2004年1月 アーカイブ

極寒プラハ出張(8)ジョン・フランケンハイマーの愛弟子

2004年1月 8日(木) 0:59:25


頑固なアメリカ人ディレクターに手を焼きつつ、今日も一日一歩もオフィス(チェコのプロダクション)を出ずに打ち合わせ。このまだ若い監督(アンドリュー・ハーダウェイ)はジョン・フランケンハイマーの愛弟子らしいからそのうちビッグになるかもしれないけど、少々アタマがカタイ。まぁ頑固なのも監督の大事な要素なのだけれど。
今日は昨日よりも暖かい感じなので街を散歩したかったなぁ。暖かいと言っても零下10℃近くはある感じ。プラハ近郊は記録的な大雪だったらしい。
昼飯はサンドイッチ。夜飯は……まともなものが食べたいが、わがままも言っていられない状況。

極寒プラハ出張(9)地獄度足りず

2004年1月 8日(木) 8:16:23


いやそれにしても今日のプラハはマジ暖かい。零下5℃くらいかもしんない。大陸性気候の零下5℃を暖かいと思うようになったら、もう異邦人卒業かも♪
今日、日本からスタッフ第三弾が到着するのだが、彼らにさんざん「プラハは地獄の寒さです」とメールで脅したボクとしては、これが佐藤が言う地獄かいなと思われるのがシャクでシャクで。くそー、明日の朝は地獄の寒さになれかし!(んー、でもやっぱりやめてっ)

極寒プラハ出張(10)最強の防寒具で凌ぐ

2004年1月 9日(金) 7:03:17


今日のプラハは晴れ。気温も上昇。相変わらず零下ではあるが暖かいロケとなった。が、朝から晩まで外にいるとさすがにだんだん冷えてきて、最後の方は少し寒かったな。でもこちらで購入した防寒具の強力なことと言ったら! これなら明後日から3日続く「深夜〜早朝ロケ」も切り抜けられるかも。

相変わらずの雪景色だが、雪質は究極のパウダースノーで、北海道でも体験できないレベルのさらさら感。多い日も安心♪てな感じ。

プラハは映画のロケでよく使われる。アマデウスやミッション・インポッシブルなどは有名。だからか、映画撮影慣れしているスタッフが多く、段取りがなかなか良い。チェコ人特有の我慢強さもあって、わりと撮影はスムーズに。素朴で明るいし、なんだかチェコ人好きかも。

極寒プラハ出張(11)クネドリキ

2004年1月10日(土) 8:16:16


チェコ料理の代表といえば、付け合わせで出てくるクネドリキ(英語でダンプリング)。小さな蒸しパンと思えばいい。ソースだぼだぼ系の料理の付け合わせとして同じ皿にのり、ソースをクネドリキでこそげとってお皿をきれいにする感じ。まぁ味は特になく、旅行者の評判はあまりよろしくない。まずいし飽きる、と。

が、外国人に言わせると白米だって「日本人はあんなに味が同じでしかも味がないものを生まれてからずっと食べ続けてよく飽きないな」ということになるらしいから、クネドリキも同じように飽きが来ないものなのだろう。一方的価値観で「こんなもの毎日食べてるくらいだからこの国の料理はまずい」とか決めつけるのはブッシュ的だし。

それにね、デザート・クネドリキ(フルーツ・ダンプリング)はなかなか変わっていてうまいのだ。量が巨大なのが困るけど。帰るまでにもう一度食べてみたい(←置いている店は少ないらしい)。

今日は1日中 山の中での屋外撮影で、さすがに深夜近くになったらかなり冷え込んだ(完全防寒で乗り切った)。川の向こうには時々列車が走る雪深い岩山。そこそこ絶景。
いつも思うが、ロケじゃないとまず一生来ないような田舎(しかも海外)にいると、一生来るはずのない場所に立っている自分の存在と一度しかない人生の時間とが重なって感じられ、とてもせつなくなる。近くに民家などあるとてきめん。「一度しかない生の時間をここで終える人生ってどんなだろう」と空を仰ぎ時間を忘れる。いろんな人生を生きてみたいと切に思う瞬間。

極寒プラハ出張(12)ビール消費量世界一の国

2004年1月10日(土) 17:10:25


おまえはビール消費量世界一にしてピルスナーの発祥の地チェコにいながら何をやっているのだ、幸せに思っていっぱい味わえ、めったな機会ではないぞよという趣旨のメールが数通同時に舞い込む。うはは。もちろん毎日のように飲んでいますぞ。バドワイザーの故郷チェスケー・プジェヨヴィツェも車ですすっと(名前だけ一緒で別物だけど←アメリカのバドがチェコのビールの名称を使った)。んでもって今日はピスルナー発祥の地であるプルゼニュ(ドイツ語読みでピルゼン)に行って、できたてのピルスナーを飲んでくる。

ヒマなんかい!って? いやいや。昨日までは朝から夜という普通の撮影時間だったのだが、今日からは夜から朝という撮影時間になるのだ。だから暗くなるまでは時間が空いている。休んでおかないとカラダが持たないが、まぁせっかくビール大国にいるので無理矢理ピルスナー工場に行ってこようかな、と。
どうやら日本に輸入されるチェコビールは輸入量も少ないらしく状態が良いものが少ないらしい。こっちにいるうちにいっぱい味わっておこう。キリンのラガーも元はと言えばチェコから習った技術らしいから、日本のビールの元ともいえるだろうその味は、強い苦みがあって喉に芳香が長く残る。んぐんぐプハーッ系ではないが、実にうまいし実に安い。グラスで40円とか。水より安いかも。
いろんなメーカーがあるがどこでも飲めるのがウアクヴェル。本家バドワイザーはやっぱりアッサリめなのがおもしろい。

