台湾をなめていた)、なんだか印象いいのです。みなさんも台北にお越しの節はぜひどうぞ。ボクが泊まった部屋は4200元(約15000円)。ちょっといい部屋。この価値からすれば安い。

昨晩は着いたのが遅かったので、近くの兄弟大飯店で台湾料理。ちょうど季節のカラスミ旨し。お粥に味噌シジミをかけたのも旨かった。今日は朝早くから夕方遅くまで講義するので、メシは…ビジネス系かも。現地人任せ。いい店チョイスしてくれるといいなぁ…。
とりあえず朝飯はホテルの前に出ている屋台で麺線(台湾そうめん)と小籠包とよくわからない混ぜご飯を買って(全部で80元…270円くらい)部屋で食べてみた。小籠包は普通だったけど麺線旨し。他の屋台にも目移りする。明日はアソコにしよう。

それにしても暖かくて助かる。厳寒ソウルとは大違い。昼は23℃とかになるらしい。

台湾(2)先生役〜雲南料理〜台湾マッサージ

2005年1月25日(火) 10:30:17

仕事場に行ったら会社受付後ろに赤紙で「熱烈歓迎佐藤尚之先生」と大きく書かれていて赤面。せ、せんせ? うわっ似顔絵やプロフィールまでデカデカと…。つか会場見たらわりとでかい。あれ?こんなに来るの? そのうえ2時間ほど話すんだとばかり思っていたのに全部で4時間半とってあるという。うぎゃ〜4時間半! やべ〜そりゃもたん! と、会場でいきなりパワポをがしがしいじり出す。通訳の人とか怪訝そう。そりゃそうだ、開演十五分前に全体構成いじってるんだもん…。事例をいっぱい増やし、コンセプトシートを水増しし、映像もいっぱい見せることにして、冷や汗かきながら開演。やーん、立ち見までいるよ。あぁ…。2時間のものを倍に水増ししているので、しゃべりながらもスカスカ感あり。えーん。

なにしろ「先生」なので、昼も夜も接待メシ。ひーん、夜市に行かせろ〜。客家料理や雲南料理なんか食べたかねぇ〜。台湾料理が食べてぇ〜。…でも台北トップクラスという客家料理はとてもうまく、台湾でも一軒だけという本格的雲南料理も(雲南の将軍家出身の人と一緒に行ったのでチョイスも説明も完璧)実に印象的だった。雲南おそるべし。すげー洗練。すげー奥深。

夜メシ後、昼間の疲れが出て「た、台湾マッサージって…、い、いや、ひとりで行きますから!」と言うのにおふたりほどついてきていただき、温シップ付きの独特なる全身マッサージ場へ。やけどするかと思うくらいの熱タオルを体中に巻き、サウナ状態にしながらオイルマッサージ。あぁ極楽。足裏つけて2450元。このクオリティなら安いかも。

台湾(3)台湾人のパーティって大変愉快

2005年1月26日(水) 10:01:13

「先生」というのは単に「〜さん」ですよ。先生の意は老師です。というツッコミメールがたくさん。はは。どもども。佐藤尚之老師と書かれたらもっとイヤだっただろうなぁ。なんとなく老師っぽい風貌なので。あ、それと、泊まっている「台北商旅」を約15000円と書いたけど、ボクは仕事関係で安く泊まれているようです。実際はもう少し高い値段みたいなのでご注意を。

相変わらず外は22℃とかの台湾。でも屋内はクーラーが効いていてたいてい寒い。仕事場ではフリースとか着込み、外に出るとシャツ一枚。なんか変なのである。
昨日は朝からずぅっと会議&意見交換。疲れたけど、台湾人の気質とかに直接触れられて楽しかった。台湾人はきっちり自己主張するので、会議中も物怖じせずどんどん発言する。しかもめちゃ明るい。気持ちよく意見交換が進む。まぁかなりのコピー文化でもあるので慎重になりつつだけど、なんだか爽快だった。
昨晩、仕事中に40すぎの男性社員が心臓発作で亡くなったらしい。今日はその件で会社中がなにやらワサワサしていた。会議途中で3分の黙祷。ボクもいつ死んでもおかしくないと気持ちを新たにする。今日がその日かもしれない。毎日そう言い聞かせて生きている。

