2004年2月 アーカイブ

NY出張(14)つまらなくなったニューヨーク

2004年2月 1日(日) 7:39:29

久しぶりにソーホーを隅から隅までなめるように歩いてみた。
最先端のアート発信地から先端ファッション基地を経て、いまは単なるおしゃれなショッピング街と言ったところ。ギャラリーの数も減り売れ筋作家しか置いていない。買い物には便利だが、ハッキリ言ってツマラネー。ノリータやイーストビレッジがちょっとだけ面白いのが救いだけど、とにかくどこもかしこもチェーン店だらけ。ショッピングモール状態。テーマパーク化著し。

ランチは旧知のEngin(NY不法滞在日本人ストリートダンサー)とその彼女ミチヨ(美形)と、アッパーウェストにキューバン・チャイニーズを食べに行った。うまかった。カストロに追われてNYに集まった中国人が作るキューバ系ラテンテイストが入った中華料理なのだが、普通の中華とは明らかに違う方向性で、いい感じでジャンクなのだ。滞在中にもう一軒くらい行きたいぞ、キューバン・チャイニーズ。

Enginたちも口を揃えて言う。「NYは普通の街になりました」「面白くないので帰国しようかと」「911以来、何かが変わりましたね」と。やっぱりそうなんだな。肌で感じるもん。ボクたちがNYに期待しているトンガリがなくなってしまった。中指押っ立てて迫ってくる乱暴さや活力ややんちゃさがどこにも感じられない。お行儀がよい。変革しようという意志がない。守りに入った頭の固さが見え隠れする。

NY出張(15)店側の事情

2004年2月 1日(日) 23:26:46

もちろんNY側にもいろいろ事情があり住民には反論もあると思うけど(数通)、NYに勝手にあこがれを持ち10回以上来ているボクにとって、「ボクの人生においてNYに期待するもの」という勝手なイメージがあり、それは残念ながら消えてしまったかも、と主観的に語っただけですのであしからず。「おいしい店リスト」風に言えば「前は10点つけてたけど、今回再訪して8点に落ちたかも」という感じ。店側の事情にはあえて目をつぶり、徹底的に客側に立ってインフォメーションするのがボクのやり方なので、勝手なんです、スイマセン。

とか言いながら。
今日は店側の事情の最たるものを肌で理解するために、911跡地に行ってくる。グラウンド・ゼロ。個人的には感傷的なものよりも、極端に言うと「アメリカの勝手な諸行の結果」という見方が強いし、日常的に911みたいなことが起こっている国々の悲しみの方に寄り添いたい気分。だから観光客気分である。でもそれもわりとイイかもと思っている。日本人にとってのグラウンド・ゼロ「原爆ドーム」には、観光客気分でもいいから、いっぱい人に見に来てもらいたいもの。

NY出張(16)世界各地に無数にあいている穴のひとつ

2004年2月 2日(月) 22:56:31

グラウンド・ゼロを「観光」。
人が大量に亡くなったところというのはある種独特の磁場を発している。近づく前から体中がゾクゾクし、目が乾いた。ただただだだっ広い大きな穴。見上げると空は高くこれまた広い。あそこにあった巨大な建物を思い出そうと試みるが徒労に終わる。遠い昔に建築家が巨大なツインタワーを夢見て見上げたであろう広い空を同じように見上げるのみ。

ヒトはこれを特別な穴と思うだろう。が、これと同じような「穴」が世界各地に無数にあいているのだ。穴の大小は関係ない。穴の場所も関係ない。マンハッタンのあのビルが壊れて出来た穴だから特に感傷的になるのはフェアじゃない。アフガンやイラクにあいた無数の穴にも同じように祈れ。

犠牲者たちの無念に引きずられそうになりつつ、あえて感傷を打ち切り、「じゃぁ次はウォール街に行ってみましょう♪」とクライアントをNY案内するワタシ。

NY出張(17)「Old Homestead」で打ち上げ

2004年2月 3日(火) 20:48:40

気がつくと10月からの4ヶ月で、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ロサンジェルス、プラハ、パリ、ニューヨークと6都市を回っている。

日本でも軽井沢の地獄ロケとかあったし、年末年始もほとんど休めていない。
カラダはとっくに限界のようで、ふと気持ちを緩めるとドッと疲れが出て口もきけなくなる感じ。昨晩はアメリカ側と総勢20名のパーティだったのだが、「なんかスピーチしないといけないなぁ」と思いつつ、頭がまるで働かず腰も立たず、感謝の言葉を伝え損ねた。

明日日本に帰るが、また来週NYに戻ってくる(泣)。日本での仕事もたまっている。疲れもたまっている。サイト更新もたまっている。子供との約束もたまっている。たまらん。

NY出張(18)「ディナーラッシュ」の舞台で夜メシ

2004年2月 4日(水) 9:02:57

今日のニューヨークの天気のようにしとしとと一日中打ち合わせが続き、いつの間にか夜。いまから映画「ディナーラッシュ」の舞台になったリストランテでごはん。大好きなあの映画の場面場面を共有できるのはうれしい。ニューヨーク最後の夜だ(また来週来るけどね)。