というか、ビールもそうだが、音楽都市としてのプラハやカフカやムハの街プラハもまだ味わっておらず、仕事しかしていないのがマジ不満←仕事に来たんです。

極寒プラハ出張(13)いままで飲んだビールの中で一番うまい

2004年1月11日(日) 13:33:28


ただいまプラハ時間で5時半すぎ。たったいま徹夜屋外撮影から帰ってきた。あと2日、こんなスケジュールが続く。ちなみにスタッフひとり倒れました(泣)。

昼間はピルゼンに行き、ピルスナー・ウァクベルの工場で樽出しのピルスナーを飲んだ。疲れているから簡潔に言おう。いままで飲んできたビールの中で一番うまかった。昔からの味そのままで飲めるのはこの工場内の見学コースのみ、ということなので、世界でここでしか飲めない味だ。想像をぶっちぎってうまかった。これははるばる来た特別感から来るものではなく冷静沈着な比較による。同行者もぶったまげていた。いやーびっくりするうまさ。
ミュンヘン、ダブリン、ロンドン、ベルギー、サッポロ、名護など、ビールがうまい場所にはたいてい行ったが、チェコはぶっちぎり。ビール好きすべてに「ピルゼン行って工場見学して樽出しを飲め!」と強制したい気分である。

極寒プラハ出張(14)忍耐忍耐の15時間徹夜撮影

2004年1月12日(月) 16:25:39


今日は長かった。
朝5時まで撮影してホテルに帰ってきて、疲れ切っていたので夕方まで寝ようかと思いつつもったいないので昼からプラハの街に出た。天気まぁまぁで明るい日。はじめて「おー、プラハって美しい」と実感できた散歩だったのさ。

モーゼルグラス本店でお土産を買って(高っ!)、こっち在住の人に連絡とって一緒にチェコ料理のフルコースランチを食べて(うまっ!)、思わずチェコの赤ワイン(モドリー・ポルチュガルという品種)をボトルで飲んじゃって、親切心全開のチェコ人ソムリエが薦めるままにいろんなワインをテイスティングしちゃって、食後酒まで飲んじゃって、3時間もランチしちゃって、徹夜と疲労とワインとでフラフラになりながら撮影現場に行ったのさ。

今日の寒さはそれほどでもないなと思ったものの、屋外撮影で大雨に打たれ、そのうち芯まで冷え切って酔いも冷めちゃって、あとはひたすら忍耐忍耐忍耐の15時間(長っ!)。そのうち10時間くらいは立ちづめさ。

朝8時に日が昇って夜間撮影の意味をなさなくなるまでガッツリ屋外撮影。映画007のスタントチームまで使った大掛かりな撮影で、楽しいことは楽しかったけど、さすがに疲労度満開だわさ。
そろそろ朝8時半。いまからお風呂にゆっくり浸かるところ。明日(今日?)も夕方4時から朝8時までの屋外撮影予定。今日は夕方まで寝るざます。

極寒プラハ出張(15)18時間屋外立ちづめ

2004年1月13日(火) 18:05:21


起きあがるのにも苦労する疲労状態でやっとこベッドから抜け出て夕方4時に集合出発。今日も屋外撮影。当初大雨でその後大雪、夜半にやんだが極度の冷え込み。
朝10時まえ終了。18時間屋外立ちづめ。死。もうこんなこと4日も続けている。んでもってあと4日もある。あと5時間でまた出発。寝ないと。。。zzz

極寒プラハ出張(16)おれに睡眠時間を!

2004年1月13日(火) 22:30:09


起きられる自信がなかったので日本から来ている一番若いプロダクションマネージャーに念のためモーニングコールをお願いしておいた。「おはようございます。あと30分で集合です!」と元気よく起こしてくれ、やべっと思ってシャワーをすぐ浴びて時計を見たら……まだ1時間30分前だった(笑)。がっくりした拍子に足がつった。立ち続けすぎ。つか、おれに睡眠時間を! Actually、もう若くないのだ。頼むよ。

極寒プラハ出張(17)日本食恋しくない

2004年1月14日(水) 14:00:01


ボクは海外に長くいても「日本食恋しい〜」とはならないタイプで、とにかくひたすら現地食を食べるのだが、まわりのスタッフはそうでもない。というかボクが超例外。みんな着いた翌日から日本食に行きたがる。信じられない・・・
昨晩は夜にスタッフで食事する機会があったのだが、ご多分に漏れず日本食。そうかなぁと思ったらやっぱりそうだった。んー、せっかくチェコにいるんだからチェコ料理食べようよぅ(地団駄)。
しゃぶしゃぶを「しゃぷしゃぷ」を表記するようなお店に入りお寿司とか天ぷらとか冷や奴とか。遠き異国でがんばっている和食たちの姿を見るのも愛おしいが、やっぱりなんだか「あと一週間もすれば日本でイヤってほど食べられるじゃん!」な想いにかられるのです。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。