昼は「鼎泰豊 本店」へ。NYTimes紙が世界十大レストランのひとつに選んだという小籠包の有名店で日本にもたくさん支店がある。40分並んで入店。味は…うーむ、期待しすぎたかも。友人やメールから「京鼎小館」を勧められていたが、現地人数人から「そこもうまいけど、結局、鼎泰豊が一番ですよ」と言われたのでとりあえずココにした。鶏スープと蝦仁焼売と豚肉チャーハンと豆沙小包が美味だった。

台湾(4)「鼎泰豊本店」と「京鼎小館」

2005年1月26日(水) 14:20:47

台湾の空港ラウンジの無線LANより。
ご推察のとおり、京鼎小館で10個食べてきた。食べ終わってから「あ、もっといける」と思い、烏龍茶小籠包というのを頼みかけたが、時計と相談して断念。朝のせいか客が少なく、作るのにわりと時間がかかっていたのだ。その分作りたての熱々が食べられたけど。
複数の現地人からは「結局、鼎泰豊の方がおいしい。京鼎小館はムラがあるし…」と言われ、複数の日本人からは「鼎泰豊より京鼎小館の方がおいしい」と勧められた。その理由はたぶんコクのあり方が日本人好みだということだと思われる。ちょっと若者ウケするコクというか、脂っけというか…。とてもわかりやすい小籠包だと思うし、実際ボクもこちらの方がうまいと思ったな。

台湾(5)帰国

2005年1月27日(木) 8:00:03

帰国。台北のホテルを11時30分に出たのに、成田経由ということもあって、東京の我が家に帰ってきたのは夜7時30分すぎ。ヒコーキにはたった2時間20分しか乗っていないのに約8時間の移動。近いようで遠い台湾。

帰ったら原稿の校正がドンッと送られてきていた。あと10日で全部直して返さないといけない。ざっと読んでみたが、アラが目立ちまくり。どこから手をつければいいかわからん状態。呆然と北の空を追う。とにかく1ページずつ丁寧に仕上げていくしかない。

ソウルではいくら食べても太らなかったのに、台北ではちょっと食べただけなのに2キロ太っていた。カプサイシンかな。油量の違いかな。ま、2週間あれば戻せる自信があるが。←ダイエットに関しては呆然としないらしい。

「it」の打ち上げ

2005年1月28日(金) 9:12:35

昨晩は去年1月〜3月の地獄の撮影編集作業の打ち上げ(例のプラハやNYに長逗留した「it」のロケ)。10ヶ月ぶりにやっと打ち上げ。でもこの10ヶ月という時間が、あの地獄体験を極楽な思い出に変えてくれ、みんな笑顔で「楽しかったね!」と話せるようになっており、逆に良かったかも。直後に打ち上げていたら「あぁしんどかった…」と嘆息で終わっていたかもしんない。
アメリカからもメッセージが届き、あの日々がリアルに思い出されてくる。去年の今日、NYは大雪。「Blue Hill」で夕飯をみんなで食べたんだった。さなメモに全部書いてあるので思い出すのも楽。日記つけてるとこういうとき便利。

帰ってから、台湾出張中に録画しておいたNHKブックレビューの、さとうさとるインタビューを見る。動いてるご本人、初めて見たよ。カクシャクとしてご立派。あぁこの右手があの物語を書いたのか、とマジマジ見てしまった。あなたのおかげでボクは素晴らしい時間を何百時間と過ごせました。どうもありがとうございます。と、テレビに最敬礼。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。