書き忘れたけど、数日前に今滞在二度目のハンク・ジョーンズ・トリオを聴いてきた。これがまた一度目のときの3倍はいい演奏で鳥肌もの。凄みすら感じた。何度目かの黄金期かと思わせる出来。感動した。で、ハンクはいま東京ブルーノートに出ているはず。東京在住のみなさん、いまのハンクは必聴ですよ。

NY出張(19)あと4時間で空港へ

2004年2月 4日(水) 19:34:12

一緒に行動しているメンバーがさなメモを読み始め、「ここはさなメモに書かれますかね」「ここはさとなお.comに何点で載りますかね」などとうるさい(笑)。

昨日行った映画「ディナーラッシュ」の店「Gigino」はみんなとても気に入ったらしく「ここは9点です!」「絶対書いてください!」とホテルに帰り着くまで載せナーラッシュ。変なバイアスかかるから止めてくれ(笑)。
でも、トラットリアにしてはかなり秀逸。パスタのアルデンテ具合はかなりのもの。特にビーツを練り込んだ赤いパスタがちょっと焼きそば風味でうまいうまい。サービスも親切(マネージャーがカウンターから常にサービス陣をチェックしているのが大きい)。メインも安心できる味。洋なしのスライスをグラスのふちに並べたグラッパもとてもおいしく、印象に残っている。
フロアはほぼ映画通り。でもトイレや入り口などは違う店のを撮ったのかな。特にトイレ(映画の重要シーン)はなんか違った。帰って映画を見て見比べてみよう。楽しみだ。

ということで、いったん帰国。あと4時間で空港に向かう。

「楽園図鑑」に優子出演

2004年2月 5日(木) 21:57:52


無事一時帰国。日本ってホント暖かいね。
ここ4ヶ月の海外はすべてJALなので、もうすべての映画を見尽くしてしまってなんだかヒマ。6日後にまたJALで行くが、プログラムが変わっていることはあるだろうか。つか、メシのメニューもだいたい似てるので飽きた〜。

ところで、優子が恥ずかしがって「誰にも言うな」と言っていたが、もう時効(?)だからいいでしょう。先週放映の関西MBS「楽園図鑑」(ゴンチチのチチ松村がのんびりやってるインタビュー番組)に彼女がゲストとして出演したらしい。関西のみの放映だけど。

カルシウム不足?

2004年2月 6日(金) 8:00:34

気がつくと爪が数カ所割れていて驚く。そのうえ、昨日は着替え途中に服に引っかかっただけで割れた。これってカルシウム不足? というか長期出張でいろんな栄養が偏っている模様。焦ってカルシウム摂取系朝食を妻に要請したところ「カルシウムならチーズです!」とチーズだらけの食卓に。あの〜、ずっと海外なんで、できれば和食が良いのですけれど?

爪って皮膚だからカルシウムでは治らない

2004年2月 6日(金) 19:30:50


へぇ〜「爪って皮膚だからカルシウムでは治らないです」というメールが届いた。なるほどー。乾燥が悪いのか。ニューヨークは非常に乾燥していたので、そのせいなのねきっと。気にするの止めようっと。どうもありがとう。

今日、新年になって4日目の出社をしたのだが、自分のオフィスが何階だか一瞬忘れ、エレベーターの中で焦った。人間は忘れる動物である、と言ったのは誰だったかな。習慣になっているものを忘れるとなんだか新鮮だ。

モスクワの地下鉄のキレイさ

2004年2月 7日(土) 9:51:31


モスクワの地下鉄でテロ。以前なら「ありゃ…」であるが今は「え、うそ!マジ?」である。この前行った街。知り合いが住んでいる街。いろんな路地や建物を知っている街。ちょっと好きな街。それだけでいきなり深い当事者意識がでる。やっぱり体験は大事だ。大統領になる前にたった2回しか外国旅行をしてないブッシュ(テキサスのお隣のメキシコと、パパの外遊についていった中国)が偏狭になるのはある意味仕方がないか。

ちなみに「モスクワの地下鉄」と聞いても大半の日本人は「なんだか古びてて汚くて旧時代っぽそう」と思うだろうが実はその逆なんですよ。日本より進んでいると言ってもよい。自動改札で、時間に正確で、とても清潔で、新型車両が多い。モスクワ市内を網羅しており乗降客数は世界最多。治安もとてもいいから安心して乗れるし、たいていの駅舎は美術館のように美しい。モスクワに比べると日本の地下鉄周辺の汚さを嘆きたくなるほどである。こういう実感も旅をしないとわからないね。
ま、あの地下鉄に欠点があるとすると、エスカレーターが超高速で怖いのと(プラハも超高速だったな。スラブ系の特質?)、核爆弾に備えたのかと思うくらいすごく深いところを走っていること。今回みたいな爆発があるととても逃げられないだろうなぁ…。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。